『気まぐれ天使』(きまぐれてんし)は、日本テレビ系列で放送されたホームドラマである。石立鉄男・ユニオン映画シリーズの第六作で、放映期間は1976年10月6日から1977年10月19日までの全43話。
女性下着の大手メーカー・プリンセス下着の宣伝部に勤める忍は、ポスターなどのコピーライターとして仕事に従事する一方で、昔からの夢である童話作家として成功するために、仕事が終われば毎晩部屋で童話制作に勤しんでいた。この「童話制作」がカギとなり、同僚の妙子と交際がスタート。二人で「300万円を貯めるまで結婚しない」という条件で、婚約関係に。早稲田の古本屋の二階に居候という貧しい生活を続けていた。
そんなある日曜日、街を歩いていた忍は行き倒れになった老女を助ける。その老女・伊集院綾乃は、公家の家の生まれで、嫁との不仲が原因で京都府から家出をしてきたのだと称するのだった。忍は綾乃に新幹線の切符を買い与え、いったん駅で別れる。しかし、妙子と口論になって不機嫌に帰宅した忍を待っていたのは綾乃だった。まだ発車まで時間があるというのにもかかわらず、新幹線に乗り遅れてしまったと言い、周囲に忍の居所を聞きまわって忍の下宿先までやって来たのだという。手癖の悪い綾乃は、周囲を巻き込みながら様々なトラブルを引き起こすも、「人生は忍の一文字」という父親の教えのもと耐えしのぶのであった。
忍は、綾乃がそれまでいたというアパートを探しに雑司ヶ谷に来る途中、綾乃の孫娘、フーテンもどきで英語が達者な渚と出会う。家主から巨額の未払い家賃を請求された忍は逃げ帰る。渚から、綾乃が多くの昔話を語れることを知った忍は、これをもとに童話が書けるとふんで、帰る家のない綾乃と渚と同居することに。渚は、忍の優しさを見抜いて強く慕うようになる。大家夫婦は、家庭教師として渚が優秀だと分かり、綾乃と渚に隣室での間借りを許し、家賃の面倒は忍がみることになった。しかし綾乃のバサマの手癖の悪さやフーテンの渚の世間知らずが巷でトラブルを引き起こし、忍は世話を焼かされるのであった。
忍の上司で副部長の榎本は、何かと忍の失敗をフォローする義理堅いサッカー部の後輩。実家は大金持ちのため、そういう背景を知らない人と行きずりの恋に落ちて結婚するのが夢。鼻っ柱の強い妙子と付き合おうとするも婚約している妙子から断られて失恋、代わりに、妙子の妹の真紀から見染められ、行きずりのように出会って、ちょくちょくデートする仲になる。
妙子は、年末にフランスのデザイナーに見初められ、婚約を解消して渡仏する。寂しく感じる忍だが、年明けの数週間後、新しい部長として南條友江がバイクに乗って横浜支店からやってきた。厳格な経営スタイルに宣伝部員は戸惑い、忍と榎本は、トモエ御前だとかヒトラーだとかあだ名をつけて愚痴を言う。友江は、おしゃれで仕事のできる榎本より、誠実そうな忍を見込んで、近くにアパートを探してくれという。忍は、妙子の渡仏で寂しがっていた妹の真紀に紹介し、友江と真紀の同居が始まる(ヒロインの交代)。友江は、部下としてトラブルを起こす忍や綾乃のしりぬぐいをするうち、童話作家としての顔に気づき、童話を読んで人柄を高く評価するようになる。
友江の登場を機に、忍自体が職場でトラブルを起こし、友江と榎本が世話を焼くという話が多くなり、ビジネスコメディが展開されるようになっていく。アバンタイトルとエンディングで、石立鉄男が視聴者に向かって一言発するメタ演出も多用されるようになる。終盤は、忍が童話作家としての成功を夢見て、意を決してプリンセス下着を退職。友江と渚のどちらを選ぶのか、友江は、仕事のできる榎本と童話作家に生きる忍とどちらを選ぶのか、タイトル通り二転三転を経て、幕が閉じる。
第1話
第3話
第4話
Owlapps.net - since 2012 - Les chouettes applications du hibou