作新学院高等学校(さくしんがくいんこうとうがっこう)は、栃木県宇都宮市一の沢一丁目にある私立高等学校。
日本最大の規模と卒業生を持つ大規模校であり、ピークの1991年には4部3学年合わせて約1万人の在校生がいた。長年、同一敷地内に別学の男子部・女子部を設置していたが、2003年、二つの部を統合し、「総合進学部」を設置した。現在、トップ英進部、英進部、総合進学部、情報科学部の4部で、約4千名の在校生が学び、日本一の生徒数を誇る時代もあった。敷地内に幼稚園・小学部・中等部・高等部がある。高校の分だけで、10以上の校舎、3つの体育館、3つのグラウンドを持つ。校名の「作新」は、黒羽藩14代目当主大関増徳(増式)の開設した藩校「作新館」に由来する。藩校の「作新館」は、15代目当主大関増裕の海軍奉行時代の部下であった勝海舟も影響を与えたと言われている。廃校になった作新館の名称を継承したのは、直接的な関係は無いが、創立者の船田兵吾と黒羽藩士(栃木県議)小山田辯助が懇意であったことによる。設立においては、田中正造らの協力があった。なお、「作新館」は実質的には、黒羽藩家老職、風野家屋敷跡隣地にある大田原市立黒羽小学校に引継がれている。2010年4月、学校法人船田教育会から分離し、学校法人作新学院の経営する学校となる。
一校一家 自学自習 誠実勤労
1885年、船田兵吾らによって、私塾「下野英学校」として設立された作新学院は、大正末期~昭和初期の一時期を除いて、船田家による家族経営が続けられてきた。
3つの部(2014年のカリキュラム改編により英進部内で「トップ英進部」が分割される)に分かれ、それぞれが全く異なった教育課程を持っている。授業の相互乗り入れ、単位互換等はない。また、原則として転部や転科は行われない。
SIクラス・SIIクラス[TS](トップ英進)
英進選抜クラス[ES](英進)
英進クラス[EE](英進)
特別進学・進学クラス[SA]
商業システム科[IC]
電気・電子システム科[IT](旧電気・電子科)
電気システム科[IE]
電子システム科[IJ]
美術デザイン科[ID]
ライフデザイン科[IL](旧家政科→生活科学科)
自動車整備士養成科[IM](2006年に新設)
普通科総合選択コース[IF](2006年に新設)
硬式野球部・軟式野球部・自転車競技部・ボクシング部・弓道部・柔道部・ラグビー部などが強豪として知られる。
1990年1月17日、男子柔道部員(当時17歳)が、投技を受けた最中に相手が体勢を崩したため受け身がとれずに頭を強打、脳内出血が原因で3日後に死亡。これを受けて同部は第12回全国高等学校柔道選手権大会県予選会を棄権した。
春の甲子園は11回、夏の甲子園は16回出場している。獲得した全国タイトルは、計4回(選抜1回・選手権2回・国体1回)を誇る。
1958年に夏の栃木県大会決勝で宇都宮工を破り、第40回全国高等学校野球選手権大会に初出場する。同大会で選抜優勝校の済々黌や高松商を破るも、準決勝で板東英二擁する徳島商に接戦の末に敗れる。この年の11月、野球部員による不祥事が起こり、レギュラー部員2名が退学処分となった。また学校として「1959年春のセンバツに推薦されても辞退する」との方針を固めた。
1962年には第34回選抜高等学校野球大会に出場し、八木沢荘六・加藤斌を擁して選抜初優勝。同年夏の第44回全国高等学校野球選手権大会では、八木沢が欠場したものの、加藤が一人で投げ切って選手権初優勝。史上初の甲子園春夏連続優勝を成し遂げた。
1973年には第45回選抜高等学校野球大会に出場し、江川卓が60奪三振(大会記録)等の活躍で準決勝まで進むが、広島商に敗れる。同年の第55回全国高等学校野球選手権大会に出場したが、2回戦で銚子商に延長12回の末、押し出し四球で敗れた。
2000年の第72回選抜高等学校野球大会には21年ぶりに出場し、ベスト8進出。
2009年の第91回全国高等学校野球選手権大会に出場。初戦で敗れたものの夏の甲子園に31年ぶりの出場を果たし、名門復活を予感させた。
2011年には第93回全国高等学校野球選手権大会に出場し、福井商・唐津商 ・八幡商 ・智弁学園を破り49年ぶりの夏ベスト4を達成した。
2012年、第94回全国高等学校野球選手権大会に出場。この大会もベスト8に進出した。8月18日、野球部員が8月10日に宇都宮市内で当時15歳から17歳の少女4人に乱暴したり、 現金を奪ったりする強姦・強盗致傷事件を起こしていたことが発覚した(作新学院高校野球部わいせつ事件)。ただし、大会中であったこともあり出場停止にはならなかった。公式に報道された硬式野球部の(わいせつに関する)不祥事としては1958年以来、54年ぶり2回目である。
2013年、第95回全国高等学校野球選手権大会に出場。栃木県勢としては初の3年連続出場を記録し2021年まで10大会連続出場を果たした。
2016年、第98回全国高等学校野球選手権大会に出場し、今井達也・入江大生を擁して54年ぶり2回目の優勝を果たした。
2017年、第99回全国高等学校野球選手権大会に出場。盛岡大学附属高等学校に対し初戦で黒星を喫し、夏2連覇ならず。
2018年、第100回全国高等学校野球選手権記念大会に出場。初戦で大阪桐蔭に1-3と敗れ2大会連続で初戦で敗退。
2019年、第101回全国高等学校野球選手権大会に出場。第91回選抜高等学校野球大会ベスト8に進出した筑陽学園を延長で、岡山学芸館高等学校を18-0と破り、優勝した2016年以来、3年ぶりのベスト8進出を果たした。
2021年、第103回全国高等学校野球選手権大会に出場。中止の前年を挟み栃木大会10大会連続優勝を達成した。夏の地方大会10連覇は2007年から2019年まで福島大会を13連覇した聖光学院に次いで戦後2校目の快挙である。
プロ野球界へ20名以上OBを輩出している。
1993年に発足。獲得した全国タイトルは、計19回(選手権10回・国体9回)を誇る。
全国高校軟式野球選手権大会には、2008年から5年連続出場など2012年までに26回出場し、10回全国優勝している。また、国体高校野球競技でも9回優勝している。
全国高等学校総合体育大会学校対抗優勝経験のある古豪。
2019年3月の時点では全国高校総体優勝から20年以上離れており、その中で監督の暴言、パワーハラスメントが発覚した。監督は3月18日、出勤停止1年の処分を受け、前監督だった父親のコーチ職解任も決まった。
演劇部・吹奏楽部・チアリーディング部が有名である。
特に演劇部は、関東大会・全国大会の常連校として知られている。
創立130周年となった2015年に情報科学部の東館を解体し、そこの跡地に建設された。2017年完成。コンビニエンスストア(ヤマザキショップ)、カフェ、自習室、資料展示室がある。自習室には、タブレットPC(Microsoft Surface pro)が40台ある。
JR宇都宮駅より関東バス「作新学院・駒生営業所 健康の森経由・駒生営業所 立岩」行き、「作新学院前」バス停下車
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