『のだめカンタービレ』は、クラシック音楽をテーマとした日本の漫画『のだめカンタービレ』(二ノ宮知子)を原作とするテレビドラマである。
2006年10月から12月まで、連続ドラマとして日本のフジテレビ系で放送され、その特別編として2008年1月に『のだめカンタービレ 新春スペシャル in ヨーロッパ』が放送された。
テレビドラマの続編として2009年から翌2010年に映画『のだめカンタービレ 最終楽章』二部作が制作され、公開された。
2014年には韓国KBSが同じ漫画を原作にしたテレビドラマを制作した。
2020年に中国語版テレビドラマ『蝸牛與黃鸝鳥』が放送された。
2006年10月16日から12月25日まで毎週月曜日21時 - 21時54分に、フジテレビ系の「月9」で放送。初回と最終回は21時 - 22時9分の15分拡大放送された。全11回。主演は上野樹里と玉木宏の2人で、共に本作が月9ドラマ初主演となる。
2008年1月4日と5日に、スペシャルドラマ『のだめカンタービレ 新春スペシャル in ヨーロッパ』が同局系で2夜連続で放送された。
2006年12月にはテレビドラマのストーリーを基に小説化され、講談社より発売された(書籍参照)。
2007年エランドール賞の新人賞に主演の上野樹里と玉木宏が選ばれ、特別賞にはプロデューサーの若松央樹が選ばれた。他にも、第51回ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞最優秀作品賞、主演女優賞(上野樹里)、音楽賞(武内英樹)、監督賞(武内英樹)、タイトルバック賞(鈴木鉄平)、特別賞を獲得した。月刊TVnaviが行ったドラマ・オブ・ザ・イヤー2006でも最優秀作品賞を受賞した。
また、スペシャルドラマの放送に伴い、フジテレビをはじめFNS加盟28局のうち17局で放送直前に連続ドラマの全11話が一挙再放送された。
当初はフジテレビではなくTBSが放映権を獲得し、のだめは同じく上野、相手役の千秋は岡田准一のキャストで前年の2005年10月から放送される予定であった。しかし、岡田が所属するジャニーズ事務所が上野を脇役に回して岡田を主演扱いに改変するよう強く要請、さらに主題曲も既成のクラシック音楽ではなく岡田がメンバーを務めるV6の新曲を使用するよう横槍を入れてきたことに二ノ宮が強い難色を示したことから、制作発表を行っていたにもかかわらずクランクイン直前に破談となった。その後、改めてフジテレビが二ノ宮の意向を受け入れることを条件にオファーを出し、千秋役を玉木に変更し主題曲も二ノ宮の希望するガーシュウィン及びベートーヴェンを使用することで話がまとまり、一年後の2006年10月からの放送となった。
なお、放送前に破談となったTBSは急遽代わりの企画を立て『花より男子』を制作・放送した。この件についてTBSは「どんな番組でも、正式発表までに、水面下でいろいろな動きがある。今回の場合、『花より男子』に松本潤さんがキャスティングされているということで、(ジャニーズとの)トラブルはなかった、とご理解ください」とコメントした。
原作がリアルな絵柄ではあるがギャグ漫画的なので、それを忠実に漫画的に再現するため、殴ったり投げ飛ばしたりするシーンには投げ飛ばされ専用の人形が作られた。また、のだめが千秋の唇を狙うシーンでは画面上にピンク色の矢印や「LOCK ON」の表示、のだめが千秋にそれとなく告白するシーンや、彩子が千秋に惚れ直すシーンにはハートマークや、真澄が走るシーンに集中線らしきものが入ったりと、漫画の表現をできる限り実写画面に表現することも工夫された。
演奏場面では音楽を十分に聴かせるような演出が行われた。クラシックの演奏シーンをよりリアルにするために主要キャストは担当の楽器や指揮を習い、サントラの演奏をするために「のだめオーケストラ(のだめオケ)」が公募の末、結成された。彼らはAオケおよびSオケ、R☆Sオケのメンバーとしても、エキストラ出演している。のだめオケの公募とサントラ音源の収録には、東京都交響楽団および、指揮者のジェームズ・デプリーストが協力し、原作者の二ノ宮とも交流のあるNHK交響楽団首席オーボエ奏者の茂木大輔、指揮者の梅田俊明らの専門家も音楽関連のアドバイザーや指揮指導をしている。黒木役のオーボエの演奏を実際にしているのは茂木ではなく、N響の同僚の池田昭子である。
BGMとしても非常に多くのクラシック音楽を使っている(下記音楽参照)。特に多用されたのがベートーベン「交響曲第7番」とガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」である。
「のだめカンタービレ in ヨーロッパ」では、楽団員や審査員などが話すシーン(本来は外国語のはずだが、視聴者のために日本語としているシーン)は、声優による吹き替えが使われた。声優のキャストは青二プロダクションが担当した。
連続するシーンでも、建物の外観とホールの内観とが異なるケースがある。
2015年にOKMusicが選定する「本当に泣けると評判のドラマ3選」に選ばれている(他の2選は、『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004年)、『神様、もう少しだけ』(1998年))。
ファミリーマートで「裏軒」と「千秋の料理」が期間限定で発売された。
韓国国内のケーブルテレビで韓国語字幕付きで放送されており、視聴率が2%という、ケーブルテレビとしては高い値を取っている。韓国の地上波テレビ局では、日本のドラマなどの放送は禁じられている。
台湾の緯来日本台、香港TVBの翡翠台などでも放送。なお、台湾では2009年3月に高雄市でズデニェク・マーツァル指揮による演奏会があり、「交響情人夢(のだめカンタービレの台湾での題名)演奏会」として一夜目が「野田妹(のだめ)の夜」、二夜目が「千秋の夜」とされた。演目は一夜目が有名曲中心で、二夜目はブルックナーの交響曲などだった。
本ドラマをベースにした実写映画『のだめカンタービレ 最終楽章』が前後編2部作で制作された。テレビドラマ版の演出に引き続き、前編を武内英樹、後編を川村泰祐が監督を務め、共に映画監督デビューとなった。2010年上半期邦画興収は前編が2位、後編が3位であった。
2006年12月23日から12月31日まで、「のだめフェスティバル」が東京国際フォーラムで開催された。12月26日、27日にはのだめカンタービレ杯が開催され、オーケストラ部門、ピアノ部門、管楽器部門でコンテストが行われた。また、のだめワールドと称してドラマ「のだめカンタービレ」コーナー、マエストロ千秋の楽器演奏体験コーナー、のだめ丸ごとお絵かきコーナー、「マングースと一緒に記念撮影できちゃうのデス!!」コーナーといったコーナーが設けられたほか、のだめオーケストラによるコンサートも行われた。
テレビドラマ化を記念して「CAFE DE のだめ」が作られ、ドラマの撮影にも使用された。2007年にはテレビアニメ化を記念してリニューアルされ、同年4月初旬に終了した。
2007年お台場冒険王のシアターモールにのだめのブース「のだめカンタービレ・夏休みクラシック講座」ができ、のだめのドラマとアニメがコラボレーションした。講師陣に上野樹里、玉木宏、竹中直人が登場。
2014年10月13日から12月2日までKBS第2テレビジョンにて放送された。
日本では、CS放送フジテレビTWO ドラマ・アニメにて、2015年2月14日から放送、7月1日にBlu-ray&DVD・BOX1・2が発売。
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