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楽器


楽器


楽器(がっき、英: musical instrumentあるいは単に英: instrument)とは、一般的には「音楽の素材としての音を発するための道具の総称」「音楽に使用される音を出す器具」とされる。

範囲

『音を出すもの』全てが楽器なのではなく、『音を出すためのもの』が楽器であり、言い換えると、音を出すことを目的とするものが楽器である、とも指摘されている。大抵のものは叩けば音がするが、それだけでそれを「楽器」と言うことはない。例えばスプーンは(叩けば音がするが、それだけでは)楽器ではない。だがアフリカにはそれを重ね合わせて楽器とする例があり、『スプーン・カスタネット』と呼ばれる。また法螺貝は元々は貝の殻であり、その時点では楽器でないが、死んで(音を出す目的で)吹かれると楽器になる。他の用途にも使える楽器もあり、例えばステッキとして使えるフルートなどが実在する。この場合、(ステッキとして使っている間はステッキであって)フルートとして使っているときは楽器だと言うことになる。

桶・弓・鍋・釜・皿などを叩いて「音楽の素材にする」こともできないわけではないため、広くは「音を出すことができるものはすべて楽器(になりうる)」とみなすことができる。しかし、「音を出すために使われる(ことがある)が、(一般的に他の用途のほうがむしろ主で)楽器とまでは言い難い道具は音具と呼んで区別する」という考え方もある。

歴史

そもそも楽器はいつ頃発明されたのか、様々な楽器がそれぞれいつ発明されたのかという問題は多くの人の関心を呼んできたが、初期の楽器は今日的な意味で「発明」されたわけではなく、大地を踏み鳴らしたり、手で体を打ったりといった人間の様々な動作衝動によって生み出されてきたに違いないのであって、おそらくリズムを刻む種類の楽器が最初に作られたのであろうとザックスは指摘した。さらにはより大きな音や激しい音を得るために木や石を叩いた可能性も大きい。具体的には旧石器時代に「がらがら」を作っていたことが知られ、これは音をより長く持続させるための工夫であったかも知れない。楽器の種類としては打楽器が最も早かったと考えられる。これは作るのが容易であると考えられること、それに現在の民族で打楽器を持たないものがほとんど無いことから推察される。がらがらの他に木の棒を叩く「クラッパー」などがもっとも初期のものと考えられる。なお、笛も、すでに旧石器時代のそれと思われるものが発見されている。

打楽器は、全ての楽器の中で一番古い歴史をもっている。原始時代から存在していて、古代の人々は、両手を打ち合わせたり、木の枝でものをたたいて音を作り出した。

また山間の歩行に、猛獣毒蛇をさけるための打ち道具も、ダンスに利用すれば立派な楽器となり、これがない場合には、拍手、足ぶみ、胸、腹、尻、腕、脚などを打つこともある。

管楽器は、人間の気息によって発音される楽器の総称で、打楽器に次いで構想されたと思われている。管でないものもあるので、楽器学では空気楽器とか気鳴楽器といわれている。 つまり、口笛や、こぶしを吹くような動作が、たまたま芦や竹の茎や動物のつの、ほら貝を吹くようになった。そして即興的に興奮にまたは合図に用いられたのが発端であるといわれている。 

たとえば、角を強く吹けばオクターブや、5度、4度の音程がでることや、長い竹と短い竹とでは音程に差があることが、だんだん知られてきた。笛類も、最も古いものは、上から吹くもので、これを音階順に並べたものは「パンの笛」といわれ、中国の古楽器「排簫(はいしょう)」はそれである。今日南米ペルー、ボリビアなどに民族楽器として盛んに行われているものである。

管楽器は芦や竹がその材料であることから、竹の特産である東アジア、東南アジア、芦の名産地である西南アジア、地中海東部がこれらの楽器を育ててきたということができる。

打楽器や管楽器は、合図用から発展したものであるが、弦楽器は、明らかに一層後期に、しかも意図のもとに作られたものである。狩りの弓はその起源であるにしても、あるときは武力の優勢を誇るために、弓の弦を一勢に鳴らして、相手側を圧迫しようとしたことがあったと思われる。

弦楽器は特定の民族から起こって西東に伝わったというよりも、狩猟に弓を使っているうちに、いろいろな音の効果を知って、それぞれの弦楽器を作ったものと思われる。

弦楽器は振動の起こし方で3種類に分けられる。

・擦弦楽器(さつげんがっき)…弦を弓でこすって振動させ、発音に響く楽器でバイオリンや胡弓などがその実例

・撥弦楽器(はつげんがっき)…弦をばちや指ではじいて、かき鳴らす楽器で、ハーブやギター、三味線や箏など

・打弦楽器(だげんがっき)…・弦をハンマーなどをたたいて鳴らす楽器で、ピアノがその代表

鍵盤楽器で一番古い歴史を持つのは、 紀元前3世紀にエジプトで原型が発見されたオルガン(パイプに空気を送って音を作りだす操作を鍵盤でするもの)であった。 それから14~15世紀にかけて改良され、現在のような白と黒の鍵盤が作られた。

今でこそ鍵盤楽器は、両手と足でふむペダルを使って演奏するが、初期のオルガンは複数の鍵盤の音を出すこともできなかったし、早く演奏したりもできなかった。

構造

物理的な側面から見ると、楽器の多くは

  • 振動源(励振系):振動を作り出す部位(弦、リード、マウスピースなど)
  • 共鳴部(共振系):共振(共鳴)によって音を大きくする部位(共鳴板、共鳴箱、共鳴筒など)

の双方から成っているが、中には後者を持たないものもある。

楽器の分類

今日、多種類の楽器が知られているが、これらは以下のように様々な見方で分類することができる。

旧来の慣用的分類

楽器分類学における分類

音域による分類

機能による分類

音の安定性による分類

音の持続性による分類

地域による分類

その他の分類

楽器製造業

楽器製造業とは、鍵盤楽器、弦楽器、管楽器、打楽器、電子楽器などの楽器を製造する工業のことである。楽器の製造工程には、パーツ成形・組み立て・塗装・検品などが含まれる。

日本の楽器製造業
日本楽器製造(ヤマハ)の創業者である山葉寅楠が1887年にオルガン製作に成功したことで、日本の近代的楽器製造は幕を開けた。
日本において最も楽器製造が盛んといえる地域は静岡県であり、日本国内でピアノを出荷しているのは静岡県のみである。2014年の静岡県のピアノの出荷台数は35,174台、出荷額は230億4,800万円でいずれも日本一である。特に浜松は、世界的な楽器生産地のひとつであり、ヤマハやカワイ、ローランドなどの楽器メーカーがたくさん集まっている。
現在、楽器製造業の事業所は日本国内に90ほどある。

脚注

注釈

出典

参考文献

  • 守重信郎、『写真で分かる! 楽器の歴史 楽器学入門』、(2015)、時事通信出版局、 ISBN 978-4-7887-1417-5。

関連項目

  • 楽器分類学
  • 創作楽器 - 新しい音を作り出すために、音楽家たちが創意工夫を凝らして作った楽器。
  • Improvised musical instruments:シガーボックスギタースプーン (楽器)、ミュージックソー、グラス・ハープ
  • ヘリコプター弦楽四重奏曲 - その名の通り、ヘリコプターが4機使われる。
  • 音域一覧
  • 奏法
  • 浜松市楽器博物館

外部リンク

  • 『楽器』 - コトバンク
  • 「楽器」の真実をどれぐらい知っていますか(東洋経済オンライン、蘊蓄の箪笥 100章)
  • 世界で最も珍しい楽器です! - YouTube

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: 楽器 by Wikipedia (Historical)