全国高等学校野球選手権埼玉大会(ぜんこくこうとうがっこうやきゅうせんしゅけんさいたまたいかい)は、埼玉県で開催されている全国高等学校野球選手権大会の地方大会。第80回記念大会より、大会回数の下1桁が0の記念大会時(10年に1度)のみ、2ブロックに分けて行う(第80回記念大会は東埼玉と西埼玉、第90回・第100回記念大会は南埼玉と北埼玉)。
春の県大会でベスト16以上の結果を残した高校には、本大会ではシード権を得る。区分はAシード(第1・第2シードに相当)、Bシード(第3・第4シードに相当)、Cシード(第5 - 第8シードに相当)、Dシード(第9 - 第16シードに相当)に分かれ、順に決勝へ勝ち進んだ2校、ベスト4の2校、ベスト8の4校、ベスト16の8校がそれぞれ割り振られる。
開会式は毎年11時から行われ、開会式では浦和学院吹奏楽部が演奏する。埼玉県内の高校が前回の選手権または当年の選抜で優勝した場合は、選手入場後に優勝旗が披露される。
優勝校には優勝旗、表彰状、優勝盾、メダルが、準優勝校には表彰状、準優勝盾、メダルが贈られる。優勝旗は、翌年の大会の開会式での返還時にレプリカが贈られる。2013年(第95回大会)から準決勝と決勝で球速を表示している。
2015年(第97回大会)からは、選手・応援団・観客の熱中症予防対策として一定イニングごとに給水のための休憩時間となる「給水タイム」を実施している。2019年(第101回大会)までは3イニングごとに給水のための休憩とグラウンド整備を行ったが、2021年(第103回大会)からグラウンド整備は5回終了後に戻し、3回・7回終了後(5回終了後も含む)に給水のための休憩を行なっている。また、攻撃時間が20分を超えた場合も、給水タイムが入ることにしている。この取り組みは全国的に注目され、各地の地方大会で同様の制度が導入されることになった。そして2023年(第105回大会)で、「クーリングタイム」の名称で本大会でも実施することとなった。
埼玉県勢は1921年の第7回大会から予選にあたる地方大会に参加。
1931年の第17回大会から1974年の第56回大会までは、埼玉大会の上位校が全国大会の出場校を決める2次予選大会へ進出した(但し、1930年の第16回大会までは各県の参加校数が少なかったため県単位の予選大会は実施されず、全参加校は直接関東大会・北関東大会へ出場していた)。なお、1958年、1963年、1968年、1973年の地方大会は記念大会に伴い1県1代表となった為、2次予選大会(南関東大会・西関東大会)は開催されなかった。
第80回大会では、出場枠が2つ与えられたのを受けて、東埼玉と西埼玉に分かれて開催した。浦和市、大宮市、与野市、川口市、蕨市、鳩ヶ谷市、戸田市、上尾市、桶川市、北本市、草加市、八潮市、三郷市、越谷市、吉川市、春日部市、岩槻市、蓮田市、久喜市、幸手市、加須市、羽生市、北足立郡、北埼玉郡、南埼玉郡、北葛飾郡を東埼玉、それ以外の地域を西埼玉とした。
埼玉では、南部と東部に有力校が多く、第80回大会は神奈川と同様に東高西低であった。こうした事から、第90回大会では、南部と西部を南埼玉、東部と北部を北埼玉としてブロック分けして戦力を分散した。さいたま市、川口市、蕨市、鳩ヶ谷市、戸田市、新座市、志木市、朝霞市、和光市、川越市、入間市、所沢市、飯能市、狭山市、坂戸市、ふじみ野市、日高市、富士見市、鶴ヶ島市、入間郡(三芳町・毛呂山町・越生町)を南埼玉、それ以外の地域を北埼玉とした。第100回大会も第90回大会でのブロック分けを踏襲することになった。
※使用球場に命名権が付いている場合は、正式名称と併記する。
2020年に開催予定の第102回全国高等学校野球選手権大会が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、本大会と全国の地方大会が中止となった事に伴い、埼玉県内独自の代替大会として「令和2年度 夏季埼玉県高等学校野球大会」が8月8日から8月23日まで参加148チームで開催された。試合は7イニング制が適用された。
開会式と県営大宮公園球場で行われる試合(1回戦 - 決勝戦)はテレビ埼玉(通称・テレ玉)で生中継され、また決勝戦はNHKの(埼玉県ではNHK放送センターの放送対象地域のため)一部を除き関東ブロックでも放映される。ラジオは、NHKさいたまFMが決勝戦(2018年までは準決勝・決勝)を放送する。
テレビ埼玉では、県営大宮球場で行われる全試合を中継している。中継は開局直後の1979年開始、2009年よりハイビジョン制作。オープニングのテーマ曲は岡宏が作曲。開局から変わらずに使用されており、現在は伊奈学園総合高校吹奏楽部が演奏しているものが使われている。2017年まではエンディングでも使用された。
中継のほかには、夜に県営大宮球場と他球場のハイライト・試合結果などを報じるダイジェスト番組・「高校野球ダイジェスト」(1987年開始)を放送している。メインキャスターは、2015年から2018年まで室川慎也が務め、2019年から神田穣が務めている。
なお、2010年まで土・日は中央競馬ワイド中継を優先するため、16時までで放送が終了していたが、2011年のLIVE&REPORT 中央競馬中継は制作局がチバテレビに変更され、千葉大会の中継期間中は競馬中継を行わないため該当する期間の土・日は16時以降も中継された。但し2007年の決勝では、雨による中断により、放送終了までに決着がつかず一旦放送を打ち切り競馬中継を放送したが、高校野球を再度中継した。
2011年から、031チャンネル(テレ玉第1チャンネル)の中継枠終了後も試合が行われている場合は、地上デジタル放送のマルチ編成(032チャンネル・テレ玉第2チャンネル)を使用して中継する。(平日:最大延長17:45、2018年まで18:00、土・日曜:最大延長17:00)
2013年は、さいたま市営大宮球場で行われる5回戦・準々決勝の様子をダイジェストVTRを交えて現地から電話リポートを行った(県営大宮の各試合・5回終了後、上記ダイジェスト番組のキャスターが担当)。
2014年からはマルチ編成のテレ玉第2チャンネルを使い、準々決勝のさいたま市営大宮球場(レジデンシャルスタジアム大宮)で行われる試合を同時中継する。
2016年は髙橋彩音(AKB48 チーム8 埼玉県代表)が「応援リーダー」に就任し、ダイジェスト番組等に出演した。同年中継技術会社がテレテックからテレ玉関連会社のTAPが務めることになった(テレテックはそれ以降も技術スタッフを派遣している)。
2008年までは坂信一郎も担当していた。上野晃・小笠原・加藤・矢野は、ライオンズアワーにおいても実況をしている(矢野は2007年まではリポーターを担当していた)。
2014年は実況担当アナウンサー1名が夜のダイジェスト番組の進行も行った(女性キャスター2名の内1名と組む。初日と最終日は3人で進行)。
5回戦までは対戦するチームの野球部OBや副部長・教諭などのゲストを1名ずつ呼ぶ。開会式及び準決勝以降(2019年より。2013年以前と2018年は準々決勝以降)は県高野連の関係者が解説を務める。また、準々決勝(2019年より。2014年より2017年までは準々決勝以降)は中継カードのチームに敗退したチームの監督・部長(主に5回戦で敗退したチームから選ばれる)が解説を務める。
開局直後の1979年は俳優の森山周一郎がゲスト解説者として出演している。
準決勝で勝利校の監督、決勝で優勝校の監督・主将のインタビューを行う。2014年・2015年は波多江良一、2016年からはダイジェスト番組の女性キャスターが担当する(NHKとの共同インタビューとして行われる)。
埼玉県内のJ:COMが幹事社となり、埼玉ケーブルテレビ連盟に加盟する県内のケーブルテレビ局各社の共同制作で、さいたま市営大宮球場(レジデンシャルスタジアム大宮)で開催される1回戦から5回戦(2018年・2020年は1回戦から4回戦)を各社のコミュニティチャンネルで生中継する(2014年は県内のJ:COMで4・5回戦、2015 - 2017・2019年は3回戦から5回戦)。なお、映像・実況等は2019年までテレビ埼玉の協力を受けていた。2017年から2022年までは、中継する試合と他球場の試合結果を報じるダイジェスト番組も放送したが、2022年は中継した試合から1試合を選んでハイライトで放送した。2021年は予備日として予定されていた日に試合が組まれなかった場合は、これまで放送した試合を再放送(ダイジェスト番組も含む)した。
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