対句(ついく)とは、中国文学の修辞的技巧のひとつで、2つの句の対応する文字どうしが同一の品詞に属するように文を作ることをいう。韻文・散文の両方に用いられる。対句を主要部とした文章を駢文と呼ぶ。近体詩では特に対句を重んじ、律詩では原則として頷聯(3句めと4句め)・頸聯(5句めと6句め)が対句になっている必要がある。
日本文学でも和歌や俳句などにみられる。
もともと対句は自然発生的なもので、『詩経』や『論語』にも対句は見られる。対句の発生には中国語の単音節性がかかわっていると考えられる。六朝時代にいたって対句の技法は発展し、『文心雕龍』のような理論書も作られた。唐の近体詩では同字を使うことを避けるなど、大きく対句の規則が変化した。
対句は単純に隣りあう句どうしが対になる場合(単対)のほかに、第1句と第3句・第2句と第4句が対になる場合(隔句対)がある。
対句の片方だけでは文が完結せず、両方でひとつの意味のまとまりをなすものを流水対と呼ぶ。
句全体としては対になっておらず、句の一部だけが対をなす場合もある。これを偏対と呼ぶ。
2つの句が対句であるためには、両者の字数が同じであることはもちろんだが、ほかにも以下のような条件を満たさなければならない。
うまい対を使うかどうかは文章の種類によって異なる。対聯においてはうまい対を使う必要がある。いっぽう唐以降の古体詩では古風にするために対句をなるべく使わず、対句が出現する場合は、わざとうまくない(上記の規則に反する)対句を作った。
日本文学でも和歌や俳句などに対応する言葉を組み込んだ対句がみられる。
対句が連続しているもの(狭義には対句が連続して言葉の上でも連鎖関係が認められるもの)を連対または連対句という。基本の二句対が連続した四句連対(四句連対句)や六句連対(六句連対句)もある。
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