川内駅(せんだいえき)は、鹿児島県薩摩川内市に所在する、九州旅客鉄道(JR九州)・日本貨物鉄道(JR貨物)・肥薩おれんじ鉄道の駅である。JR九州の九州新幹線と鹿児島本線、肥薩おれんじ鉄道の肥薩おれんじ鉄道線の3路線が乗り入れ、接続駅となっている。
旅客駅においては、九州新幹線開業前は当駅より上り方面も鹿児島本線であり、JR九州の単独駅であったが、2004年の九州新幹線開業による並行在来線の経営分離により、現在はJR九州と肥薩おれんじ鉄道が駅構内を共用する共同使用駅となっている。
2004年3月から2022年9月までの18年半間、日本の新幹線では最西端に位置する駅であったが、同月23日に西九州新幹線が開業したことで、長崎駅が最西端となった。
鹿児島県内では最も遅く最終列車が到着する(2024年3月16日現在0時24分)。
新幹線は、速達型「さくら」と各停「つばめ」の全列車が停車する。日中は主に「さくら」が1時間当たり2本停車し、この2本の「さくら」のうち熊本駅 - 鹿児島中央駅間を速達運転する列車と、この区間を各停として運行する列車が交互に停車する。最速達型列車の「みずほ」は2018年3月17日ダイヤ改正で臨時列車が上下1本ずつ停車するようになり、2023年3月18日ダイヤ改正以降は、上りのみ2本停車している。
2004年の新八代暫定開業から2011年の全線開業までは、新八代駅 - 鹿児島中央駅間ノンストップの1往復を除き全列車が停車していた。
肥薩おれんじ鉄道線の列車は、普通列車上下10本(土休日は上下8本)が隈之城駅に乗入れる他は全て当駅発着となる。また、JR九州の車両は肥薩おれんじ鉄道線には乗入れず、全て当駅発着となる。鹿児島本線では朝と夜間に特急「川内エクスプレス」が1往復発着していたが、2016年3月26日ダイヤ改正で廃止となった。また、肥薩おれんじ鉄道線の快速「オーシャンライナーさつま」も鹿児島本線に乗り入れていたが、2019年3月16日のダイヤ改正で乗り入れを取りやめて当駅発着となった。
新幹線・在来線共に地上駅で、橋上駅舎を備える。九州新幹線の駅としては唯一の地上駅である。新幹線ホームは相対式ホーム2面2線、在来線・肥薩おれんじ鉄道ホームは島式ホーム1面2線で、南半分が1・2番のりば(JR鹿児島本線)、北半分が3・4番のりば(肥薩おれんじ鉄道)となっている。この他、駅本屋側には使用されていない単式ホーム1面1線が存在する。新幹線は鹿児島中央方に留置線(旧・川内新幹線車両センター。2011年3月12日以降は、川内駅構内扱い。)がある。
1987年の宮之城線廃止以前は、在来線側は上記のホームの他に同線の発着に使用するホームが1面設けられた3面5線の構造であり、さらにその外側に貨物側線群が設けられていた。貨物側線は、国鉄時代末期の貨物取扱縮小により列車留置線に転用され、宮之城線ホームは、同線廃止後は鹿児島本線のホームとして使用された。JR九州移行後も新幹線の建設まではほぼそのままで使用されていたが、その後新幹線建設に伴い旧宮之城線ホームは撤去され、留置線も川内川付近に移転し、旧宮之城線ホームと留置線跡地に新幹線の線路やホーム等の施設が設けられた。2004年3月の新幹線開業時には駅舎の橋上化が行われた他、鹿児島本線当駅以北の肥薩おれんじ鉄道への経営移管に伴い旧1番線ホームの使用が停止され、上記の構造となった。旧1番線ホームは現在もホームの一部、線路、架線が当時のまま残っていて本線とも繋がっているものの、旧駅舎や跨線橋は全て取り壊されていて旅客通路からは分離されているためホームに立入ることが出来ず、出発信号機や入換信号機も使用停止を示す×形の板が取付けられている(一応信号自体は点灯している)。
終日有人駅で新幹線改札口はJR直営、在来線改札口はJR九州サービスサポートが受託している。みどりの窓口が設置されており、こちらはJR直営のスタッフが担当している。
自動券売機は新幹線用、指定席券売機、JR在来線用(ICカード・オレンジカード対応)、肥薩おれんじ鉄道用の各券売機が設置されている。また、在来線の改札内には簡易ICカードチャージ機が設置されている(現在は稼働しておらず、川内駅まで乗車して来た際に残高が足りなければ駅員に申出るとチャージしてもらえると言う方式にしている)。
自動改札機は新幹線改札口と新幹線連絡改札口にのみ設置されている。JR在来線は肥薩おれんじ鉄道と共同で使用している改札のため自動改札機は設置出来ず、簡易SUGOCA改札機のみが設置(ホーム上、肥薩おれんじ鉄道の駅舎前)されている他、ICカード以外の乗車券や磁気定期券は駅係員が改札を行う。
なお、JR線改札口(乗車券売り場)のみどりの窓口ではJR線発着の肥薩おれんじ鉄道との連絡乗車券は取扱うが肥薩おれんじ鉄道線内のみの単独乗車券や割引乗車券については取扱っておらず、単独乗車券は自動券売機又は肥薩おれんじ鉄道の出札窓口以外では購入出来ない。割引乗車券も肥薩おれんじ鉄道の出札窓口のみの購入となる。
肥薩おれんじ鉄道側も有人駅で、在来線ホーム八代方(上り方)に肥薩おれんじ鉄道線乗り場には駅舎と出札窓口、改札口(連絡改札口)、待合室が設けられており、業務を委託されている株式会社「薩摩川内市観光物産協会」の社員(駅係員)が改札・集札業務や乗車券販売、駅管理業務等を行なっている。駅番号はOR28。肥薩おれんじ鉄道の駅舎はJR鹿児島本線からの乗客の乗換の利便性を考慮して開業時に設置されたもので、運転士の休憩室(詰所)も設けられている。
この駅舎の出札窓口には自動券売機は設置されておらず、乗車券を購入する場合は全て窓口での発行となる。また早朝と夜間は無人となるため、無人時間帯はJR線改札口に設置された自動券売機で乗車券を買うか、車内で発行される整理券を取り、下車駅で運賃を支払う。
かつてのJR九州時代は駅舎付近に待合室やキオスクなどが設けられていたが、2004年の肥薩おれんじ鉄道の開業時に全て撤去され、駅舎が建てられた(キオスクはJR九州側改札口付近の待合室に移動したが、現在はファミリーマートへと店舗が変わっている)。
JR鹿児島本線ではIC乗車カード「SUGOCA」の利用が可能である(相互利用可能ICカードはSUGOCAの項を参照)が、九州新幹線(当駅 - 鹿児島中央駅間含む)及び肥薩おれんじ鉄道線での利用は出来ない。
新幹線・在来線・おれんじ鉄道共に夜間滞泊が設定されている。
JR貨物の駅は、駅西口の北にある。1面式コンテナホームに、2線の荷役線(うち1線は路面埋込式)があり、各線共にコンテナ車が7両程度留置可能。駅の着発線とコンテナ荷役線は、駅北側(上川内駅方面)へ伸びる引上線を介して接続している。
2019年3月改正時点では、以下の上り高速貨物列車が停車する。下り列車は停車しない。
取扱う貨物は、コンテナ貨物(12 ftコンテナ)のみである。また、産業廃棄物の取扱許可を得ている。
JR九州の2019年度の一日平均乗車人員は2,828人であった。鹿児島県内のJR九州の駅としては、鹿児島中央駅、国分駅に次いで第3位である。
肥薩おれんじ鉄道の2019年度の一日平均乗降人員は335人、一日平均乗車人員は130人であった。
2013年度の駅取扱収入は24億3,900万円で、JR九州の駅としては第11位であった。
九州新幹線開業後はその速達効果が大きいことから、川内駅の利用者が急増した。鹿児島からの所要時間は、高速道路(南九州西回り自動車道)経由で約30分以上、一般道(国道3号)経由で約1時間20分、在来線で約50分掛かるが、新幹線だと12分で到達可能。
特に鹿児島中央駅への利用客増加は、九州新幹線部分開業前の予測を大幅に超えており、新幹線用定期乗車券「新幹線エクセルパス」当駅 - 鹿児島中央駅間利用者数は2013年9月末時点で542人に達している。これは2013年9月末時点、九州新幹線の区間別の定期券利用者数では博多駅 - 熊本駅間の646人に次いで第2位である。
年度別乗車人員の推移は以下の通り。
2021年ごろまでは、主な駅弁として「えびめし」を販売していた。
駅前西口広場にバス停留所がある。
肥薩おれんじ鉄道の臨時快速列車「おれんじ食堂」の隣の停車駅は列車記事を参照のこと。
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