ロシア陸軍(ロシアりくぐん、ロシア語: Сухопутные войска、英語: Ground Forces of the Russian Federation)は、ロシア連邦軍の3つの軍種のうちの陸軍部門である。
冷戦時代のソ連地上軍に倣い、ロシア地上軍(ロシアちじょうぐん)と呼ばれることもある。2022年現在、約55万人の兵力と戦車を約2,070両(保管状態を含む場合約7,070両)保有している。
ソビエト連邦軍では、陸軍の軍令機関がそのまま全軍の参謀本部に発展した経緯から、陸軍自身の軍令機関が設置されなかった時代がある。このことから、西側では共産圏の陸軍組織を陸軍 とは呼ばず、地上軍と呼び、自衛隊や韓国軍では地上軍と呼称している。
現在では、「ロシア語: Сухопутные войска」と「ロシア語: Армия」は陸軍と訳される場合が多い。同じ国でも時代によって「ロシア語: Сухопутные войска」なのか「ロシア語: Армия」なのかが異なる。(帝政時代はРусская императорская армия。ここでのロシア語: Армияは一般的に陸軍と訳される。ソ連時代はСоветская армия。ここでのロシア語: Армияは一般的に地上軍と訳されている。連邦時代はСухопутные войска Российской Федерации。ロシア語: Сухопутные войскаはドイツСухопутные войска Германииのように陸軍と訳すのが正しい。なお、朝鮮人民軍陸軍や中国人民解放軍陸軍もロシア語: Сухопутные войскаとなっている。
地上戦においては「徹底的な破壊」を行うことが特徴とされる。
第二次世界大戦中に赤軍の総数は膨大なものとなり、日々指導が困難となったことから独立の指揮機関が必要とされ、1946年3月、最初の陸軍総司令部が設置された。
召集兵の復員が進み、陸軍の総数が減少したことから、1950年3月、総司令部は解散された。
1955年3月、再び総司令部が設置されたが、1964年3月には再び解散された。1967年11月、三度目の総司令部が設置された。
ソ連崩壊後、1997年11月~12月、総司令部は、陸軍総局(Главное управление Сухопутных войск)として参謀本部の一部署に改編されたが、2001年にはまた総司令部が設置された。
2008年、ドミートリー・メドヴェージェフ大統領が承認した「ロシア連邦軍の将来の姿」に従い、「軍管区-軍-師団-連隊」の4層構造から「軍管区-作戦コマンド-旅団」の3層構造への改編が行われ、2009年までに完了したとされていたが、2013年の戦勝記念パレードに親衛タマン自動車化狙撃師団と親衛カンテミロフカ戦車師団が参加しており一部では師団が復活している。
2022年ロシアのウクライナ侵攻以前は約28万人の兵力と戦車を約2,800両(保管状態を含む場合約13,000両)保有していたが、侵攻に伴い前述のように兵力は大幅に拡張された一方で戦車などの兵器は減少していると推定されている。
ロシア陸軍は、陸軍総司令部(Главное командование Сухопутных войск)によって指揮統率される。
ロシア陸軍は、ロシア連邦軍の5つの軍管区(Военный округ)に区分されて配備されている。
現在の軍管区
ロシア陸軍の兵科は、兵科、支援兵科、後方部隊・施設に分かれる。
兵科(рода войск)とは、戦闘に直接参加するいわゆる戦闘職種である。
支援兵科(специальные войска;直訳だと特殊部隊となるが、ここでは支援兵科と訳す)とは、陸軍の任務遂行を保障するための兵科である。
後方部隊・施設(воинские части и учреждения тыла)は、全軍共通であり、ロシア連邦軍後方部が一元管理している(元々陸軍の組織から発展したため、海軍所属の後方部隊・施設勤務者でも陸軍式の制服と階級呼称を帯びる)。
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