第74回都市対抗野球大会(だい74かいとしたいこうやきゅうたいかい)は、2003年(平成15年)8月23日から9月2日まで東京ドームで開かれた都市対抗野球大会である。
概要
- 前回大会では試験的に出場チームが28チームに削減されたが、ファンから不評を買い、また、出場チームからも「チームによっては初戦までにかなり待たされる」などの意見が噴出し、この大会から出場チームが32チームに戻された。
- 初出場は七十七銀行とJFE西日本の2チーム。JFE西日本は日本鋼管福山と川崎製鉄水島が合併して出来たチームである。
- 注目チームは前年秋に野村克也監督兼GMを招聘したシダックス。東京予選では無敗で第1代表を獲得しており、野間口貴彦・オレステス・キンデランといった投打の柱を擁した戦いぶりで、トヨタ自動車との1回戦では42,000人の観客が東京ドームに詰めかけた。
- この大会限りで活動休止に入ることが発表されていた昭和コンクリートは東海第3代表で、NTT西日本中国野球クラブは中国第1代表で本大会出場を果たした。反対にこの年限りで廃部になることが発表されていた日本IBM野洲、新日本製鐵八幡は予選敗退した。また、東邦ガスは実に61年ぶりの出場を果たし、東京ドーム3塁側の上段席まで埋めるほどの大応援団が結成された。
- その中で優勝を飾ったのが三菱ふそう川崎。豪打のみならず緻密な投手リレーで着実に勝ち上がり、シダックスとの決勝戦では垣野多鶴監督と野村克也監督との心理戦が注目されたが、トーナメントでの勝ち方を熟知している垣野監督に軍配が上がり、三菱ふそう川崎は3年ぶり2回目の優勝を果たした。
- またこの大会(対象なし)から、プロ・アマを通して日本の野球大会として初の試みである「タイブレーク」制度(延長13回・且つ4時間以上経過で、1死満塁の段階から試合をする)を導入した。
予選
出場チーム
大会
1回戦
2回戦
準々決勝
準決勝
決勝
勝:谷村 敗:野間口 本:キンデラン、松岡(以上シダックス)
(三菱ふそう川崎は3年ぶり2回目の優勝)
表彰選手
- 橋戸賞 谷村逸郎投手(三菱ふそう川崎)
- 久慈賞 オレステス・キンデラン内野手(シダックス)
- 小野賞 調布市・シダックスチーム
- 首位打者賞 山内弘一外野手(三菱自動車岡崎)
- 打撃賞 オレステス・キンデラン内野手(シダックス)
- 若獅子賞 五嶋貴幸投手(三菱ふそう川崎)、野間口貴彦投手(シダックス)
- 大会優秀選手
- 五嶋貴幸(三菱ふそう川崎)
- 谷村逸郎(三菱ふそう川崎)
- 野間口貴彦(シダックス)
- 平田憲広(三菱自動車岡崎)
- 坂本保(ホンダ熊本)
- 田村秀生(日本新薬)
- 森田徹夫(三菱重工名古屋)
- 高根澤力(三菱ふそう川崎)
- 坂田精二郎(シダックス)
- 松田孝仁(三菱自動車岡崎)
- 工藤隼人(ホンダ熊本)
- 西郷泰之(三菱ふそう川崎)
- 佐伯真貴(富士重工業)
- アントニオ・パチェコ(シダックス)
- 砂塚陽介(富士重工業(日立製作所))
- 高橋賢司(NTT東日本)
- 斉藤裕次郎(三菱ふそう川崎(三菱重工横浜硬式野球クラブ))
- 松岡淳(シダックス)
- 美甘将弘(三菱自動車岡崎(ヤマハ))
- 玉城一(NTT東日本)
- 伊藤祐樹(三菱ふそう川崎(日産自動車))
- 藤澤英雄(シダックス)
- 草野大輔(ホンダ熊本)
- 根岸弘(三菱ふそう川崎)
- 入江崇宏(シダックス)
- 竹原直隆(三菱自動車岡崎)
- 山内弘一(三菱自動車岡崎)
- 深澤圭(ホンダ熊本)
- 東忠克(三菱重工名古屋)
- オレステス・キンデラン(シダックス)
- 庄野圭昭(日本新薬(三菱重工神戸))
- 10年連続出場表彰選手
- 船尾隆広外野手(サンワード貿易(NTT北海道))
- 原田洋投手(住友金属鹿島)
- 高田義宜内野手(富士重工業(日立製作所))
- 澤多弘也内野手(大阪ガス)
- 竹間容祐外野手(日本生命)
- 内藤秀之内野手(日本生命)
- 村上和幸内野手(三菱重工長崎)
- 応援団コンクール
- 最優秀賞 富士重工業
- 優秀賞 JR東日本
- 敢闘賞 シダックス
- 特別賞 三菱ふそう川崎
外部リンク
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