牧村 三枝子(まきむら みえこ、本名:千葉 美恵子、1953年12月21日 - )は、日本の演歌歌手である。所属事務所はサンミュージックプロダクション。愛称は「ミーコ」。
略歴
- 北海道美唄市で炭鉱労働者の家庭で5人兄弟の末っ子として出生。中学校卒業後に上京、釣り具店に就職する傍ら、 1972年に入学したサンミュージック・タレントスクールを経て『少女は大人になりました』でRCAレコードよりデビュー。
- 1976年1月に放送開始のテレビドラマ「大都会-闘いの日々-」にレギュラー出演。3月、ポリドール(現・ユニバーサルミュージック)へ移籍し同作挿入歌『赤堤灯の女』を発売。
- 1978年12月、所属レーベルで先輩歌手に当たる渡哲也のシングルリリース曲『みちづれ』を、牧村の強い希望によりカバー・シングルとして発売。その後同曲はオリコン週間シングルチャートで1979年4月30日付から1980年1月21日付まで38週連続で20位以内にチャートインするロングヒットとなった。
- その後も『夫婦きどり』(1979年~1980年)、『あなたの妻と呼ばれたい』(1980年)、『友禅流し』(1989年~1990年)などのヒット曲がある。
- 「NHK紅白歌合戦」には1981年から1984年まで、4年連続で4回出場を果たした。1983年には両親のために静岡市内に自宅購入している。
- 1984年6月にトーラスレコードへ、2000年3月にはバップへ移籍する。
- 1997年、父の死が引き金となって酒量が増えたことなどから、2002年頃に肝硬変と食道静脈瘤を発病。約2年間の闘病生活を経て、2004年に歌手活動を再開している。
- 乳がん闘病を極秘にしていて10年前には両胸を全摘出したこと、2022年に終の棲家(ついのすみか)を求め自宅マンション売却や大量の着物などの衣装や荷物なども処分して、東京から兄や甥などの親族が住んでいる静岡市に昨年から移住したことを2023年5月15日の『徹子の部屋』出演時に明かす。
NHK紅白歌合戦出場歴
ディスコグラフィ
シングル
- 1〜6:RCA、7〜23:ポリドール、24〜37:トーラス、38〜:バップ。
デュエット・シングル
アルバム
オリジナル・アルバム
- 少女は大人になりました 牧村三枝子 (1972年11月・RCA JRS-7225)
- 若狭の宿 牧村三枝子 (1973年6月・同 JRS-7253)
- あなたの出船 牧村三枝子・演歌の魅力 (1974年10月・同 JRS-7329)
- 路傍の花 牧村三枝子・演歌の魅力 (1975年6月・同 JRS-7355)
- 赤提灯の女 牧村三枝子・おんなの哀歌 (1976年、ポリドール MR-3008)
- それから先はあんたしだい〜赤提灯の女 牧村三枝子最新オリジナル・アルバム (1977年12月・同 MR-3093)
- 牧村三枝子 艶歌ベスト・ヒットみちづれ (1978年12月・同 MR-3156)
- 牧村三枝子・演歌の夜明け みちづれ/夢追い酒 (1979年、ポリドール MR-3175)
- 牧村三枝子 漂泊の十二章 (1979年10月21日・同 MR-3206)
- 牧村三枝子 渡哲也を歌う (1979年12月・同 MR-3215)
- 夫婦きどり 牧村三枝子オリジナル・アルバム (1980年3月・同 MR-3225)
- 鏡橋 さいはての地のライヴ・コンサート 牧村三枝子/セント・ルイス (1981年6月21日・同 28MX-1038)
- 牧村三枝子・演歌の夜明けII 夫婦きどり (1981年9月・同 28MX-1008)
- 演歌の夜明けIII 牧村三枝子 (1981年11月・同 28MX-1078)
- 牧村三枝子 演歌の夜明け IV (1982年、同 28MX-1107)
- 演歌師 牧村三枝子 (1983年6月1日・同 28MX-1134)
- 夾竹桃 牧村三枝子 (1985年3月1日・トーラス 28TR-2063)
- 牧村三枝子 流氷情話 (LP:1987年5月1日・同 28TR-2149, CD:1987年6月5日・同 34TX-1068)
- 牧村三枝子 艶花集I (1988年9月4日・同 32TX-1086)
- オリジナル企画 日本の伝統工芸 職人さん/牧村三枝子 (1989年6月28日・同 32TX-2216)
コンピレーション・アルバム
- 演歌ひとり旅 牧村三枝子 (1979年9月5日・RCA RVL-7227)
- NEW PERFECT 牧村三枝子 (1979年12月1日・ポリドール MR-7515)
- POLYDOR MUSIC COLLECTION'81 最新版BEST & BEST 牧村三枝子 (1980年12月・同 MR-3907)
- 牧村三枝子10周年記念 花翔譜 (1981年5月・同 MRA-9672/3)
- TOP STAR BEST & BEST 牧村三枝子ベスト&ベスト (1981年12月・同 38MX9019/20)
- 牧村三枝子ベストヒット12 (1985年2月1日・トーラス 35TX-1006)
- 牧村三枝子オリジナル・ベスト (1985年11月1日・同 32TX-1022)
- 夾竹桃・みちづれ 最新盤 牧村三枝子ベストアルバム (1985年、同 28TR-2084)
- 牧村三枝子 ベスト・ヒット〜おんなみれん (1986年5月22日・同 32TX-1033)
- 幾星霜 牧村三枝子 (1986年9月29日・同 34TX-1041)
- 牧村三枝子全曲集 螢川〜おんなみれん (1986年11月21日・同 29TX-1046/7)
- 夢ごころ・蛍川・悲しいね 牧村三枝子/ベストヒット (1987年8月5日・同 34TX-1073)
- 牧村三枝子全曲集ベスト・セレクション (1988年11月6日・同 35TX-1091)
- 牧村三枝子全曲集 (1989年5月24日・同 35TX-2213)
- 牧村三枝子全曲集 (1989年11月22日・同 TACL-2303)
- 牧村三枝子全曲集 (1990年6月6日・同 TACL-2312/3)
- 牧村三枝子全曲集'91 (1990年11月14日・同 TACL-2322)
- 牧村三枝子ベスト12 (1991年3月20日・同 TACL-2332)
- 牧村三枝子全曲集'92 (1991年11月13日・同 TACL-2340)
- 牧村三枝子 リクエスト (1992年11月4日・同 TACL-2350)
- 牧村三枝子全曲集'93 (1992年11月11日・同 TACL-2346)
- 牧村三枝子 精選全集 (1993年2月24日・同 TACL-9013/8)
- 牧村三枝子 リクエスト2 (1993年1月13日・同 TACL-2353)
- 牧村三枝子全曲集〜室生寺〜 (1993年6月9日・同 TACL-2364)
- 牧村三枝子全曲集'94 (1993年11月10日・同 TACL-2374)
- 牧村三枝子全曲集 (1994年6月8日・同 TACL-2382)
- 牧村三枝子全曲集'95 (1994年11月16日・同 TACL-2387)
- 牧村三枝子全曲集〜花あかり〜 (1995年5月17日・同 TACL-2391)
- 牧村三枝子全曲集'96 (1995年10月25日・同 TACL-2406)
- 牧村三枝子全曲集〜一ぱいのお酒〜 (1996年5月25日・同 TACL-2416)
- 牧村三枝子全曲集 酒づくし (1996年9月26日・同 TACL-2424)
- 牧村三枝子ベスト・セレクション (1997年5月25日・TACL-2440)
- 牧村三枝子全曲集'98〜月洩るる窓の下で〜 (1997年11月24日・同 TACL-2505)
- 牧村三枝子・ベストコレクション〜三枝子の心をあなたに〜 (2000年3月8日・VAP VPCA-84146)
- 牧村三枝子《スーパー・バリュー》 (2001年12月19日・ユニバーサル UPCH-8020)
- 牧村三枝子/ゴールデン☆ベスト (2004年6月2日・同 UPCY-6011)
- 牧村三枝子ゴールデン☆ベスト〜パップ・イヤーズ〜 (2011年5月18日・VAP VPCA-84182)
- 牧村三枝子ゴールデン☆ベスト(スペシャル・プライス) (2012年12月5日・ユニバーサル UPCY-9300)
タイアップ曲
テレビドラマ出演
- 「大都会 闘いの日々」(1976年、NTV・石原プロモーション)- BAR「ムンク」の弾き語り歌手
- 「あんどーなつ」(2008年、TBS)
エピソード
- ポリドールへの移籍が決まった際に、所属していたRCAレコード側から「移籍のときに挨拶に来たのはミーコ(牧村の愛称)が初めて」として喜ばれ、牧村のために祝杯が上げられたと、サンミュージック創業者であった相澤秀禎が後に話している。
- 実父の死をきっかけに、アルコール依存症やストレスからくる重度の肝硬変などに倒れた際には、一時体重が35kgまで激減、肺に水が3リットル溜まる深刻な状況にあった。緊急入院して間もなく担当医から「余命5年」と宣告された際、「あと5年しか生きられないというよりも、こんな状態で5年も生き続けなければならないのか」と絶望に襲われたことを牧村本人が番組などで語っていた。
- 闘病中の牧村に対して、大親友の小林幸子の呼び掛けで北島三郎・山本譲二・細川たかしら演歌歌手仲間による激励メッセージを収録したカセットテープが届けられたことを機に、「病気の克服と歌手としての復帰に対する意欲を取り戻した」と述懐している。病気闘病中は当初極秘だったがスクープ報道されて直ぐにバレてしまったと牧村も後年に語っている。水前寺清子も牧村のデビュー当時から長年にわたって可愛がっており姉妹のようにとても仲が良い。
- 未だ独身を貫いていることに関しては、インタビューで牧村自ら「私が結婚したい男性は、同じレコード会社の先輩でお世話になり『みちづれ』を私に下さった渡さんか、亡くなった石原裕次郎さんの二人だけ。私が21歳の頃にそのお二人と出逢ってからは、他の男性に一切目が行かなくなった」とコメントしていた。
参考文献
- 「オリコン年鑑」1980年版(発行:オリジナル・コンフィデンス、1980年6月)
- 各年度「レコードマンスリー」(発行:日本レコード振興(株))
脚注
出典
注釈
関連項目
- 1972年の音楽#デビュー - 同じ年にデビューした歌手
外部リンク
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