『美少女戦士セーラームーン』(びしょうじょせんしセーラームーン、略称:セラミュ) は、武内直子の漫画『美少女戦士セーラームーン』を原作としたミュージカル。
メディアミックスとして原作漫画やテレビアニメと並行し、バンダイ主催で1993年から2005年にかけて上演されたバンダイ版、25周年プロジェクトの一つとして2013年から2017年にかけてドワンゴ・ネルケプランニング主催で上演されていたネルケ版、2018年・2019年・2024年に上演され乃木坂46メンバーが主要キャストを務めた乃木坂46版、2021年に上演された新シリーズ版がある。
バンダイ版はテレビアニメ版をベースに原作漫画版の設定が使われ、一年間にオリジナルと改訂版の計二回の本公演と春・秋に『ファン感謝イベント』という楽曲ライブ主体のイベントを行っていた。グランドテーマソングは「La Soldier(ラ・ソウルジャー)」。殺陣や発火装置などヒーローショーの要素を取り入れたファミリー向けミュージカルで、2002年春公演の時点で観客動員数は述べ46万人。
1990年代の初期のミュージカルでは大山アンザがセーラームーン/月野うさぎ役を務めていた。その後代替わりし、出演俳優から原史奈(セーラームーン/月野うさぎ役)、木村多江(フィッシュ・アイ役)、浦井健治(タキシード仮面/地場衛役)、城田優(タキシード仮面/地場衛役)、天野浩成(タキシード仮面/地場衛役)、多部未華子(セーラースターヒーラー/夜天光役)、渡辺舞(セーラージュピター/木野まこと役)を輩出している。
本公演はテレビアニメ『美少女戦士セーラームーンR』放送中の1993年夏に、メディアミックスの一環としてバンダイで上演されたミュージカル『美少女戦士セーラームーン 外伝ダーク・キングダム復活篇』が初演。三年目まではすべての公演をソフト化する予定が無かったようで、1993年冬の『ダーク・キングダム復活編改訂版』、1994年春〜1995年春の『S 変身・スーパー戦士への道』(改訂前・改訂版いずれも)は映像が残っていない。
製作スタッフは、作曲は初演『外伝 ダーク・キングダム復活篇』から同改訂版までつのごうじと小坂明子の2人体制だが、1994年夏『S〜うさぎ・愛の戦士への道〜』から小坂の単独になり、13年間で全456曲を作曲。小坂はのちに音楽監督も務めた。作詞は初演から2000年初冬『新 / 変身・スーパー戦士への道 ラストドラクル序曲』まで冬杜花代子が単独 で担当したが、2000年夏『決戦 / トランシルバニアの森 〜新登場! ちびムーンを護る戦士達〜』からは脚本・演出も行っていた斉樹潤哉との2人体制になり、2003年5月の冬杜逝去をうけて、2003年夏『スターライツ・流星伝説』以降の新曲は全て斉樹が作詞をした。冬杜の最後の担当楽曲は『無限学園〜ミストレス・ラビリンス〜』の公演主題歌「HEREAFTER…」である。
脚本は1993年の初演から1994年夏『S〜うさぎ・愛の戦士への道〜』をテレビアニメ版の脚本家の富田祐弘が担当し、1994年冬『S〜変身・スーパー戦士への道〜』から演出として加わった平光琢也に交代した。この頃から「月刊ミュージカル」など演劇専門誌に特集記事が組まれ、玩具誌の「ハイパーホビー」には定期連載のページが作られてキャストインタビューや公演レポートが掲載された。1999年夏『かぐや島伝説【改訂版】夏休み!! 宝石探検隊』以降は斉樹潤哉が総合演出・脚本を取り仕切るようになるが、従来ファンからは「ストーリーが難解で破綻している」と非難を浴びた。
キャストは初代内部5戦士役にはアイドルグループ桜っ子クラブさくら組のメンバーが起用され、初代セーラームーン役は大山アンザ(現・ANZA)が演じた。この時キャスティングされたメンバーでは大山とセーラーマーキュリー役の森野文子のみが初演から卒業まで5年間通して出演した。
タキシード仮面役は初演ではジャニーズJr.の佐野瑞樹だったが、改訂版以降は悪役で出演したジャパン・アクション・クラブ出身の望月祐多(後期の作品ではアクション指導も行っている)に交代し、代替わりした後も代々若手男優が演じた。
原作・アニメが完結し『永遠伝説』公演中はキャストたちも「この公演が本当に最後だ」と日々の稽古と公演に臨んでいたという。しかし千秋楽後にミュージカル継続を望むファンの投書が殺到。その声に応える形でファン感謝イベントが開催され、一度はフェードアウトした土萠ほたる/セーラーサターン役・武田恵子の復帰と『永遠伝説 改訂版』の上演がイベント内で発表された。ファン感謝イベント終了後、現戦士の一斉卒業が決定し告知された。公演チケットは平日公演すらプラチナ化し、サンシャイン劇場で行われた大千秋楽は当日券を求める観客に対し劇場のキャパシティが足りず、劇場ロビーに公演の映像中継を映す大型モニターを設置して対処した程である。
ミュージカル自体も永遠伝説改訂版をもって終了とされる予定だったが、公演の好評ぶりからキャストを一新しての続演・1998年夏『新・伝説光臨』が決定。2代目セーラームーン役には原史奈が起用され、1999年夏『かぐや島伝説【改訂版】夏休み!! 宝石探検隊』まで務めた。
3代目セーラームーン役の神戸みゆきは、2000年冬『新 / 変身・スーパー戦士への道 ラスト・ドラクル序曲』から2001年春『ラスト・ドラクル最終章 超惑星デス・バルカンの封印』まで務めた。
4代目セーラームーン役は黒木マリナが、2001年夏『誕生!暗黒のプリンセスブラック・レディ』から出演した。当時、アニメが大規模に再放送されており、再放送の進行に合わせる形でアンザ時代以来のアニメと原作に添った公演が制作された。2004年5月には当時の黒木をはじめとする内部5戦士が上海のイベント「2004动漫形象博览会」へ遠征しミニライブを行った。2005年冬『新・かぐや島伝説 改訂版』まで務め卒業。同時にこれをもってバンダイ主催による公演は終了した。
作詞冬杜花代子、作曲小坂明子。
バンダイによる公演を通したテーマソング。20周年記念トリビュートアルバムでは「グランドテーマソング」とも表現されている。シングル盤の歌手は桜っ子クラブさくら組(初演セーラー戦士役)。各公演のセーラー戦士役による新録版がメモリアル・アルバムシリーズ(後述)に収録されている。
2013年9月に「セーラームーン20周年記念プロジェクト」の一環として、ドワンゴ・ネルケプランニングにより8年ぶりに新規公演『La Reconquista』で復活。5年間上演され、2017年『Le Mouvement Final』で完結した。主な楽曲は「愛のStarshine」、「Music of the sphere」、「恋するSatellite」など。
バンダイ版と異なり、公演の主なターゲットは成人女性で、同時期に展開していたアニメ『美少女戦士セーラームーンCrystal』同様に原作漫画がベースの舞台化だが、旧東映版アニメとバンダイ版ミュージカルを意識した要素も含まれている。
製作スタッフは音楽に佐橋俊彦、脚本・演出にバンダイ版初期を手がけた平光琢也。第二作『Petite Étrangère』ではバンダイ版でちびうさ役を演じた竹中夏海が一部振り付けに参加し、同作公演DVD販売イベントでも司会進行として登壇した。
キャストは男性キャラクターも含めて全て女性という宝塚歌劇団のようなスタイルで上演された。タキシード仮面役の大和悠河、セーラーウラヌス役の汐月しゅう、セーラーネプチューン役の藤岡沙也香のメインキャラクターのほか、悪役で毎作、宝塚歌劇団OGが出演した。
ネルケ版初代(通算5代目)セーラームーン役は大久保聡美が務め、2016年『Un Nouveau Voyage』まで出演。2015年1月には「セラミュ」史上初の日本国外公演を上海で行った。
2016年の『Amour Eternal』から2017年完結編『Le Mouvement Final』までは、ネルケ版2代目(通算6代目)セーラームーン役の野本ほたるが務めた。2017年4月にはアメリカテキサス州ヒューストン市で行われたアニメイベント「Anime Matsuri 2017」に出演し、ミニ・ミュージカルを上演。ヒューストン市は、これを記念して上演日の4月7日を「セーラームーン・デー」として公認した
完結編『Le Mouvement Final』では、セーラームーンの最終形態であるセーラーコスモス役に先代セーラームーン役の大久保聡美が再出演。ネルケ版のセーラームーン役二人が同時に舞台に立った。ミュージカルでセーラーコスモスが演じられるのはバンダイ版を含めても初である。
2017年から続く『美少女戦士セーラームーン25周年プロジェクト』の一環として、2018年に『乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」』が上演された。
セーラー5戦士は乃木坂46のメンバーから選抜された10人が「Team MOON」「Team STAR」の2チームに分かれてダブルキャストで演じ、主人公・セーラームーン(月野うさぎ)役は「Team MOON」では山下美月、「Team STAR」では井上小百合が演じた。
演出は劇作家・演出家のウォーリー木下が、脚本はユリイカ百貨店のたみおが担当した。音楽は和田俊輔、作詞は新良エツ子が担当した。また製作委員会には、上記のバンダイ、ネルケプランニング両社が名を連ねている。
6月には天王洲 銀河劇場において、9月にはTBS赤坂ACTシアターにおいて異なる演出で上演された。 バンダイによる公演の曲である「La Soldier」が約13年ぶり、「FIRE」が約16年ぶりに使用された。
2019年10月と11月の再演ではセーラー戦士のキャストが一新され、セーラームーン役は久保史緒里が演じる。タイトルは『乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」2019』に変更。セーラー戦士以外のメインキャストは初演から続投。演出も引き続きウォーリー木下が務めた。11月の公演は乃木坂46版では初の海外、上海公演が行われた。
2024年4月の再演ではキャストが一新され、メインキャストは乃木坂46の5期生が演じる。タイトルは『乃木坂46"5期生"版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」2024』に変更。
当初は2019年夏に新プロジェクトによる公演が実施される予定であったが、2020年夏に延期が発表され、同時に『かぐや姫の恋人』をストーリーとした舞台が公演予定であることが発表された。だが、新型コロナウイルスの感染拡大防止を図る協議の結果、2021年以降に再延期になったことが2020年6月5日に正式発表された。2021年4月1日にて公演が2021年9月になることが決定した。
2022年11月「美少女戦士セーラームーン」30周年記念『Musical Festival -Chronicle-』では各回ごとに歴代キャストもゲスト出演し、バンダイ〜ネルケの垣根を超えた歴史的な舞台となった。
『流星伝説』&『火球王妃降』
外伝ダーク・キングダム復活編
夢戦士・愛・永遠に…
かぐや島伝説(1998年-1999年)
デス・マネッチャーズ
アルトゥカ一族
ダークプラズナー一族
子猫たち
アルトゥカ一族
ダークプラズナー一族
子猫たち
グリーム星人(グリーム星での名前/地球での名前 で表記する)
四天王ネオ
ダーク・キングダム
シルバー・ミレニアム
ブラック・ムーン一族
クリスタル・トーキョー
デス・バスターズ
デッド・ムーン
キンモク星
シャドウ・ギャラクティカ
ダーク・キングダム
シルバー・ミレニアム
その他
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