福井駅(ふくいえき)は、福井県福井市中央一丁目にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)・ハピラインふくい・えちぜん鉄道・福井鉄道の駅である。
福井市の代表駅。JR西日本の北陸新幹線・ハピラインふくいのハピラインふくい線・えちぜん鉄道の勝山永平寺線・三国芦原線(福井口起点)が乗り入れており、勝山永平寺線の起点である。ハピラインふくいの駅には隣の越前花堂駅から分岐するJR西日本の越美北線(愛称:九頭竜線)の列車が乗り入れており、事実上4路線3方向の列車が利用可能である。
本項では隣接する福井鉄道福武線の福井駅停留場(ふくいえきていりゅうじょう)についても扱う。 福井駅停留場はハピラインふくい線側の西口(福井城址口)広場に乗り入れており、福武線支線の起点駅となっている。
金沢支社が管理する直営駅。
2005年6月に建設が開始され、2009年2月にホーム以北800メートル分が完成した。県庁所在地の駅にもかかわらず通過線や待避線のない島式ホーム1面2線 "のみ" の構造である。これは新幹線開業60年とフル規格の全国103駅 において、史上初および全国最小の設備数(島式1面2線は福井駅以外には静岡県の三島駅があるが、こちらは車両所への増設駅なので1面2線+2通過線+各種18線を持つ)となり、日本一幅狭の途中駅でもある。
ホーム長は312mで、12両編成のE7系・W7系が停車できる構造となっている。当初の計画では在来線上部を含む3階の2面4線だったが、景観問題と福井駅に接続する当時の京福電気鉄道(えちぜん鉄道の前身)の複数の衝突事故と存続廃止問題で実現出来なかった。最終的には東側の2階建てに変更され、新幹線が在来線とえちぜん鉄道に挟まれる窮屈な配置になり新幹線駅舎は幅半分の1面2線に縮小された。またホーム内から金沢方が高崎-敦賀間で最急曲線の急カーブ(R=600m)になり、列車のホーム進入出発速度は通常より40%遅い45km/hに下げられた。回送通過速度も45km/hである(東北上越北陸の各新幹線駅はホーム出入り75km/h、通過75~320km/h)。そのため安全性と利便性(構造上の問題を解決するための特例等)に関する要望書が出されたが、利用客の安全性と利便性、列車の運行効率は何れも低下した。景観的には駅以北は2階建て高さの高架橋に収まったが、駅南部のおよそ6kmは実質3階建て高さの高架路線が続く。費用的にはホーム建設費のみ半額になったが、駅全体の東側拡幅と駅以北が2重高架橋1路線から単式高架橋2路線(新幹線とえちぜん鉄道線)に倍増拡幅されたため、数万㎡の新規用地取得と2倍の基礎(地中)工事費など2路線合計では大きな増額となった。
新幹線駅デザインは市内産の笏谷石を使用して「和」を演出し、外観に関しては一乗谷朝倉氏遺跡や永平寺の唐門がモデルとなっている。ホームの天井・床も木調にする。両ホームに設置されるホームドア(可動式安全柵)には、福井県立恐竜博物館など福井の名所の写真が展示されている。
外観は2021年8月にほぼ完成した状態となっており、駅舎は2022年8月25日に工事が完了。また、新幹線駅の開業に合わせ、東口に「一乗谷口」、西口に「福井城址口」の愛称が追加された。1階改札外コンコースのJR西日本区画には屋外に直接繋がる出入口はなく、西口(福井城址口)へはハピラインふくいの駅改札外コンコース、東口(一乗谷口)へは福井市観光交流センターの吹抜区画を通ることとなるが、両方向とも境界部が壁や扉で仕切られておらず(ハピラインふくいとの境界部にはシャッター設備があるが平時は終日開放)、ひとつながりの空間となっている。
改札口を3箇所設けており、うち1階北側(東京駅寄り)のA改札は新幹線列車の1 - 6号車、その向かい側となる1階南側(敦賀駅寄り)のB改札が7 - 12号車に近い旨の案内表示をしている。また、A改札内方の中2階にはハピラインふくい線(越美北線直通列車を含む)への乗換改札があり、その手前にハピラインふくいが券売機を設置、福井駅からハピラインふくい線内各駅、同線越前花堂駅または敦賀駅を経てJR西日本在来線の福井県内各駅、大聖寺駅を経てIRいしかわ鉄道線各駅への乗車券購入、ICOCAほかの交通系ICカード全国相互利用サービス参加カード・スマートフォンへの残額チャージなどができる。
ハピラインふくいが管理する直営駅である。
2階に設置された2面5線のホームを持つ高架駅である。2番のりばは、3番のりばの越前花堂方の切り欠き部分にあり、架線が張られていない。ホーム屋根には、「越前海岸の岩」「九頭竜川の河岸段丘」をイメージした天窓が付けられている。改札内には有人店舗がない。
2024年(令和6年)3月15日以前のJR北陸本線時代には、特急「サンダーバード」「しらさぎ」「おはようエクスプレス」「ダイナスター」、2015年(平成27年)3月13日以前には特急「はくたか」「トワイライトエクスプレス」、2012年(平成24年)3月16日以前には特急「日本海」、急行「きたぐに」、2001年(平成13年)3月2日以前には特急「白鳥」、急行「能登」の停車駅でもあった。これらの優等列車は原則として1番・5番のりばから発車していた。
事務管コードは▲541430を使用する。
JR西日本時代は、演奏家の葉加瀬太郎が作曲したバイオリン曲「悠久の一乗谷」が発車メロディに使用されていた。ハピラインふくい移管後は変更前の北陸標準メロディに戻った。
駅舎屋根上には地球温暖化防止の取り組みとして、京セラが製造した太陽光発電装置(ソーラーパネル)が設置されている。
自動改札機は2018年7月24日未明に設置され、運用開始まではカバーがかけられていた。9月8日に磁気券に限定して運用が開始し、9月15日からは交通系ICカード(ICOCAなど)のエリア拡大に伴い交通系ICカードの使用が可能となった。九頭竜線(六条 - 九頭竜湖)では利用できない。
自動改札機は6通路設置されており、有人通路が1通路ある。なお、北陸新幹線金沢開業後のJR西日本管内「2府16県」で自動改札機や交通系ICカードが導入されるのは福井県が最後だった。
エレベーターやエスカレーター(昇りのみ)も設置されていて、1階の改札口と中2階のコンコース~2階のホームを結んでいる。エレベーターは福井県内の駅では小浜線の上中駅に続いて導入され、エスカレーターに至っては福井県内の駅では初めて導入された。
みどりの窓口・自動券売機・自動改札機・コンビニ・化粧室が設置されており、みどりの窓口にはe5489優先窓口が設置された。
ハピラインふくいへの移管時点では、改札前には西口の入り口から飲食店の「今庄そば」、売店(セブン-イレブン キヨスク)、コインロッカーの順に連なっている。高架駅舎開業時は駅弁販売店、旅行代理店(日本旅行)もあったが撤退して飲食店の拡張・売店の新設及び拡張に転用された。ハピラインふくい改札外の券売機は当初1台のみであったが、移管開業直後の大混雑に故障のトラブルが重なり混乱をきたしたことから、同月内に急遽2台ヘ増設となった。有人出札窓口も券売機と同様、JR西日本みどりの窓口が新幹線B改札横へ移転した跡地にて営業している。
1階の改札内には自動精算機、精算所、待合室がある。在来線駅高架化以来その隣にあった福井県警察鉄道警察隊は、新幹線駅開業に伴いくるふ福井駅が入居する新幹線高架下拡張エリアの南東端へ移転。中2階のコンコースには化粧室があるほか、連絡通路の乗換改札手前にはJR西日本がハピラインふくい線(越美北線からの直通を含む)から北陸新幹線への乗換利用者向けにみどりの窓口・みどりの券売機を設置している。かつてはセブン-イレブン キヨスクもあったが、北陸新幹線のりばとの連絡通路に転用するため閉鎖となった。
1階階段横には北陸新幹線に関連するタイムカプセルが2個設置されている。どちらも新幹線開業に合わせて開封された。
駅高架下の施設は南北に延びている。コンコースを挟んで南側にショッピングゾーンの「くるふ福井駅」(旧称「プリズム福井」)がある。
出入口は、県庁や市内バス乗り場側が西口、えちぜん鉄道や高速バス乗り場側が東口で、高架開業後は西口・東口両側からコンコースへ通じ、地平面での東西間通り抜けが可能になっている。
なお、くるふ福井駅内にも平面の自由通路が1か所設けられている。
西口に大きな中央改札口があり、現在の金沢駅と同様に駅構内(東口)と駅ビル内にもそれぞれ改札口が設置されていた。
駅ビルは「福井ステーションビル」と称し、駅ビルの改札については駅ビルの営業時間内にのみ利用可能となっていた。ステーションビル内には宿泊施設「福井ステーションビルホテル」も所在していた。
また、駅舎内の通り抜けは一切できない構造のため、反対側に連絡する際は改札外にある地下道を通る必要があった。
また、ホームでは当地の名産品の一つ「ハープ」を使用した接近・発車メロディが採用されていた。JR西日本管内の北陸地方主要駅では1980年代後半から1990年代初頭にかけて富山・金沢・福井の順に、所在地とゆかりのある楽曲などをメロディに採用する取り組みが行われていた。この楽曲を作曲したのは当地出身でハープ奏者の雨田光示で、1990年12月25日から2000年2月8日の北陸線CTC化まで10年間採用されていた。採用当初は2曲が用意されていたが、使用終了時点では1曲のみが使用されていた。
JR福井駅の東側隣接地にあり、島式ホーム1面2線を持つ高架駅である。JR・ハピラインふくいの駅舎とは屋外約15 mの屋根付き歩道を介しての接続。
1996年に鉄道高架化工事が着工され、京福電鉄時代の1997年から2001年6月24日までとえちぜん鉄道時代の2002年7月19日から2015年まで地上の仮ホームでの営業、2015年から2018年まで北陸新幹線の高架上に設けられた仮ホームでの営業となっていた。
待合室にはコインロッカーと、有料の自動コーヒーメーカーが設置されている。改札前のベンチはかつての地下道へつながる通路の跡地である。
1997年に地上の仮駅に移行する以前は、旅客ホームと本線のほか、複数の電留線があった。高架化工事に伴い用地が縮小され、地上の仮駅は、ホームに接する2本の本線の線路終端部がホームを外れた駅舎両側まで延び、電留線となる構造・配線となっていた。電留線と本線部分との境界には入換信号機が建植されており、電留線部分には2両編成各1本が収容できた。この配線は2018年に完成した高架駅においても踏襲されており、2本の本線の線路終端部はホームを外れた先まで延び、電留線となっている。
当初の計画案では、駅を3階建てとし、2階に京福電気鉄道(現在のえちぜん鉄道)が乗り入れ、3階に新幹線が乗り入れる予定だったが。景観問題と度重なる衝突事故による京福路線の存続廃止問題を勘案した結果、2階建てで決着した。その後、先行的に新幹線ホームを竣工させ、そこに京福電気鉄道を乗り入れさせて暫定的に高架化することが考えられたが、北陸新幹線の着工が具体化すると、今度は新幹線とえちぜん鉄道線がそれぞれ単線で乗り入れると言う愚案まで浮上した。この案では、三国芦原線は高架化せず、LRT化した上で福井鉄道に乗り入れるとされた。
2011年に北陸新幹線を金沢駅 - 敦賀駅間で着工されることが決まると、途中駅となる当新幹線駅を単線とするのは論外であり、結局えちぜん鉄道の福井駅は現在線(当初計画の仮線)の位置に独立して設置されることとなった。この計画では、まず北陸新幹線の高架を完成させ、そこにえちぜん鉄道を乗り入れさせる。その上で現在線の位置に高架駅を建設するもので、2015年9月27日に仮線へ移転した。2018年6月24日にえちぜん鉄道高架橋での営業運転を開始した。
ホームは当初、1番線が勝山永平寺線、2番線が三国芦原線になっていたが、勝山と三国港の位置関係を考えて順序が入れ替わった。その後、新福井駅 - 福井口駅間が単線になると、番線・方面の区別がなくなった。
高架化後、2024年1月中旬に福井市大手2丁目の高架下にYOSHIが運営し複数の飲食店が入る「ふくい屋台村」がオープンすることになった。
福井駅停留場は、ハピラインふくい福井駅西口広場にある福井鉄道福武線の電停。この電停は、福武線本線の福井城址大名町停留場からの分岐線(ヒゲ線)に設けられており、3面2線の構造である。なお一部の列車は当電停で終着とならず、福井城址大名町に戻って継続運行されるので、設備上は終着駅でありながら運行上は途中駅にも分類される珍しい形態となっている。
2016年3月27日、路線を143メートル延長し西口駅前広場に移設、同時に福井駅前停留場から福井駅停留場へ改称した。
主な駅弁は下記の通り。
「福井県統計年鑑」と「福井市統計書」によると、2019年(令和元年)度のJR西日本の1日平均乗車人員は10,301人である。ここ数年は増加傾向にあり、福井県内の駅および北陸本線の途中駅では最も多い。
近年の推移は以下のとおりである。
駅表(西口側)は福井県内最大の繁華街で再開発が進んでおり、2016年には高層再開発ビルのハピリンが開業している。 商店街とホテルのほか、福井では唯一の百貨店(西武福井店)がありオフィスビルが建ち並ぶ。バスターミナルは駅西側300mから500mの路上に市内バス乗り場、西側約600mの福井県繊協ビル1階に郊外バス乗り場(京福バスターミナル)があったが、2010年3月31日で営業を終了し、「市内バス乗り場」に集約されたのち、2016年3月27日の西口交通広場の使用開始によって、福井鉄道の軌道線延伸と同時に同広場のバス乗降場へ移転し、各交通機関相互の乗継の利便性が大幅に高まった。また駅前広場に恐竜像が置かれ、西口側の駅の壁面に恐竜のラッピングが施されるなどして、福井県の観光資源である恐竜をPRしている。
駅裏(東口側)は住宅街となっているが、2000年代に入ってからは東口においても再開発が進められており、西口同様ビジネスホテル(ホテルエコノ福井駅前など)がある。2007年4月19日に再開発ビル「AOSSA」(地上10階・地下2階建て)がオープンしており、商業施設および県民会館や福井市立桜木図書館などの公共施設が入っている。2009年5月22日には交通広場の整備に伴い高速バス乗降場が移設開業し、新たな一面をのぞかせつつある。
西口には福井城址をはじめとする史跡や、福井県庁・福井県警察本部(福井城址内)・福井市役所などの各種公共機関、福井銀行本店などの金融機関、宿泊施設が多く軒を連ねる。また、老舗百貨店を前身とする西武福井店やシネコンなどの商業施設も西口側に集積しており、「片町」と呼ばれる歓楽街も西口側にある。
東口側は高層ビルがほとんどなく、住宅街となっている。
かつて高速路線は、西口から約600m離れた京福バスターミナルより発車していたが、2009年5月22日より東口交通広場へ変更となった(乗車・降車とも)。また2013年の高速路線バス制度発足に伴い、旧高速ツアーバスから転換した路線が同交通広場外に新設した停留場を使用している。
JR駅東口正面・福井市観光交流センター前に1番のりば、ロータリー沿って入口方向、AOSSA北面向かい側の2番、3番と続く。4番のりばは3番のりばから南約50m、木田橋通り路上のAOSSA東面にある。1・2番のりば発の路線並びに定期観光バスの乗車券は、えちぜん鉄道駅舎内の京福バスチケットセンターで取り扱っている。
定期運行する無料バスは、東口交通広場の観光バス乗降場(3番のりばの後方)を発着する。
一般路線バスは、いずれも西口交通広場バスのりばを起終点または経由地としており、福井市内一円、および一部隣接市町の主要地へ向かう。
2016年の福井鉄道延伸の際にバスターミナルを開設、のりばを6か所設けている。路線バス専用ロータリー入口寄りから降車場、1番のりば(ハピライン駅玄関至近)…6番のりば(福井鉄道電停車止至近)の順となっている。ただし、☆の系統の降車場は約150m北の福井県道128号福井停車場米松線(お泉水通り、ホテルルートイン付近)路上。
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