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伊豆箱根鉄道大雄山線


伊豆箱根鉄道大雄山線


大雄山線(だいゆうざんせん)は、神奈川県小田原市の小田原駅と神奈川県南足柄市の大雄山駅とを結ぶ、伊豆箱根鉄道の鉄道路線である。

全区間にて、ICカード乗車券PASMOおよびSuicaなどの相互利用カードが利用可能である。

路線データ

  • 路線距離(営業キロ) : 9.6 km
  • 軌間 : 1067 mm
  • 駅数 : 12駅(起終点駅含む)
  • 複線区間 : なし(全線単線)
  • 電化区間 : 全線(直流1500 V)
  • 閉塞方式 : 自動閉塞式
  • 最小曲線半径 : 100 m
  • 最高速度 : 60 km/h

運行形態

早朝と深夜をのぞいて12分または15分間隔のパターンダイヤで列車が運行されており、上り・下り列車の交換は和田河原駅・相模沼田駅・五百羅漢駅で行われる。全列車が小田原駅 - 大雄山駅間の運行の普通列車で、途中駅が始発・終着となる列車や、途中駅を通過運転する列車は設定されていない。2023年3月18日のダイヤ改正より10 - 15時台の運転間隔が12分から15分間隔へと見直された。

線路容量は12分間隔で限界のため、計画運休する列車を2往復設定しており、車両検査などの際にはその計画運休した列車の時刻で回送列車を運行する(「使用車両」の節も参照)。

車内放送はすべて自動放送で行われる。ワンマン運転は行っておらず、運転士と車掌が乗務している。乗車券を所持していない旅客は定期的な車掌の車内巡回時に申し出て車内精算を行い、車内補充券の発行を受ける形態をとっている。また、車掌は無人駅到着時に駅入口の改札口付近に移動し改札・集札する(朝夕の通勤時間帯以外)。そのため、車掌は列車走行時に頻繁に車内を移動する。

毎年12月31日深夜から翌年1月1日朝まで、初詣客のため終夜臨時運転が行われ、当路線では36分間隔の運転となる。

利用状況

輸送実績

大雄山線の輸送実績を下表に記す。沿線に大規模な工場や事業所が存在していること、また、西湘地域の中心都市である小田原への移動需要から、当線の輸送量は中小私鉄としてはかなり多い量であり、優良線区に位置付けされる。しかし、最近では輸送量は減少している。表中、輸送人員の単位は万人。輸送人員は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。

鉄道統計年報(国土交通省鉄道局監修)より抜粋

営業成績

大雄山線の営業成績を下表に記す。最近は収入総合計額が減少しているが、他中小私鉄路線と比較して格段に多い収入額となっている。表中、収入の単位は千円。数値は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。

鉄道統計年報(国土交通省鉄道局監修)より抜粋

戦前の輸送収支実績

  • 鉄道省鉄道統計資料、鉄道統計資料、鉄道統計、国有鉄道陸運統計各年度版

使用車両

緑町駅近くに半径100 mの急曲線があるため、車体長20 mの大型車両は入線できず、専ら17 - 18 m級の中型車両が使用されている。

車両の大規模な整備工場が線内にないため、全般検査などの大規模な定期検査を行う場合は、東海道本線の小田原 - 三島間を回送(甲種輸送)して、駿豆線大場駅にある自社の大場工場に入場する。東海道本線内はJRの電気機関車が大雄山線の車両を牽引するが、小田原駅の構内にある授受線には架線が張られていないため、そのままではJRの電気機関車が入線できない。そこで架線の張られていない区間に機関車が誤って入線しないよう、数両の貨車を控車として中間に介してJR側の機関車に連結するという方法を取っている。そのため、小田原と三島の間を行き来する大雄山線車両の回送列車は混合列車のような姿となっている。

現用車両

  • 5000系 - 18 m車3両編成。貫通路にドアはない。第5編成以降は、関東地方では少数派の転換クロスシートを装備している。
  • コデ165形 - 電気機関車代用

過去の使用車両

  • モハ151形・クハ181形・サハ181形
  • コデ66形 - 電気機関車代用

車両数の変遷

  • 事業用車除く
  • 1982・83年は1月1日現在、84年以降は4月1日現在
  • 『私鉄車両編成表』各年版、ジェー・アール・アール

歴史

大雄山線は、大雄山鉄道によって開業した路線である。道了尊で有名な最乗寺への参詣鉄道として計画された。

  • 1921年(大正10年)6月14日 鉄道免許状下付(動力蒸気、足柄下郡小田原町-足柄上郡南足柄村間)。
  • 1922年(大正11年)6月2日 大雄山鉄道設立。
  • 1925年(大正14年)10月15日 仮小田原 - 大雄山間(5M48C≒9.01 km)が開業。開業当時の駅は順に、仮小田原、五百羅漢、相模沼田、岩原、塚原、和田河原、大雄山の7駅である。穴部駅はこの時点では施設が工事中であったため、この日の運輸営業から除外されている。
  • 1926年(大正15年)
    • 3月31日 穴部駅開業。
    • 5月(日付は不詳) 飯田岡駅開業。
    • 11月24日 井細田駅開業。
  • 1927年(昭和2年)4月10日 新小田原 - 仮小田原間 (0.38 km) 延伸開業(旅客運輸)。仮小田原駅を相模広小路駅と改称。
  • 1933年(昭和8年) 大雄山鉄道が箱根土地(現・プリンスホテル)の経営傘下に入る。
  • 1935年(昭和10年)
    • 6月14日 新小田原 - 相模広小路間に緑町駅開業。
    • 6月16日 小田原 - 緑町間 (0.36 km) 延伸開業。新小田原 - 緑町間 (0.15 km)、相模広小路駅廃止。
  • 1941年(昭和16年)8月23日 大雄山鉄道が駿豆鉄道に吸収合併される。
  • 1957年(昭和32年)6月1日 伊豆箱根鉄道に改称。
  • 1956年(昭和31年)8月13日 富士フイルム前駅開業。
  • 1973年(昭和48年)1月17日 小田原駅で上り電車が止まり切れず、車止めを乗り越えホームに達する事故。50人が重軽傷。
  • 1976年(昭和51年)11月25日 架線電圧を600 Vから1500 Vに昇圧。
  • 1984年(昭和59年)3月18日 5000系電車運転開始。
  • 1996年(平成8年)10月10日 165形電車(赤電)のお別れ会およびお別れ運転を実施。
  • 1997年(平成9年)4月1日 運賃改定。大雄山線小田原 - 大雄山間は250円から270円に値上げ。
  • 2003年(平成15年)
    • 3月30日 小田原駅が新駅舎へ切り替え。自動改札機供用開始。
    • 大雄山駅自動改札機供用開始。
  • 2005年(平成17年)11月12日 開通80周年を記念し、大雄山駅構内でイベントを実施。
  • 2006年(平成18年)
    • 新久野川橋梁架け替え。
    • 8月16日 ダイヤ改正により、終電時刻繰り下げおよび12分間隔運転時間帯拡大。
    • 12月18日 緊急地震速報警報システム運用開始。
  • 2007年(平成19年)3月18日 ICカード乗車券「PASMO」と「Suica」が大雄山線全駅で利用可能となる。
  • 2011年(平成23年)5月4日 西武グループ統一キャンペーン「こども応援プロジェクト」の一環として、大雄山駅構内および分工場で『いずはこねふれあいミニフェスタIN大雄山』を実施。
  • 2021年(令和3年)5506編成に地方鉄道向け無線列車制御システムの現車試験としてアンテナ取付を実施。

駅一覧

  • 全駅神奈川県に所在
  • 線路(全線単線) … ◇・∨・∧:列車交換可能、|:列車交換不可

廃止区間

  • 新小田原駅 - 緑町駅
1927年4月10日開業、1935年6月16日廃止。

廃駅

廃止区間にある駅を除く。

  • 相模広小路駅 - 1925年10月15日開業、1935年6月16日廃止。

その他

  • 大雄山駅からJR東海御殿場線山北駅方面への延伸構想があり、神奈川県が策定した「かながわ交通計画」でも延伸が位置付けられているが、具体化には至っていない。
  • JR東日本の指定券券売機で、JR線からの連絡乗車券を購入することができる。

脚注

注釈

出典

参考文献

  • 南足柄市 編『通史編II 近代・現代』 7巻神奈川県南足柄市〈南足柄市史〉、1998年。 
  • 吉川文夫 (1965). “伊豆箱根鉄道・鉄道線”. 鉄道ピクトリアル No. 173 (1965年7月臨時増刊号:私鉄車両めぐり6): pp. 8-9, 43-52. (再録:鉄道ピクトリアル編集部 編『私鉄車両めぐり特輯』 2巻、鉄道図書刊行会、東京、1977年。 

関連項目

  • 日本の鉄道路線一覧

外部リンク

  • 駿豆線・大雄山線TOP |駿豆線・大雄山線

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: 伊豆箱根鉄道大雄山線 by Wikipedia (Historical)