東京外国語大学(とうきょうがいこくごだいがく、英語: Tokyo University of Foreign Studies)は、東京都府中市朝日町三丁目11番1号に本部を置く日本の国立大学。1873年創立、1949年大学設置。大学の略称は公式では「TUFS」、ほか東京外大(とうきょうがいだい)、外語大(がいごだい)、外大(がいだい)など。名称は「外国語大学」だが、3学部1研究科からなる総合大学である。(外国語を専門とする学部は言語文化学部。)
旧制東京外国語学校を前身とする大学である。
3学部3学科からなる総合大学で、外国語学部や国際教養学部などに相当する言語文化学部、歴史学部や国際関係学部などに相当する国際社会学部、国際日本学部がある。
言語文化学部では世界のさまざまな地域の言語と文化を学ぶ。27の専攻言語がある。3年次からは「地域コース」と「超域コース」に分かれる。
国際社会学部では国際関係や問題を読み解くための知識を身につける。15の専攻地域がある。コースは政治学や経済学など社会科学を中心に学ぶ「国際関係コース」、地域研究を中心に学ぶ「地域社会研究コース」、現代の国際問題を中心に学ぶ「現代世界論コース」の3つに分かれる。
国際日本学部では全体の4割に相当する外国人留学生とともに日本の政治、経済、文化などや日本語を中心に学ぶ。日本を世界の一国家として客観的にみる態度を養うことを目的とする。
2012年(平成24年)3月まで、7課程26専攻を設置する外国語学部 (Faculty of Foreign Studies) のみの単科大学だったが、2012年4月に改組され、言語文化学部と国際社会学部の2学部体制となった。2012年4月以降改編された学部では、いずれの学部も「実用語学力の養成」を重視する一方、言語文化学部は人文科学領域の研究を重視し、国際社会学部は社会科学領域の研究に重きを置くカリキュラムとなっている。2019年4月には国際日本学部を設置した。
大学院は、教育組織として総合国際学研究科 (Graduate School of Global Studies) が設置されており、そこでは博士前期課程(4専攻)と博士後期課程(3専攻)が設置されている。
言語文化学部では世界中の言語が研究・教育されており、多くの語学専門家が所属している。地域研究にも力点を置き、当該言語圏の政治、経済、社会、文化、習俗などについて教育・研究を行っている。
長きに渡って外交、文学、学界、マスコミ、商社、教育、芸術などの広い分野において卒業生の活動を見ることができる。
2020年イギリスの大学評価機関「クアクアレリ・シモンズ社 (Quacquarelli Symonds :QS)」の「QSアジア大学ランキング」では501位であり、言語学・現代語などの分野はQS全世界大学学科のランキング上位151位から200位以内だった。
東京外国語大学の前身教育機関である旧制東京外国語学校は一度廃校を経て復活するなど複雑な経緯をたどって設立されたため、3つの設立年代があり、後述のように東京外国語大学はそれぞれを「建学」・「創立」・「独立」と称している。
1896年、帝国議会に「外國語學校設立ニ関スル建議」が提出されると、翌年に高等商業学校に附属外國語學校が創立され、1899年に東京外國語學校として分離独立を果たした。現在の学則により創立年月日とされているのは1897年(明治30年)4月27日(高等商業学校附属外国語学校設立の日)であり、創立記念日も4月27日である(旧制校時代の沿革の詳細については東京外国語学校 (旧制)を参照)。そのため、本稿においては学則に定められた創立年である1897年(明治30年)を創立年としている。
校章は1899年(明治32年)に制定された。意匠は、中央の炬火と両脇の羽翼を組み合わせたもので、炬火には「L」の文字が巻きついている。炬火は「光は世を照らす」ことを、「L」はラテン語の「Lingua」(言語)の頭文字であり、羽翼は当時設置されていた8語学科を表しているとされる。
また、2004年(平成16年)の国立大学法人化を機に、新たにロゴマークを公募し、制定した。また、ロゴマークは商標として登録された。
1920年(大正9年)日本漕艇協会の求めに応じて学校色を牡丹色で登録した。以来この色はスクールカラーとして親しまれている。
発足当初は12学科からなる外国語学部のみであったが、徐々に学科や専攻する言語の数を増やし、2012年には学部改編が行われ、言語文化学部と国際社会学部という2つの学部が設置された。また、2019年4月に、言語文化学部及び国際社会学部を改組し、2学部に加えて国際日本学部を設置することとなり、3学部体制となる。
東京外国語大学には以下の付属機関・組織が設置されている。
研究センター等
教育支援・社会連携等組織
国際学術戦略本部(とうきょうがいこくごだいがくこくさいがくじゅつせんりゃくほんぶ、Office for International Academic Strategy、略称OFIAS)は、東京外国語大学における海外諸機関との連携、共同研究、海外研究拠点の運営、国際協力活動の効果的推進に資すると共に、海外ネットワーク、外国人研究者の受入体制の強化を図り、併せてこれらに携わる専門スタッフの人材養成を目的として2005年(平成17年)9月に役員会直属として設置された組織である。また、OFIASは文部科学省大学国際戦略本部強化事業に採択されている。
世界を対象としたニーズ対応型地域研究推進事業として2件のプロジェクトが採択された。
21世紀COEプログラムとして、2件のプロジェクトが採択された。
グローバルCOEプログラムとして、1件のプロジェクトが採択されている。
学園祭は「外語祭」と呼ばれ、毎年11月下旬に5日間に渡って開催される。各語科・サークル・ゼミ等が発表や出展を行う。各専攻語の1年生はキャンパス中央広場でそれぞれの専攻語が使用されている国や地域の料理を振る舞う「料理店」を出店し、2年生以上の学生は専攻語で外国語劇「語劇」を上演する。語劇は「生きた言語修得のための26言語・語劇支援」プログラムとして、2004年に文部科学省の特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)に採択された。
なお、グローバル・ジャパン・オフィスはヤンゴンを皮切りに世界38カ所に同様の拠点を設ける計画である。
東京医科歯科大学、東京工業大学、一橋大学との4大学で『四大学連合憲章』を2001年(平成13年)3月15日に締結、相互教育研究プログラムを展開している。これは大学の統合を目指すものではないとされる。また、四大学連合の各大学に附置されている研究所による所長懇談会も設置されている。
同じ西東京地区の国立大学である東京農工大学、電気通信大学と、グローバル人材の育成を目的として協働事業を展開している。高大接続教育、学部教育が行われているほか、2019年4月からは「共同サステイナビリティ研究専攻」(大学院博士後期課程)が設置された。
2000年(平成12年)10月に行われた北区西ケ原から府中市朝日町へのキャンパス移転に伴い、多摩地区国立5大学(東京外国語大学、東京学芸大学、東京農工大学、電気通信大学、一橋大学)間での単位互換制度を導入したほか、国際基督教大学などの周辺私立大と協定を結んでいる。
35ヶ国1地域の78大学・研究機関等と研究や教育の分野で提携を行っている。また、32ヶ国1地域の65大学・研究機関とは学生交流協定を締結し、毎年これらの大学などに1年以内の派遣学生として学生を送り出している。そして、協定校からは1年以内の短期留学生として学生を受け入れている。
アジア・アフリカ地域を対象とした教育・研究に関する海外の5大学との連携。
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