『マジンカイザー』は架空兵器であるスーパーロボットの名称。マジンガーZシリーズの設定を元に、TVゲーム「スーパーロボット大戦シリーズ」のオリジナルロボットとして登場し、後にOVA作品が制作された。
1998年に発売されたTVゲームソフト『スーパーロボット大戦F完結編』において、ゲッターロボシリーズの真ゲッターロボに相当する、ゲームオリジナルロボットとして初登場した。基本的なデザインは永井豪自身によって提供されており、マジンガーZ・グレートマジンガーを踏襲、発展させたデザインである。なお「カイザー」とはドイツ語で皇帝のことである。
当初の設定では強力なゲッター線を浴びたことで、マジンガーZがマジンカイザーに進化したことになっていたが、後に発売された『スーパーロボット大戦α』では設定を変更。マジンガーZよりも以前に開発されたプロト・マジンガーZが自己修復と自己進化でマジンカイザーに生まれ変わったとされた。
ゲームオリジナルロボットであったが、2001年にOVA『マジンカイザー』全7巻が、2003年には続編『マジンカイザー 死闘! 暗黒大将軍』がリリースされた。また、いくつかテーマソングも制作されており、過去のマジンガーシリーズと同様に水木一郎が歌唱を担当。
双葉社刊『スーパーロボット大戦F完結編コミック』に掲載された漫画(ストーリー原案:団龍彦〈ダイナミックプロ〉、作画:丸山功一)や小説『スーパーロボット大戦』ではライバルとして、あまりの邪悪さに兜十蔵博士が封印した禁断のマジンガー「デビルマジンガー」が登場している。なお、「デビルマジンガー」の名前は『スーパーロボット大戦F完結編』ではマジンカイザーの別名として設定されていた。
2013年から2016年に『チャンピオンRED』で連載された漫画作品『真マジンガーZERO vs 暗黒大将軍』(脚本:田畑由秋、作画:余湖裕輝)では、暴走して世界を滅ぼす魔神「マジンガーZERO」となったマジンガーZを抑えるため、グレートマジンガーが「グレートマジンカイザー」へと進化する展開がある。
2017年発売のゲーム『スーパーロボット大戦V』では、グレートマジンガーの後継機として「マジンエンペラーG」(異名は「偉大なる魔神皇帝」)が登場した。2018年発売のゲーム『スーパーロボット大戦X』においてマジンカイザーとマジンエンペラーGが共演し(2体揃って並んだ異名は「並び立つ魔神皇帝」)、合体攻撃「魔神双皇撃」を披露する。
主武装は以下の通り。
初登場作品。コードネームは「スーパーマジンガー」。また「デビルマジンガー」との別名もある。『スーパーロボット大戦F完結編』でのマジンカイザーは、ゲッター線を浴びたマジンガーZが変質した機体と設定されている。結果、マジンガーZはおろかグレートマジンガーの性能すら凌駕する機体へと変化・進化した。
マジンカイザーは、外見はそのままで基本性能や武器に強化が施されたマジンガーZとの二択となっており、どちらか一方しか入手することが出来ない。強化版のマジンガーZは基本性能などにおいてマジンカイザーに劣るが、長距離攻撃可能な武器・大車輪ロケットパンチの追加など異なる特性を持っている。
テーマ曲「マジンカイザー」および「マジンカイザーのバラード」が製作されシングルCDも発売されたが、作中では使用されない。「マジンカイザー」はその後発売された『スーパーロボット大戦α』で使用された。
『スーパーロボット大戦X』では『マジンカイザー(オリジナル版)』と称して、『スーパーロボット大戦F完結編』でのマジンカイザーが登場する。『真マジンガー 衝撃! Z編』での兜甲児が搭乗し、マジンエンペラーGとの合体攻撃「魔神双皇撃」を披露する。
別名「魔神皇帝」。装甲材は超合金ニューZα。『スーパーロボット大戦α』からの一連のシリーズにおけるマジンカイザーは、マジンガーZのプロトタイプが進化した姿である。あまりにも高性能ゆえに制御が困難であること、起動試験の際に動力である光子力反応炉が暴走したなどの理由と、マジンガーを悪用する者や、人類に仇なす敵を倒すことを目的として、光子力研究所の第7格納庫に封印されていた。この反応炉の暴走事故によって兜剣造は重傷を負い、甲児達の母は死亡している。
真ゲッターロボと同様に強い自我を持っているような描写もあり、マジンガーZが絶体絶命の危機に瀕した際に、自らの意志で起動した。このことについて『第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ』の第52話「世界の中心でアイを叫んだけもの」内で『新世紀エヴァンゲリオン』の冬月コウゾウが「兜十蔵博士がどうやって機械に魂を宿らせたのか」と語っている。『α』で甲児が「おじいさんが呼んでいる」と発言していることから兜十蔵の魂とみられるが詳細は不明。
「魔」「神」「Z」の3モードを搭載。コックピット部分になる小型戦闘機「カイザーパイルダー」とのドッキング(パイルダー・オン)により「Z」モードに移行し、通常戦闘にはこのモードで臨む。「魔」モードは悪のマジンガーの存在を感知した際自動で起動し、カイザーパイルダー無しでも自動操縦で戦うことができるが、最悪の場合、カイザー自身が破壊の権化と化す危険性もはらむ。「神」モードは詳細不明であるが一種のオーバーブースト機能とされており、マジンパワーの一種として扱われている最強必殺技であるカイザーノヴァ発動時もこのモードになる。
スクランダー一体型であるグレートマジンガーと同様にカイザースクランダー基部に攻撃を受けると一時的に全機能が麻痺するという弱点があり、『スーパーロボット大戦α外伝』において敵に奪われた際にはこの方法によって動きを止めている。
『α』ではマジンカイザーと強化版マジンガーZは『F』と同様に二択であったが、シリーズ2作目の『スーパーロボット大戦α外伝』以降では同時使用が可能になった。『第2次スーパーロボット大戦α』以降でのマジンカイザーのデザインはOVA版のものに差し替えられている。そのため『α外伝』までは付いていたカイザースクランダーがなくなり空を飛べなくなった。その後『第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ』でカイザースクランダーが取り付けられ、その際に最強の必殺技であるカイザーノヴァも解禁される。
『X』のマジンカイザーの解説では『α』の設定を反映した内容が記載されているが、『X』のマジンカイザーはマジンガーZEROに敗れ、因果地平の彼方に飛ばされた甲児が、サイコ・フレームとヴィルキスの真の力により開かれた「可能性の光」の彼方から、同じくZEROに敗れていたゼウス神の導きで呼び出した存在である。『α』の世界からやってきたマジンカイザーであるかは不明。
スーパーロボット大戦オリジナルロボットとして誕生したマジンカイザーであるが、OVA版発売以降に発売されたスーパーロボット大戦ではOVA版を原作としてゲームに逆輸入した作品も登場した。詳細な設定はOVA版の項を参照のこと。
『スーパーロボット大戦W』では同時期に開発された真ゲッターロボとはお互いにカウンター的存在となっており、どちらかが起動して暴走した場合、もう片方の封印が解けるようになっているが、カイザーは後述のようにマジンガーZが危機に陥ると封印が解けるようになっている。ゲーム中ではカイザーの暴走に呼応して真ゲッターの封印が解けた。
該当する作品は以下の通り(発売順)。
2021年のゲーム『スーパーロボット大戦30』では、この曲が後述する「マジンカイザー INFINITISM」名義で登場するマジンカイザーの戦闘BGMとして使われている。(有料ダウンロードコンテンツ「プレミアムサウンド&データパック」を導入すれば、この原曲そのものを戦闘BGMとして使用することも出来る)
以下の2作品がバンダイビジュアル(現・バンダイナムコアーツ バンダイビジュアルレーベル)により制作されている。
2001年9月25日に発表された作品。世界征服を企むDr.ヘル率いる機械獣軍団とマジンカイザーの戦いを描く。全7話、DVD、VHSビデオ共に全7巻。また、2010年9月24日には続編『死闘!暗黒大将軍』とセットになった廉価版DVD-BOX『EMOTION the Best マジンカイザー complete collection』が発売されたが、こちらではレンタル版同様前後編の2枚構成に全7話を収録している(前編は4話まで、後編に残り3話を収録)。後に、2012年11月にBlu-Rayが発売され、こちらでは4話までの前編と残り3話に加えて『死闘!暗黒大将軍』を追加収録した後編の2枚構成に、初めて5.1Chのサラウンド音声を収録している。
TVシリーズや漫画版とは繋がらない物語であり、『UFOロボ グレンダイザー』はロボット・人物共に登場しない。また、キャストも大半が変更されている。
2003年7月25日に発売。地球征服を企む暗黒大将軍、ミケーネ帝国とマジンカイザーの戦いを描く。原作に登場した「マジンガー軍団」も登場する。前作は全編セル画で制作されていたが、本作よりデジタル制作に切り替わった。全1話、DVD、VHSビデオ(レンタルのみ)共に全1巻。
2011年1月から同年4月にかけて発売。全3話。上記2作品とはストーリー上の繋がりはない。詳細はマジンカイザーSKLを参照。
ラジオ番組「ラジオ・スーパーロボット魂」(文化放送)内で放送された。1998年に『マジンカイザー傳』としてファーストスマイル・エンタテインメントからCD化されている。OVAとは設定が異なる。
主人公の真野晶役を鈴木真仁が勤めているが、これは番組のメインパーソナリティであること以外に彼女の愛称が「マジンちゃん」であることからも来ている。
バンダイナムコからライセンスを受けた商業商品として、実素材(フィジカルマテリアル)を用いたマジンカイザーの像やフィギュアが各社から発売された。
オリジナルをアレンジしたものもあり、一例としてグッドスマイルカンパニーが展開しているモデルキットシリーズ「MODEROID」では、『バイオレンスジャック』に登場するスラムキングをモチーフとした「マジンカイザー刃皇」と、『獣神ライガー』に登場する獣神ライガーおよびサンダーライガーをモチーフとした「マジンカイザーライガ」、『サイコアーマー ゴーバリアン』に登場するゴーバリアンをモチーフとした「アームドマジンカイザー ゴウヴァリアン」が発売されている。
2018年に公開されたアニメ映画『マジンガーZ / INFINITY』に登場するマジンガー系のロボデザインを担当した柳瀬敬之により、『INFINITY』には登場しないマジンガー系ロボやダイナミック企画が版権を持つロボを『INFINITY』的にリ・デザインして作られたプラモデルシリーズ「INFINITISM」が、BANDAI SPIRITSから2019年以降リリースを開始、この第2弾として「HG 1/144 マジンカイザー(INFINITISM)」がリリースされた。2021年10月にリリースされた『スーパーロボット大戦30』には、この「INFINITISM」版マジンカイザーがゲームに合わせ少しデフォルメされて登場する。(ストーリーのある作品ではないため、今回は「機体だけの参戦」となっている)
Owlapps.net - since 2012 - Les chouettes applications du hibou