新宿警察(しんじゅくけいさつ)は、藤原審爾による日本の警察小説のシリーズ、また、それを原作とするテレビドラマ。
概説
東京・新宿にある警察署を舞台に、根来刑事を初めとする刑事たちの活躍を描いた警察小説『新宿警察』を第1作とする一連のシリーズ作品。昭和30年代から30年にわたって書き続けられ、長編『夜だけの恋』『あたしにも殺させて』2作の他、100編を越える作品がある。エド・マクベインの87分署シリーズのように複数の刑事達の行動が並行して描かれるスタイルで、「日本の87分署」とも、「日本の警察小説の先駆的作品」とも言われる。執筆当初は実際には新宿の警察署は淀橋警察署という名前で、新宿警察署というのは実在しない架空の警察署だった。自身では「ある時会った所轄の刑事たちが〜燃えるような情熱をもっていることを知って、わたしはそれにうたれた」のを契機に書き始めたと述べている。
刊行リスト
- 『若い刑事』 彌生書房 1960年(短編集) - 表題作「若い刑事」のみシリーズ作品(シリーズ第1作)
- 『新宿警察』 報知新聞社 1968年(短編集) - 非シリーズ作品を含む
- 『新宿広場』 報知新聞社 1969年(短編集)
- 『新宿その暗黒の恋』 実業之日本社 1970年(長編)
- 『マリファナ』 双葉社 1972年(短編集)
- 『新宿真夜中ソング』 桃園書房 1974年 (短編集)
- 『新宿警察』 双葉社 1975年(短編集) - 報知新聞社版とは収録作品が異なる
- 『続新宿警察』 双葉社 1975年(短編集)
- 『愛しながら殺せ』 グリーンアロー出版社 1975年(短編集)
- 『マリファナ殺人事件』 実業之日本社 1977年(短編集)
- 『新宿心中』 実業之日本社 1978年(短編集)
- 『真夜中の狩人』 実業之日本社 1978年(短編集)
- 『真夜中の狩人』 角川文庫 1981年(短編集) - 実業之日本社版とは収録作品が異なる
- 『あたしにも殺させて』 双葉社 1984年(長編)
- 『新宿警察』『慈悲の報酬』『所轄刑事』『新宿生餌』 双葉文庫 2009年(短編集) - 双葉社版『新宿警察』『続新宿警察』を分冊化したもの
これ以外にもシリーズ作品を収録した短編集が存在する他、非シリーズ作品である『女の性の精』(1970年)『わが国おんな三割安』(1970年)『よるべなき男の仕事・殺し』(1975年)の舞台も「新宿署」の管轄で、シリーズ中の刑事が登場する。
テレビドラマ
フジテレビ、東映の制作により、テレビドラマ化。フジテレビ系で放送された。
新宿の裏社会の人間模様と、それに挑む警視庁角筈(つのはず)警察署(架空の署)の刑事たちの活躍を描く。
当初は1975年の4月から放映を開始する予定で製作が進められていたが、諸事情により放送開始が約5か月遅れた。
- 放送データ
- 放送期間:1975年9月6日 - 1976年2月28日、全26話
- 放送時間:毎週土曜日22:00 - 22:55(第1話から4話まで)→22:00 - 22:54(第5話以降、各局別のミニ番組の枠拡大に伴い1分縮小)
- 放送形式:カラー、16mmフィルム
- 放送局:フジテレビ系
- 制作:フジテレビ、東映
メインキャスト
- 根来一郎刑事:北大路欣也
- 結城刑事:藤竜也
- 山辺勝男刑事:財津一郎
- 戸田刑事:三島史郎
- 伊東刑事:司千四郎
- 徳田刑事:花沢徳衛
- 戸志子(根来の妹):多岐川裕美 1・2・5・7・9‐11・15・16・21・22・24‐26話
- 仙田主任、ナレーター:小池朝雄
ゲスト
※出演はクレジットタイトルの表記順。
スタッフ
- プロデューサー:高橋久仁男(フジテレビ)、青村暿一(フジテレビ)、佐伯明(東映)、加藤貢(東映)
- 音楽:クニ河内(オープニング&エンディングテーマ曲演奏:あんぜんバンド)
- 監督・脚本は作品リストを参照
作品リスト
媒体・再放送
2015年12月・2018年1月より東映チャンネルで全話が再放送された。
レコード
オープニング曲はレコード化もされ、レコードバージョンは後にオムニバスアルバム『テレビ狂時代 Vol.1 '69〜'77』(徳間ジャパン、2003年1月22日発売)などに収録されている。
脚注
注釈
出典
前後番組
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