ルパン三世(ルパンさんせい)は、モンキー・パンチの漫画作品およびそれを原作とするアニメ『ルパン三世』シリーズに登場する主人公である架空の人物。
怪盗アルセーヌ・ルパン(モーリス・ルブランの小説・『アルセーヌ・ルパン』シリーズに登場する主人公)の孫 であり、祖父と同様、卓越した技量を持った大泥棒である。作中で「アルセーヌ」をファーストネームとして自ら名乗ったことは一度もない。欧米では、二世、三世などは苗字にかからない(ファーストネームないしフルネームに付く)ため、アメリカ合衆国で発売された英語版DVDでは「Arsène Lupin III」が本名となっている。フランス語版では本家ルパンとの著作権問題を避けるために「エドガー」と名前が変更され、タイトルも『探偵泥棒エドガー』となっている。
『ルパン三世 PART5』第1話冒頭にて、パソコン画面上のルパンのプロフィールおよび手配書に Present Family name: Lupin, Forename: Arsène と表記され、本編中で初めてルパンの名前が Arsène Lupin であるとする描写が登場した。ただし作中では「本名不明」とも言っており、それが本名であるのか通り名であるのかはわからない。
怪盗アルセーヌ・ルパンの孫で、少年時代に祖父が死去し、遺産として「盗術」という著作を授かる。その後盗みと殺人のテクニックを習得し、世界的な犯罪者となる。第11話「健在!!ルパン帝国」にて、北海道浜中町にあるルパン帝国で、幼馴染の次元大介と再会。以後、相棒として行動を共にする。モンキー・パンチの最初の考えでは、あまりの怪盗ぶりゆえに、愛称として世間で「ルパン三世」と呼ばれているという設定だったが、担当編集者から「そんな面倒臭い設定にするな」と言われ、わかりやすく「アルセーヌ・ルパンの孫」という設定になった。
一般的にはモンキー顔で細長い顔と、しゃくれた顎に短髪、もみ上げが特徴的である。ただし、若いころは髪を伸ばしており、原作漫画の第37話~40話、『TV第2シリーズ』第50話「私が愛したルパン(前編)」では長髪姿のルパンがそれぞれ登場している。
原作漫画『ルパン三世 新冒険』『新ルパン三世』では、通常素顔とされている顔も変装であり、性別不明、声も偽装とされており、本当の顔は誰も知らない。本当の顔にまつわる話は何度か描かれているが、本当の顔が明確に描かれたことは一度もない。正体不明、変装の名人という設定は「長く描いているうちに顔が変わることもあるだろう」というモンキー・パンチの意図から生まれている。ただし、何度か逮捕収監されている際に変装や素顔が露見しなかった理由は説明されていない。
大半の作品では原作同様、アルセーヌ・ルパンの孫という設定が使われている。ただし、作品が公開された時期に生きているという設定になることが多いため、1990年以降の作品では年齢的な問題から孫ということに関して言及されることは少なくなった。また、脚本家の三井秀樹はルパンが他の孫を探しに行くストーリーを書き上げたところ、「ルパンはアルセーヌ・ルパンの孫ではない」と放送局サイドの意向で没になったことを後に明かしている。性別はほとんどの作品では男として扱われるが、稀に性別不明と扱われることもある。
長年に渡って制作されているゆえに数々のアニメーターが作画を担当しており、上述の基本は守られているもののキャラクターデザインは作品ごとに大きく異なる。OVA『GREEN vs RED』のオープニングでは「同じルパンなのに皆顔が違う」という旨の台詞で歴代テレビシリーズ・劇場・OVA作品のルパンが次々登場する。また、2011年からアニメ化40周年を記念して各地で開催されている「ルパン三世展 〜This is the world of Lupin the 3rd〜」ではパイロット版から時系列順にルパンの顔を並べたパネル展示が行われた。
『TV第2シリーズ』以降、初代担当声優だった山田康雄が独特の節回しやアドリブを多用し、制作も彼がルパンを演じることを大前提とした体制に変化して 山田の個性がルパンのキャラクターに反映されたため、原作とやや異なるコミカルな存在となっている(詳細は「山田康雄#ルパン三世」を参照)。また、山田の後任となった栗田貫一も、基本的には山田が確立させたルパン像を踏襲してルパンを演じている(詳細は「栗田貫一#ルパン三世・山田康雄との関係」を参照)。
服装はジャケットにネクタイが定番。ジャケットの色は作品によって変わっており、シリーズを識別する目印となっている。
これ以外では白(『ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密』)、黒(『ルパン三世 グッバイ・パートナー』)の着用例がある。下着は縞柄のトランクス。
容姿について、『TV第1シリーズ』第16話オープニングにおいて銭形警部がルパンを「容姿端麗」と発言しており、当初は美男子という設定であった。普段の顔も変装であるという原作の設定は、ルパンが「これは生まれつきのモンキー面」と自称する などアニメでは長らく出てこなかったが、『PART5』最終回にて、マスクを脱いで本当の姿を峰不二子に見せるシーンで初めて使われた。ただし、後ろ姿や影が差した形で描写されており、本当の顔は原作と同様に不明のままである。なお、同作にある回想シーンではルパン襲名前からモンキー面をしていた。
劇場版『バビロンの黄金伝説』では頭髪の中に小型ボンベを仕込んでおり、カツラ着用であることをほのめかす描写が存在する。
『PART5』では、より謎に包まれた人物として描かれており、3代目アルセーヌ・ルパンの襲名をアルベール・ダンドレジーと競っていたが、彼がそれを放棄したためにルパンを襲名したという設定になっている。それゆえ、アルセーヌ・ルパンの血縁者なのかは不明であり、過去のTVシリーズやTVスペシャル、劇場版などでの設定と整合性が取れなくなっている。
女たらしで三枚目。しかし本人は容姿に自信を持っているため、自分を誰よりもイケている男と勘違いしている節があり、そこを仲間達や銭形に突っ込まれる場合がある。しかし三枚目という設定が確立したのは『TV第2シリーズ』以降であり、上述の通り『TV第1シリーズ』では銭形がルパン三世のプロフィールとして「容姿端麗」と語っている。また、一人称は一貫して「俺」である。
愛嬌たっぷりの憎めない性格だが、抜け目のない狡知も持っている。
原作とアニメ・映画では性格が大きく異なる。原作では暴力や殺人もいとわず、性行為も頻繁に描写される。
アニメ版では基本的には弱い立場にいる人間の金には手をつけず、不必要な暴力及び殺人を避けている。「拳銃の1発目はいつも催眠弾である」と本人が語っている話や、催眠弾入りの銃と実弾入りの銃の2丁を携帯している 話もある。普段は市民は勿論、犯行の邪魔をする警察官や悪党であっても殺しはしないが、相手によっては原作と同様に躊躇なく殺す場合もある。性行為についてはテレビアニメの制約により描写されないだけで、性行為をほのめかす、あるいは臨もうとして未遂に終わる描写はしばしば見られる。
ルパンの敵対者への対処の仕方、特に殺しについては、作品によって大きく異なる。
『TV第1シリーズ』にて、石川五ェ門はルパンとの違いを、師匠の百地三太夫から「ルパンなら相手を殺すときにためらわない」と指摘されており、実際にルパンは百地三太夫をためらいなく殺しており、大泥棒だけでなく「世界一の殺し屋」ともされている。
『TV第2シリーズ』においては、銭形が「貴様(ルパン)に人殺しができんことぐらい、わしはよく知っとる」(第63話『罠には罠を』)と言っているように、自分の命を狙う殺し屋を除き、基本的に人殺しはしない。
『PART5』では第16話において警備兵を射殺するなど、人殺しはしないというポリシーは特に持ち合わせていない。
TVスペシャルでは、ルパン自らによる殺害シーンもいくつか存在する。特に『ルパン暗殺指令』では、自分や仲間を暗殺しようとしたキースを自らの手で射殺した。この時のキースはルパンたちの攻撃で深手を負っていたが、起き上がろうとしたことに気付いたルパンは、一切躊躇うことなく止めを刺して殺害するという冷酷な一面を見せている。同じくTVスペシャルの『ワルサーP38』では、かつて自分を裏切って殺そうとした元相棒で、本編での事件における黒幕でもあったドクターを射殺している。『天使の策略 〜夢のカケラは殺しの香り〜』では、劇中ラストで黒幕の組織の女ボス、スパイダー・エミリーを射殺している。
五ェ門は『TV第1シリーズ』当初は敵として登場したものの、第7話「狼は狼を呼ぶ」のラストシーンで五ェ門もルパンの仲間になる。しかし『TV第2シリーズ』第55話「花吹雪 謎の五人衆 前篇」で、白波五人衆が五ェ門を籠絡したことから、続く第56話「花吹雪 謎の五人衆 後篇」では白波五人衆の一員となった五ェ門に一騎討ちを挑まれ、ルパンは斬られて負傷する羽目にあった。だが五ェ門はその後、五人衆の真の狙いは自分を人質にしてルパンが今まで手に入れた宝を横取りすることであると知り、ルパンたちの前で、ルパンを負傷させた責任を取り切腹すると言い出したが、介錯を頼まれたルパンは「無抵抗のやつの首をはねても面白く無い」として、ルパンと五ェ門の殴り合いの喧嘩となった。
ケーキやコース料理を一人で作れるなど、シェフ顔負けの高度な料理の腕前を持っている。『峰不二子という女』第8話では「ジャガイモのニョッキ、特製ボローネ風ラグーソース」という祖母ゆずりのレシピを再現している。また格別美食家というわけではないが、スープを一杯すすっただけで郷土料理であることを見抜く描写があり、味覚に関してもかなりの鋭さを持つ。
盗みに関連してあらゆる知識に長けており、天才と言ってもいいほど(頭脳指数(IQ)300)だが、作中ではあまり言及されない。はっきり天才と言及された最初は、『TV第2シリーズ』第146話「ルパン華麗なる敗北」においてである。その一方でかなり間が抜けた所もあり、『TV第2シリーズ』第112話「五右ヱ門危機一髪」で、五ェ門が次元大介にルパンの弱点を聞かれた際は、「ルパンの弱点は、毛が三本少ないということだ」と返事している。
アルセーヌ・ルパンの孫として非常に高い誇りを持っているが、時にそれが仇となって自ら窮地に立たされることもあり、特に他者に命を狙われる場面ではそれが顕著に出ている。例えば『TV第2シリーズ』第66話「射殺命令!!」ではICPOのビューティーがルパンの射殺命令で現れ、次元と五ェ門から、彼が使うコルト・パイソンとルパンのワルサーでは銃の性能差が大きすぎて勝ち目がないから逃げるように再三忠告されたにもかかわらず、「射殺命令が出たからと言っていちいち逃げているわけにはいかない」と結局プライドがそれを許さず耳を貸さなかった。結果、単身ビューティーに挑むも、銃の差から次第に追いつめられたルパンは、ビューティーが放ったダムダム弾によって射殺寸前の憂き目にあった。似た様なケースとして『TV第2シリーズ』第130話「ルパン対奇人二面相」では芸術家ムッシュ・ダレの芸術品が爆破され、この事件を担当するマグレ警部の「ルパンなど問題じゃない」という発言を自分への挑発と受け取り、峰不二子たちの協力を拒み単身マグレに変装してダレのアトリエに侵入したが、逆にマグレに睡眠薬をかがされ、ダレの工房に連れ去られて燻製にされ「人間風見鶏ルパン」なる芸術作品にされかけた。
『TV第2シリーズ』第32話では殺し屋ピューマに命を狙われ、ルパンの前に一向に姿を表さないピューマに、正攻法では勝てないと判断したルパンが、葬儀屋と結託して仮死剤で死んだフリをしていた 。同シリーズ66話ではビューティーのダムダム弾に撃たれた直後にルパンは意識を失ったため、ビューティーの目を欺くことを考えた次元たちにより、それぞれルパンの葬式が執り行われる場面となった。
『1$マネーウォーズ』では、ナビコフの狙撃を受けてヘリから落下するも難を逃れ、さらに落ちた場所が葬式を行っていた教会であったことから、ルパンはナビコフに殺害が成功したと思い込ませるため、棺の中に収められていた男の遺体を自分そっくりに変装させることでこれを成功させた。しかし、事情を知らない次元、五ェ門、不二子等はショックで放心状態となり、銭形も警察を退職しようと辞表を書く事態にまでなった。一方、ルパンは神父に変装して自分の葬儀を執り行った後、ナビコフの罠にかかってピンチに陥った次元たちを救い、真相を明かした。
『TV第4シリーズ』では、銭形に逮捕され、全面鋼鉄の牢獄の中で死んだように見せかけ、牢獄を開けさせるために監禁中に銭形から提供された料理を絵の材料にし、餓死している自分を描くことで銭形の目を欺き、脱獄に成功している。
高価な宝をコレクションにすることよりも、鮮やかな手口で盗み出すこと自体に生き甲斐を感じており、トイレットペーパーをターゲットにしたこともある。そのため宝に対する執着は低く、TVシリーズでは盗み出した後に自らのミスや不慮の事故で宝を紛失してしまう、もしくは不二子に隙を突かれて宝を横取りされてしまうケースが多かった。ゲーム『コロンブスの遺産は朱に染まる』でも子供の夢を壊さないため、「おもちゃは絶対盗まない」と語っている。TVスペシャルの『燃えよ斬鉄剣』でもUFOキャッチャーで自分を模したぬいぐるみを盗まず、3000円も取り損ねながらも自力で取ろうとした。近年のTVスペシャルでは、盗んだ宝を本来の持ち主に返却することや、ルパンが信頼した人物に譲渡する描写が多い。また社会的不安や混乱を引き起こす可能性のある宝に関しては、自らの手で闇に葬ることがある。また『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』では商売敵の怪盗キッドに、不二子に頼まれてやったとはいえ、キッドの名を騙ったことの仕返しで、盗もうとしていたお宝を横取りされた挙句、犯行をなすり付けられたこともある。そんなルパンのキャッチフレーズは、「飛ぶ鳥の如く獲物を襲い、風の如く消え去る」。
泥棒行為を行う対象は、単なる現金よりも、由緒ある宝石、財宝または美術品などであることが多く、それらを厳しい警備等の困難な状況下で鮮やかに盗み出す過程が、物語の縦糸としての筋立てになることが多い。また芸術品に対する審美眼や贋作を見抜く知識はかなりのものである。なお、『TV第2シリーズ』第56話では、ルパンがこれまで盗んだ財宝の総額を、白波五人衆の首領・駄目ェ門が「今や大金持ちと言われるのはロックフェラーやロスチャイルドではなくルパンだ」と試算している。
身体は長身痩躯かつ軟体。がに股歩きが特徴。身体の柔らかさを生かした縄抜けが大の得意で(その応用が後述の「ルパンダイブ」である)、足で頭がかけるほど両手足の関節も器用。スポーツについてもラグビーや、アメフト、ボクシング、クレー射撃、社交ダンスなど何でもこなし、また足も早い。ジャンプ力も非常に高く、約10メートル以上も上にジャンプすることができる。
射撃能力についてはあまり語られないが、自分の真後ろにいる相手に見もせずに命中させることができるなど、次元や銭形に匹敵する実力を持つ。『PARTIII』第7話「死神ガーブと呼ばれた男」では、次元が敵に向かって撃った弾丸を、自分が撃った弾丸で跳ね返し、敵を撃破するという離れ技をやっている。自動車を始め、バイク、航空機、船舶等、あらゆる乗り物の操縦をこなせる程の高い運転技術を持っている。特に自動車の運転はずば抜けており、『TV第1シリーズ』第1話『ルパンは燃えているか...?!』では国際A級ライセンスを持っていることが明らかになっている。F1モナコグランプリへのスポット参戦はもとより、TVスペシャル『EPISODE:0 ファーストコンタクト』『お宝返却大作戦!!』、劇場版『カリオストロの城』などで卓越したドライブテクニックを披露している。また、コンピュータやメカニックについての知識も高い描写があり、先述の『ルパンは燃えているか...?!』では、フォーミュラカーのエンジン音だけで製品を見分ける描写も登場する。
細さとは裏腹に腕力も強く、素手で相手を倒す場面も多い。TVスペシャル『アルカトラズコネクション』『1$マネーウォーズ』では、真後ろから自分に飛来する銃弾を避けるという離れ業もやってのけている。
老若男女を問わず変装でき、声色も使い分けられる。『1$マネーウォーズ』では、自らの変装の腕前をハリウッドの特殊メイクアーティストばりと自画自賛する描写もある。ただしTVスペシャル『ルパン三世VS名探偵コナン』で毛利小五郎に変装した際、江戸川コナンの変声機の声に合わせて推理を披露しようとしたものの、奇妙な身振り手振りを見せる、コナンの推理に納得して勝手に自分でしゃべる、銭形を「とっつぁん」と呼ぶ、小五郎が知らないはずのサクラ女王の過去を話そうとする、自分の口調でしゃべるなど単純なミスを連発し、銭形にあっさり見破られてしまった。
原作第46話では、過去に東西京北大学 へ入学していたという経歴があるが、卒業か中退かは描かれていない。大学では電子医学部に籍を置き、サークル「義賊部」を設立、処女非処女を見分ける識別薬を研究した。服装は角帽に学生服のバンカラ派であった。他の学生の裏口入学を暴くなど正義感の強い一面もあるが、無許可で教室をディスコにして退学になりかけるなど、型破りな性格が騒動の原因になることもあった。この話では銭形が同じ大学の3年先輩で不二子が同じ学部という設定である。アニメ版では学歴に関する言及はない。
ドラマCDでは自身を「今必死で"不良中年"やってる」「将来は"不良老年"になりたい」と語っている。
アニメ版では宮崎駿の作風で人助けをすることが多くなったが、原作者のモンキー・パンチは、「ルパン三世は義賊ではない」としており、ルパンが義賊と呼ばれて露骨に嫌がるエピソードを描いている。山田康雄も「ルパンは正義の味方ではない、義賊ではないところが魅力」と語り、栗田貫一も「ルパンと次元は泥棒と人殺し(ガンマン)。いい人同士でコンビを組んでいる訳ではない」「悪者同士がたまたま人を助けて、いい人扱いされているだけ」と語っている。
女性には「女好き」という性格故に、滅法甘く弱い。しかし時にはその性格が心を閉ざしていた女性の心を氷解させる魅力にもなる。『TV第4シリーズ』第10話では、不二子とレベッカがルパンを巡って勝負をするのだが、最終的に、双方共に傷つけないために、あえて二人からふられてしまうこともある。
普段は不二子に夢中であり、彼女にだまされて盗みを働くことが非常に多い。ただし場合によっては不二子の願いでも拒絶することがあり、特に善人から物を盗む行為は不二子が色仕掛けで迫ってきたとしても断固として拒否している。上記の通り、宝を盗んだものの不二子に隙を突かれて横取りされてしまう、あるいは宝石や金品が目当てで不二子がゲストキャラクターと手を組みルパン一味を敵に回すこともしばしばである。そのため次元や五ェ門が不二子を悪く言うことも多いが、ルパン本人は「不二子はそんな女じゃない」と彼女に対する態度が変わる機会は少ない。しかし、基本的には不二子に冷遇な態度の方が多い。また「不二子を信用するなんて、どじな野郎だ」「女と金はな、この手に抱くまで信じちゃいけねえ」などと不二子との関係をわきまえているつもりのようだが、実際には不二子やその他の美女に騙されるケースが非常に多い 。それでも、不二子に冷たい態度をとることの方が圧倒的に多く、次元や五ェ門の救出を優勢する場合が多い。
上にも挙げた通り決して「女に甘い」と断定できない部分もある。実際に自身を逮捕しに現われた女警察官や、殺しにきた女殺し屋からの攻撃や策謀からことごとく回避したり、不二子を出し抜くこともあるため、実際の不二子を含む女に対する警戒心はむしろ「強い」と見ることもできる。実際に、『TV第2シリーズ』第112話「五右ヱ門危機一髪」では、不二子に変装して自身の命を狙おうとした女殺し屋ローズの攻撃をあっさりと避けて正体をすぐ見破ったうえ、彼女の髪飾りに発信機を仕掛けたことでアジトの場所を突き止めている。また、『TV第4シリーズ』第22話では、ヒロインがウソ泣きをしていることを見抜き、「俺は女の涙には弱いが、嘘泣きじゃあ効果はゼロだ」と言っている。他にもTVスペシャル『天使の策略 〜夢のカケラは殺しの香り〜』でオリジナルメタルを聞き出して毒殺しようとするソフィーの企みに気付き、超吸収スポンジを口の中に入れて自白した振りをしたり、『燃えよ斬鉄剣』では桔梗の不審な動きに誰よりも早く気付き、彼女が全ての元凶なのも見抜いた。
女性は滅多なことでは殺さない主義ではあるが、成り行きで殺してしまった例も存在する。
不二子以外に可憐な女性が登場すると、不二子のことは全くと言って良いほど眼中にない状態になる。そのためか、劇場版『カリオストロの城』で不二子がヒロインのクラリスに対し、一時は「恋人だったこともあった」と話しながらも、彼女に「生まれながらの女たらしだから気を付けて」ということを話している。その不二子には「無教養」と馬鹿にされがちだが、逆にルパンたちが不二子を出し抜いていることも多い。
相手の女性から愛されるケースはあまり多くないが、劇場版『カリオストロの城』のクラリスや『くたばれ!ノストラダムス』のジュリア、TVスペシャル『セブンデイズ・ラプソディ』のミシェルや『血の刻印』の麻紀など、年下の少女からは憧れや好意を持たれることが多い。またTVスペシャル『1$マネーウォーズ』のシンシアや『天使の策略 〜夢のカケラは殺しの香り〜』のポイズン・ソフィーのように逆に自分の命を狙おうとした悪役から本当に惚れられてしまったり、特別な感情を持たれることも多い。
『TV第4シリーズ』では、レベッカ・ロッセリーニの宝に近づくために第1話で挙式を行うが、レベッカはルパンの意図を察しつつ敢えて求婚に応じ、ルパンがお宝奪取を実行した際は出し抜こうとした。その一件以後は離婚調停中となるが、終盤で実はレベッカが婚姻届を提出していなかったため、法的にはそもそも婚姻が成立していなかったことが明らかになる。最終的には、レベッカにミセスルパンの名をあげる代わりに婚姻届けを破棄した。
全ての男性に対してではないにせよ特に悪党に対して冷淡な態度を取ることがあり、『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』では、犯人を死なせないことを信条とする江戸川コナンが騒動の黒幕を助けようとした際、彼の身を案じ、「諦めろ。あれがあいつの運命だ」と止めている。しかし『イタリアン・ゲーム』では、宝を見つけてくれた借りを返すためとはいえ、黒幕の男を救っている。幼い少年に関しては『バイバイ・リバティー・危機一発!』ではマイケルと一緒にスリーメイソンの策略による世界的危機状況を救ったり、『くたばれ!ノストラダムス』ではセルジオにノストラダムス財団から逃走の際沈没させてしまった代わりの船を送ったり、『海に消えた秘宝』ではザーイに捕らわれていたテオを救出した後共にリアナを取り戻そうとしたりと、良好な関係が多く、知り合いにも男が多い為、必ずしも男に冷たいわけではない。
以上の設定は、アニメ製作者のおおすみ正秋、大塚らによるものである。実在の製品やブランドをアニメ作品の小道具として設定することは当時としては非常に珍しく、同時期に流行していた007シリーズにおいて、作者のイアン・フレミングが「作品中に登場するすべての物は、公然、非公然の市場において実際に出回っているものだ」としたのに影響を受けたもので、「この映画にはただの自動車などは一台も登場しません。“自動車”などというものは存在しないからです。存在するのはポルシェ911S……ミニクーパーSといった具体的な車種のはず」と企画書に明記されている。
当初、ルパンは連載開始当時に人気だったビートルズにあやかって長髪になる予定だったが、連載の締め切りに間に合わせるため修正液で短髪に直しており、「長髪だと1コマ5分くらいかかっていたものが短髪なら30秒で描ける」ようになり、20ページの原稿だと約1時間短縮になった。
パイロット版の紹介コメントには「クールタッチのゲバルト」とあり、頓挫した映画の企画書には「全学連に参加していた」らしい記述があるが、これらの設定は『TV第1シリーズ』スタートの時点でリセットされている。
国際指名手配犯であるにもかかわらず、多くの場合実名でホテルなどに宿泊している。また、基本的に無銭飲食などの軽犯罪は起こさないなど、自分が使った金銭に対する払いは良い。
原作『新ルパン三世』のサンフランシスコ編にて、ジョン・スターモー警部に左目を潰されるが、その後透視眼(X線投射・受光部)を移植している。作品によっては死んだりするが、天国でお払い箱になって生き返る場合がある。
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