『FAIRY TAIL』(フェアリーテイル)は、真島ヒロによる日本の漫画作品。『週刊少年マガジン』(講談社)において2006年35号から2017年34号まで連載された。略称は「FT」。2020年2月時点で累計発行部数は7200万部を記録している。
テレビアニメは2009年10月から2013年3月まで第1期が、2014年4月5日から2016年3月26日まで第2期が、2018年10月7日から2019年9月29日までファイナルシリーズ(第3期)がそれぞれ放送された。また、同年7月からは原作の続編エピソード『FAIRY TAIL 100 YEARS QUEST』が上田敦夫の作画で『マガジンポケット』にて連載中。
日本国内にも増して海外人気が高く、特にフランスで非常に評価が高い。2018年時点で単行本はフランスだけでも770万部売り上げている。
元々のアイディアは「乗り物に弱い少年が様々なものを届ける運び屋として成長していく」というものであったが、そこから「様々な仕事を請け負う魔法使い」というアイデアに派生し、連載案を読切として発表した『MP(マジックパーティー)』の一部設定を引き継いだ作品となった。主人公ナツは初期の段階では読切の『FAIRY TALE』の主人公と同一デザインの予定であり、その後、主人公を人間にするに当たって角が取られ、幾多の髪型と服装のデザイン変更を行い現在のナツが完成した。また、13巻以降にはカバーを外すと設定資料や没カットなどが描かれている。前作『RAVE』同様、単行本にキャラクターのプロフィールはあるが、身長や体重などの設定はない。
世界中に幾多も存在する魔導士ギルド。そこは、魔導士達に仕事の仲介などをする組合組織である。立派な魔導士を目指す少女ルーシィは、ひょんなことから火を食べ火を吐き火を纏う滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)ナツと喋る青い猫ハッピーと出会い、彼らの所属するギルド「妖精の尻尾(フェアリーテイル)」に加入する。王国最強と謳われながらも問題児だらけの「妖精の尻尾」だが、ルーシィはナツとハッピーとチームを組んで様々な依頼に挑んでいく。
一種の組合。各ギルドによってそれぞれ紋章が定められており、ギルドのメンバーはその紋章を自分の体や衣服に入れている。なお、依頼主やギルドのメンバー以外でも食事や買い物などの用事なら誰でも出入りは可能。魔導士ギルド、傭兵ギルドなど種類は様々。
解散命令を出されたにも拘らず、それを守らずに裏で活動し続けているギルド。ほぼ犯罪組織と化している。中でも「悪魔の心臓」「冥府の門」「六魔将軍」の3つのギルドは「バラム同盟」と呼ばれており、闇ギルドの中心的な存在となっている。現存する闇ギルドの多くはバラム同盟の傘下に入っている。
魔法には大きく分けて2つあり、覚えて身につけた魔法を「能力(アビリティ)系」、アイテムを持って使う魔法を「所持(ホルダー)系」と呼ぶ。店で売っている魔法の殆どは所持系の魔法であり、能力系と比べて比較的手軽に行使できる反面、そのアイテムを失う(盗まれる・なくす・壊れるなど)と使用できなくなるデメリットがある。ただし所持系魔導士が能力系魔導士に実力が劣るという訳ではない。
※各個人が使う魔法についてはFAIRY TAILの登場人物を参照。
その威力や術者への副作用から使用者が限られていき、利用が禁じられ、次第に失われていった魔法。
本作の主要な舞台となる世界。世界中の人々の一割程度が魔導士の素質を持つ。エドラスにおいては「地上」とも呼ばれる。いくつかの大陸が存在し、作中では「大陸(イシュガル)」「西の大陸(アラキタシア)」「北の大陸(ギルティナ)」が登場している。
アースランドの平行世界。空には幾つもの島が浮遊している。アースランドとは違った動植物の生態・文化・歴史が根付いているが、名前や容姿が同じ人物が存在している。この世界に住む人々は体内に魔力を持たず、魔水晶を組み合わせた道具を魔法として使用する。しかし、魔水晶を消費し続けたことにより魔力の枯渇が進みつつある。そのため、王国軍以外の魔法所持が禁止されるようになった。アースランドの人間はこの世界では魔法が使えなくなるが、エクスボールを服用することで回避可能。後にアニマの逆展開により全ての魔力がアースランドに流れ、魔法が完全に失われた。
この作品には同作家の前連載作品『RAVE』からの客演があるが、作者自身が「あれはファンサービス的なもの」としており、『RAVE』と『FAIRY TAIL』は全く関係のない別々の世界の物語である。ただし、建築様式、生活様式などの世界観は『RAVE』に通ずるものもある。また、「テン・コマンドメンツ」や「オラシオンセイス」など、共通の用語も登場している。
作中にはハルやエリーなどRAVEの登場人物らしき人物がモブに登場している。なお、ジークやプルーは設定を完全に変更した上で以降も出演している。
第91話ではセルフパロディーとして『RAVE』のコスプレをしたナツとルーシィが扉ページに登場した。
『マガジンSPECIAL』2011年No.5では、両作のコラボレーションが行われ、単行本39巻の特装版に追加要素を加え映像化したOAD『FAIRY TAIL × RAVE』として収録されている。
アニメにおいては、第126話・第136話にケツプリ団が登場している。
『FAIRY TALE』は『マガジンFRESH』2002年9月3日増刊号に読切で掲載された。しかし、本作とはタイトルの読みだけが類似しているだけで、内容は「火の民」の少年シルバと「水の民」の少女エルが魔女に盗まれた「デビルマ全書」を取り戻す、という全くの別物である。こちらは現在短編集「ましまえん」の1巻に収録されている。
本作のタイトル『FAIRY TAIL』は「妖精の尻尾」という意味であり、読切作品のタイトル『FAIRY TALE』は「おとぎ話」という意味である。前者が「フェアリーテイル」、後者が「フェアリーテール」と記載されている。
連載版でのフェアリーテイルは魔導士ギルドの名称である。『FAIRY TALE』は元々『RAVE』の次の連載案であった作品であるが、スケジュールの都合から読切として発表された。
テレビ東京系列にて2009年10月から2013年3月まで第1期が放送された。原作1巻から35巻の「大魔闘演武編」の途中までアニメ化された。ナレーションは柴田秀勝が担当。
2012年には、フランスにて第19回アニメ&マンガ大賞の最優秀日本アニメ賞、および最優秀ダビング賞を受賞している。
2014年4月から2016年3月まで第2期が放送された。35巻の「大魔闘演武編」176話からのスタートとなる。放送局は前回同様にテレビ東京系列でキャストに変更はないが、一部スタッフやキャラクターデザイン、および音楽制作会社(ポニーキャニオン→エイベックス・ピクチャーズ)が変更となっている。
2015年4月放送分からは、冥府の門編の開始に合わせて構成が大きく変更。ハッピーによるサブタイトル読み上げが廃され、次回予告もナツとハッピーのコミカルな掛け合いから、ルーシィ役の平野綾によるシリアスな語りとなった。また、冥府の門編開始後のサブタイトルには、物語の進行に合わせて「冥府の門編 序章」または「冥府の門編」が加えられている。
2016年1月放送分からは、外伝『FAIRY TAIL ZERØ』のエピソードを描いており、それに伴い次回予告もメイビス役の能登麻美子が担当している。
2018年10月から2019年9月まで、原作最終回までを描く、ファイナルシリーズが放送された。スタッフは第2期とほぼ同様だが、制作はA-1 Picturesから分割されたCloverWorksが主導で行っている。
歌詞字幕あり。特に記載のない限り全てポニーキャニオン(第1期)→avex trax(第2期・ファイナル)から発売。
サブタイトルが太字の回はアニメオリジナルストーリー、話数が太字の回は前述「フェアリーテイル ベスト!」で再放映されたもの。
DVDは『月刊 FAIRY TAIL マガジン』に内包されている。
2021年9月には『100 YEARS QUEST』のアニメ化が発表された。『FAIRY TAIL 100年クエスト』のタイトルで、2024年7月よりテレビ東京系列にて放送予定。
単行本26・27・31・35・38・39巻の特装版に挿入されるオリジナルアニメーションDVD。マガジンSPECIALなどに掲載された番外編を原作に、発売時点までのテレビアニメの設定が追加されており、テレビでは控え目だったお色気描写が盛り込まれている。第3話では原作者真島ヒロがアニメの絵コンテを初挑戦したオリジナルエピソード。第4話はテレビアニメ第152話をより詳細にしたもので、大魔闘演舞3か月前の海合宿の内容を描いたものである。また、アニメ化の要望が多かった番外編「ようこそナツの家!!」も盛り込まれている。第5話では大魔闘演武3日目夜の番外編をアニメ化、小冊子「FAIRY TAIL ドキドキ・リュウゼツランド BONUS BOOK」も同梱。第6話では『FAIRY TAIL × RAVE』コラボ漫画をベースにアニメ化(その時の『RAVE』の状況はジェガンを倒した直後の話の模様)。
2012年8月31日には、このOAD3作品が劇場版の冒頭10分とあわせてニコニコ生放送で配信された。
単行本55・58・59巻より第2期のOADシリーズが発売。第1話は大魔闘演武後日談となる番外編、第2話はメイビスをもてなすエピソード、第3話はクリスマスエピソード。当初、第2話は第56巻特装版、第3話は第58巻特装版に同梱予定であったが都合により変更している。
2011年2月11日から2013年4月19日まで、HiBiKi Radio Stationにて、「FAIRY TAIL Webラジオ『魔導士ギルド放送局 やりすぎソーサラー!』」が隔週金曜日に配信されていた。
2015年3月25日から8月5日までインターネットラジオステーション〈音泉〉、HiBiKi Radio Stationにて「FAIRY TAIL ギルド de ラジオ」が隔週水曜日に配信された。
2012年8月18日に『劇場版 FAIRY TAIL 鳳凰の巫女』(げきじょうばんフェアリーテイル ほうおうのみこ)が公開。原作者の真島ヒロが制作段階から全面参加し、ストーリー原案からビジュアルデザイン、ゲストキャラクター原案、イメージコンセプトを担当している。前売券には劇場版序章となるエピソード「はじまりの朝」を収録したブックレット『FAIRY TAIL +』が数量限定特典として付いている。2012年10月には台湾で公開のほか、アメリカやフランス、スペイン、アジア各国でのオファーも来ている。2013年2月15日発売コミックス第36巻特装版DVDに劇場版を収録、また映像特典として『はじまりの朝』も収録。またBlu-rayは2013年5月24日に発売された。なお、単行本付属のDVDにはファンからの要望により、日本語字幕が収録されている。ゲスト声優としてますだおかだと吉木りさが出演した。
キャッチコピーは「守りぬく!! 出会えた奇跡を!! 仲間の笑顔を!!」「オレたちは、永遠に仲間だ!!」。
全国73館という小規模公開ながら、2012年8月18、19日の初日2日間で興収6028万3700円、動員5万2795人になり映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第9位となった。
『劇場版FAIRY TAIL 序章「はじまりの朝」』(げきじょうばんフェアリーテイル じょしょう「はじまりのあさ」)は、2013年2月15日発売コミックス第36巻特装版DVDに収録の映像特典。劇場版本編の前日譚であり、モモンとエクレアの出会いのエピソード。
2013年5月24日にBlu-ray版発売。初回版と通常版の2種が存在し、両方に映像特典として序章「はじまりの朝」と宣伝映像集が、初回盤は原作者書き下ろし三方背BOX使用で、封入特典としてビジュアルコメンタリーブック、原作者書き下ろしミニ色紙、縮小版激情スタンディ、音声特典としてキャスト・スタッフのオーディオコメンタリーが付属している。
2015年5月16日、劇場版アニメの新作の制作決定が発表された。後にタイトルは『劇場版 FAIRY TAIL -DRAGON CRY-』(げきじょうばんフェアリーテイル -ドラゴンクライ-)と発表され、真島ヒロが総合プロデュースを手がける完全オリジナルストーリーとなっている。 2017年2月22日に公開日が5月6日と発表され、配給元を松竹からGAGAに変更した。 2017年5月にアメリカ、イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、中南米9ヶ国、タイ、フランスの全世界16ヶ国での同時公開が決まっている。
時系列としては、「黒魔術教団」編とアルバレス帝国編の間に位置する(原作の51巻と52巻の間)。
キャッチコピーは「その力は、希望か破壊か-」「妖精たちの最終章 始動」。
『ライブ・ファンタジー「FAIRY TAIL」』のタイトルで舞台作品が、2016年4月30日から5月9日にかけてサンシャイン劇場で、7月1日から3日にかけて上海 藝海劇院で上演された。脚本・演出は児玉明子、主演は宮崎秋人。ストーリーは「ニルヴァーナ編」をベースとしている。
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