アニメシアターX(アニメシアター・エックス)は、株式会社エー・ティー・エックス(英: AT-X, Inc.)が運営するアニメ専門チャンネルである。通称「AT-X」(エー・ティー・エックス)。
スカパー!プレミアムサービス・スカパー!・スカパー!プレミアムサービス光・ひかりTVや、一部のケーブルテレビに加入することで視聴できる。
キャッチコピーは、「ワンランク上のアニメ専門チャンネル」。
正式なチャンネル名は「アニメシアターX」だが、原則として放送上では使われず、もっぱら通称かつ社名の「AT-X(エー・ティー・エックス)」が使われる(放送上で常に「TOKYO MX」を使用する東京メトロポリタンテレビジョンなどと同様)。「アニメシアターX」という名称は、スカパー!やケーブルテレビ等の各種案内や番組表等で使われている。元々はディレクTVで放送されていた。
古くからアニメ番組とのつながりが深いテレビ東京を母体とする放送局であり、同局のコンテンツ能力を生かした編成が特徴である。設立当初はテレビ東京(およびその系列局)が製作しているアニメ番組を中心に網羅する編成だったが、現在では地上波の放送系列(独立局含む)にとらわれない柔軟な編成を執っている。
日本国内にはアニメ専門チャンネルがいくつか存在するが、当チャンネルは全ての配信事業者において、基本料金およびパッケージ料金とはまた別料金での契約が必要であり、その月額料金も他の専門チャンネルより割高となっている。割高な理由としては、版権(著作権)上の理由によるものだけでなく、スポットCM(スポンサー)の放送が少ないため広告収入が見込めないことと、他ジャンルのチャンネルよりも配信に広い帯域を用いらなければならないことなどがある。
番組の放送のみに留まらず、2000年代半ば以降はAT-Xが自ら新作アニメの製作委員会に参加するようになり、2008年頃からは「AT-Xのみでの全話独占放送」(地上波・BS各局で未放送)となる作品も少数ながら散見されるようになった。2010年代に入ると、AT-Xの製作委員会参加作品がBS放送ではグループ内のBSテレ東(旧・BSジャパン)ではなく、BS11(独立局でビックカメラの子会社)やBSフジ(フジテレビ系)などでもネットされている。また、地上波・BS各局の特定のアニメ番組でスポンサーとなる場合もある。
2010年代半ば頃からは、地上波やBS各局を差し置いて(テレビ放送での)放送日時が全ネット局の中で最速となる新作アニメが増加しており、新番組が始まる改編期(1・4・7・10月)には「○月新番最速放送!」などとして、どのチャンネルよりも早く作品を視聴できることを公式サイト等でPRしている。
声優によるトーク番組・情報番組・バラエティ番組にも力を入れており、2008年から2011年まではそれらを元にした年越し特番(生放送)も放送された。声優を主体とした番組はディレクTVからスカパー!に移行した2000年頃より増加し、主に2010年代後半頃からは他の専門チャンネル等でもしばしば放送されているが、AT-Xのオリジナル番組群はその先駆けとも言える存在である。
2015年10月1日には、スカパー!オンデマンドにおいて『ST-X』(エス・ティー・エックス)を開設。「アニメ声優専門チャンネル」と銘打ち、独自の特典映像や特別番組を含む声優バラエティ番組のオンデマンド配信を開始したが、2年後の2017年9月30日をもってサービスを終了した。AT-X本体とは別にTwitterアカウントが設けられ、『ST-X』のサービス終了後も声優バラエティ番組全般に関するツイートを発信していたが、2019年4月30日をもって運用を終了した。
2024年3月23日には、PC・スマートフォン向けの定額制動画配信サイト『AT-DX』(エーティーディーエックス)のサービスが開始された。「アニメ紹介型動画配信サイト」と銘打ち、独自のオリジナル番組やアニメ作品のオンデマンド配信のほか、ST-Xと同様にAT-Xで放送のオリジナル番組も順次配信を予定している。
不定期に設けており、主に当チャンネルのテレビCMに出演する。
2022年12月以降はトラをモチーフとした「たいがさん」を使用している。YouTubeで配信される番宣番組「次クール、何くーる?」に出演するときのみ福山潤が声を担当する。また着ぐるみを制作しており、「きんぐたいがさん」として各種イベントに登場する。
AT-Xの最大の特徴は、アニメに特化した放送形態にある。特に、アイキャッチ・提供バック、エンドカードといった「再放送や他チャンネルやネット配信ではカットされることが多いパート」も、極力そのまま完全な形で放送している。 一部作品を除き基本的に、地上波や無料BS局等で放送される際に表示される違法アップロードを警告するテロップや、フィクションである事のお断りテロップ、販促告知のテロップは表示されない。
また特筆すべき点として、ペアレンタルロックにより特定の番組に対し「R15+指定」(15歳未満は視聴不可)の設定を行い、視聴者層の棲み分けを図っている点が挙げられる。アニメ専門チャンネルで特定の番組に年齢制限を設定しているのはAT-Xのみである。これにより、いわゆる深夜アニメやUHFアニメについても午前からプライムタイムを含め時間帯を問わずに編成しており、おおむね時間帯ごとに番組を構成する他のチャンネルとは一線を画している。
毎月第1土曜日と第1日曜日(「スカパー!無料の日」に当たる日)には無料(ノンスクランブル)放送を行っている。ただし、映画やOVAなどの特別番組や年齢制限を設けている番組、一部の声優バラエティ番組は対象外となる。沿革の通り、現在土曜日と日曜日は一挙放送などの特別編成が大半を占めるため、実際に無料放送を行うのは朝と夜間の数時間程度となっている。このほか、毎月開始する新番組の一部の第1話も無料放送の対象としている。2015年4月から2020年12月までは、後述の長時間特別編成枠「スペシャルサンデー」を編成していたため、第1土曜日が無料放送日だった(当時は「スカパー!無料の日」が第1日曜日の1日のみだった。2015年3月までは他チャンネルと同様、第1日曜日に実施)。また、かつては毎月20日も独自に無料放送を行なっていたが、2007年11月20日をもって終了した。
2009年4月1日以降、毎日6時を基点とする24時間放送を行っている(それまでは朝7時放送開始、深夜4時終了)。
ウォーターマークは常時表示ではなく、本編前半・後半の各冒頭で画面右上に数秒間ずつ表示される(古くはキッズステーションもこの方式であった)。なお、2000年代後半頃までは新作以外の作品では表示していなかった(CS初放送の場合は除く)。テレビ東京系のアニメ番組の放送前(直前番組の終了後)には、同局系列局で放送されているクロスプログラム(5秒間、一部番組を除く)が挿入される。
CMは番組の途中には挿入されず、放送終了後に流れる(ステーションブレイク)。大多数は放送番組の宣伝CM(地上波・BS各局と共通または独自に制作したもの)だが、無料放送を実施する際はAT-X自体の宣伝CMも流される。時期によってはV☆パラダイスなどの他チャンネルのCMも流される。また2010年代前半には、TBS製作の番組を放送した後に同局製作の作品のBlu-ray・DVDのCMを流していた(BS-TBSと同様の形態で、いずれも発売元はTBSである)。2006年11月までは、過去に放送した作品の主題歌をBGMにした環境映像が使われていたが、2021年4月より『音で聴くAT-X』と題して復活した(従来の宣伝CM等も併用)。
字幕放送については前述の通り、2018年9月よりスカパー!で、2019年1月よりスカパー!プレミアムサービスで対応した(ケーブルテレビなどの他の事業者については、局ごとに対応の有無が異なる)。特に地上波で深夜アニメとして放送される作品を中心に、AT-Xだけが字幕放送に対応している事例も少なくない。また2007年12月31日まで、スカパー!e2(現在のスカパー!)ではデータ放送を使用して新番組の情報などを伝えていた。
副音声付放送には対応しておらず、地上波で副音声によるオーディオコメンタリーがある番組の場合、主音声版とは別に副音声版(オーディオコメンタリー音声版)として放送している。
なお、全ての番組の終了後に「テレビを見るときは、部屋を明るくして画面に近づきすぎないよう注意してください。」というメッセージを5 - 15秒程度表示するほか(フィラーとして時間調整も兼ねる)、主に1997年の「ポケモンショック」以前に制作された旧作の放送時は冒頭に光の点滅(パカパカ)等の表現に関する注意文を表示する。
2008年より、毎年夏休みシーズン(8月から9月頃)には『ウチの夏フェス!』(ウチのなつフェス)と題して、自社制作の声優バラエティ番組を集中的に再放送するなどの特別編成を行なっている。2018年より声優バラエティ番組のほかにアニメも特別編成の対象となった。期間中のCM枠では、声優バラエティ番組の出演者や「フレッシュ夏フェス隊」と称した新人声優達による一言メッセージが随時流される。ただし、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が拡大している2020年~2022年はいずれの企画も休止した。
下記以外の放送作品については公式サイトの番組検索を参照。
2023年10月現在で放送が継続されている番組を挙げている。
自社制作のオリジナル番組のほか、近年はAT-Xが製作委員会に出資している作品の直前特番も制作されている。
Category:AT-Xのアニメを参照。
AT-X SHOP(エーティーエックス・ショップ)は、AT-Xがかつて展開していた通信販売サイトである。
2004年1月26日に開設。2006年9月4日までは株式会社キャラクター・アンド・アニメ・ドット・コム(現在のキャラアニ)に業務委託されていた。DVDに関しては、20%OFFで販売していた時期もあった。
2010年より、主にテレビ東京系で放送された作品やAT-Xが製作委員会に参加している作品のBlu-ray・DVDを対象に、加入者限定で「30%OFF+送料無料」で販売されていた。2012年からは「15%OFF+20%ポイントサービス+送料無料」(非加入者は「15%OFF(送料負担)」)に変更された。商品によっては、オリジナルの特典を付けることもあった。
2013年11月29日をもって閉鎖された。2014年4月30日からは「AT-X SHOP mini」と題して、かつての業務委託先であるキャラアニが運営する『キャラアニ.com』において自社商品の委託販売を行なっている。
2023年以降はネットショップ作成サービス「BASE」を使用しオリジナルグッズの販売を行っている。
2012年度の改編までは、ステーションブレイクにおいて毎月上旬・下旬のBlu-ray・DVDソフトの売り上げランキング(ベスト10)を発表するCMを流していた。上空に向かって灯されたスポットライトが時折当たる高層ビルを中心に回転する背景CGと、カステラの『ビデオ買ってよ』(1989年)がBGMとして長年使用された。
「AT-X SHOP」に関連したサービスとして、「AT-X メンバーシップカード」というクレジットカードが発行されていた(ケーブルテレビでの契約者は対象外)。GEコンシューマー・ファイナンス(現在の新生フィナンシャル)が発行元となり、国際ブランドはVISAとJCBの2種類から選択できた。ポイント制度もあったが、視聴契約を解約するとポイントは失効とされた。発行元のGE社のクレジットカード事業撤退により、2010年1月をもってサービスを終了した。
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