ロート製薬株式会社(ロートせいやく、英称:ROHTO Pharmaceutical Co., Ltd.)は、大阪府大阪市生野区巽西に本社を置く日本の製薬会社である。東京証券取引所のプライムに上場(証券コード:4527)。
前身の「信天堂山田安民薬房」は1899年(明治32年)に創業。現在は胃腸薬や一般向け目薬をはじめとする一般用医薬品(OTC医薬品)や健康食品、スキンケア製品を主力商品としており、医療用医薬品には一切参入していない(それゆえに医薬情報担当者も不在であるが2020年3月にグループ会社となった日本点眼薬研究所(現・ロートニッテン)では眼科・耳鼻科領域の医療用医薬品を扱っている)。更にグループ企業としてアメリカ合衆国のメンソレータム社を傘下に置く。主力の一般用目薬ではトップシェアを誇る。
大阪市生野区巽西(本社)と三重県伊賀市の2ヶ所に工場を設置している。研究所が本社・伊賀市・京都府木津川市の3ヶ所にそれぞれ所在する。また、大阪市北区大深町のグランフロント大阪内に梅田オフィス(グランフロント大阪オフィス)を置いている。
※コーポレートスローガン含む。
「ロート」という名称は、ミュンヘン大学の教授アウグスト・フォン・ロートムント(目薬の処方を手がけた、眼科医の権威・井上豊太郎のドイツ帝国留学時代における恩師)から付けられた。
また俗説として「両口式点眼瓶」の発明の元となったといわれる、逆三角形の注入器具である「漏斗」から採った名称という説、胃腸薬「パンシロン」シリーズに含まれている成分の一つである「ロート根」(ロートエキス)が由来という説もあるが、いずれも誤りである。
正式な社章は、山田安民薬房の創業から使用されているものが別に存在する。赤い丸の中に四方の山型を白くあしらい(家紋の「丸に七宝」に類似)、中央に日の丸とアルファベットの "A" を配して「山田」を抽象化すると共に「薬房は薬房として、従業員は従業員として日本一を目指す」という意味が込められている。この社章は「ロート目薬」や初代「パンシロン」、初代「V・ロート」等の外箱にも表記されていた。
※「パンシロン」名義。
特記がないものは30秒。
日本テレビ系
TBS系
フジテレビ系
テレビ朝日系
テレビ東京系
BS
その他
ほか。
ミニ番組を除く一社提供のテレビ番組では、番組開始時に、ロート製薬社屋の白いタワーに鳩が舞い、社屋全景が映し出されるオープニングキャッチ(16秒間)が放送されていた。これは1962年の『私はナンバーワン』(毎日放送)から2010年の『SMAP×SMAP』(関西テレビ・フジテレビ)まで、48年3か月間に亘って使用・放映されていた。これまでに映像は4代、BGMは3代にわたり使用され、合計8バージョンが制作された。
この白い鳩は、実際にロート製薬で飼っていた鳩である。餌の時間になると、CMの様に集まる(総務人事部が餌やり)。
最後に登場する社屋全景の映像は1962年当時の風景であり、使用終了まで一貫して変えることなく使用された。現在だと本社社屋の手前に写っていた池は駐車場に変わり、後方にも高層建造物が隣立しているなど、映像の風景とは大きく様変わりしている。
オープニングキャッチで流れる曲「ロート製薬テーマソング」については、加美乃素「見知らぬ街角」やジャパン「ジャパン音頭」など関西発のCMソングを多数手がけてきた津野陽二が作曲を手掛けた。この曲はロゴソングであり、正式な社歌(企業キャラクターソング)は、2004年制定の「Happy Surprise! 〜よろこビックリの唄〜」である。
2015年に制作された、子供用目薬「ロートこどもソフト」とアニメ作品『妖怪ウォッチ』(テレビ東京)とのコラボとなるPRアニメ「やってはいけない、ワルニャン講座」では冒頭でこのオープニングのパロディ映像が流れた。
ロート製薬が目薬発売111周年を迎えた2020年から放送されている「Vロートプレミアム」シリーズのテレビCM(関根勤や水野美紀が出演)には、「目薬はロート」というフレーズとともに、かつてのオープニングキャッチを連想させる演出を採用。現行バージョンのロゴが入った白いタワーの上に鳩が舞うデザインのマークや、テーマソングのピアノ独奏バージョンが使われている。また、「ロートZ!」と『ストリートファイター』のコラボレーションによるCMでは、『ストリートファイター』のBGM風にアレンジを施したバージョンが使われている。
第26回参議院議員通常選挙の執行(2022年7月10日)に際しては、国政選挙では初めての候補者を比例区で擁立していたごぼうの党が、テーマソングに酷似した曲を選挙カーで流していた。これに対して、ロート製薬では6月28日付で、「一切関与していない」とのコメントを公式サイトで発表。有権者に注意を呼び掛けた。
千葉ロッテマリーンズ投手の佐々木朗希を「アイケアアンバサダー」に起用した2023年には、佐々木が先発投手として登板した6月11日のロッテ対広島東洋カープ戦(この年から4代目ロゴの看板をバックネット裏に掲出しているZOZOマリンスタジアムでのデーゲーム)2回表(広島の攻撃前)に、テーマソングから歌詞だけを変えた佐々木への応援歌が電光掲示板での企業CM(過去の登板試合で投球中に撮影された映像と前述した「ROHKi」ロゴを特別に使用したバージョン)を通じて披露された。歌詞は「ローキ、ローキ、ローキ♪ ローキ、ローキ、ローキ~♪ ローキ、ファイティ~ン」である。また、2023年の佐々木の誕生日には、ロート製薬のツイッターでこの映像を使用したお祝い動画が投稿された。歌詞は先ほどのものの「ローキ、ファイティ~ン」が「ローキ、おめでとう」になったものである。
初代(1962年1月 - 1993年3月)
本社社屋前にて撮影。1965年からカラー制作となり、1976年1月からは番組のタイトルロゴも最後の部分に表示された。同時にステレオ放送に切り替え。但し、1986年に放送された単発番組『ギャグパラダイス!俺たちにカギはない』では番組ロゴが表示されず「提供」「ROHTO」「ロート製薬」と表示された事例がある。1988年10月 - 1989年1月7日までは昭和天皇の病状悪化に伴い、オープニングキャッチが自粛。1989年6月からタイトルロゴの後に2代目ロゴが表示される(『クイズ!!ひらめきパスワード』のみ引き続き白文字)仕様に変更された。3度のマイナーチェンジを繰り返しながら、31年3か月の長期にわたり使用された。
2代目(1993年4月 - 1996年9月)
このバージョン以降はアニメーションとCG制作となり、ラスト5秒のみ実写という構成。BGMが2代目のものにリニューアルされ、歌唱は大阪パフォーマンスドールが担当。『ひらけ!GOMA王国』からはタイトルロゴがフェードインで表示されるようになり、『SMAP×SMAP』も最初の半年間だけこのバージョンが使用された。
3代目(1996年10月 - 2004年5月)
この代以降は使用番組が『SMAP×SMAP』のみだった。映像は2代目と同じだが、BGMが『SMAP×SMAP』専用にリニューアルされたものに変更された。2001年8月27日放送分は稲垣吾郎の不祥事に伴い、オープニングキャッチの使用が自粛。その後、2002年11月4日放送分からは26年10か月間続いた番組タイトルの表示が廃止され(それ以降はフジテレビの独自制作による番組タイトルロゴのクレジット動画が初めて導入された)、1975年までと同じ仕様に戻った。
4代目(2004年6月 - 2010年3月)
BGMは3代目と同じだが、ロゴマーク部分が3代目のものに変更。2005年7月からは、最後に白い鳩(ポッポロート)、マスコットキャラクターのロッ太、ロッチー、が登場し、提供クレジットが表示されるパターンに変更。企業スローガン「よろこビックリ誓約会社!」も追加された。ロッ太、ロッチーの立ち位置は固定で、ロッ太は左、ロッチーは右でポッポロートは必ずロッ太の手に止まるようになっていて、ポッポロートはロッチーの手に止まることは無かった。また、2006年10月より、映像がHD化され、HD制作版がオープニングキャッチの最終版だった。2009年4月27日放送分は草彅剛の不祥事に伴い、オープニングキャッチの使用が自粛。
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