山陽明石駅(さんようあかしえき)は、兵庫県明石市大明石町一丁目にある、山陽電気鉄道本線の駅。駅番号はSY 17。
西日本旅客鉄道(JR西日本)山陽本線(JR神戸線)の明石駅南側に隣接しており、乗換が可能。JRおでかけネットに接続交通機関として当駅が掲載されている。また、全列車が停車する。
歴史
山陽電鉄の明石駅につながる駅として最初に建設されたのは、兵庫電気軌道の明石駅前駅である。兵庫電気軌道は兵庫から電気鉄道を西に延ばして明石に到達し、1917年(大正6年)4月12日開業した。この際、現在の国道2号沿いに線路を敷設し、明石駅前交差点の北西側に明石駅前駅を設置した。さらにそこから西へ線路は伸び、大明石町1丁目交差点の手前から南へカーブして、魚の棚西端付近に南北方向に明石駅が設置された。これは、明石港からの淡路連絡を考慮したものであった。明石駅の南約70 mの場所に播淡聯絡汽船の乗り場があった。
続いて、1923年8月19日に別会社である神戸姫路電気鉄道によって、明石駅前 - 姫路駅前(現在の山陽姫路)間が開業した。両社は架線の電圧など規格が異なっており、当初は直通は行われず駅も別にあった。神戸姫路電気鉄道は、ほぼ現在の山陽電鉄のルートに沿って西から線路を延ばし、国鉄明石駅南口の広場の南側、兵庫電気軌道の駅のほぼ北隣に明石駅前駅を設置した。これは、高架化によって山陽電鉄の駅がJRの駅側に寄せられるまで電鉄明石駅が存在していた場所である。
1927年に両社が宇治川電気に合併して同一事業体となると、両社の規格の差を解消して直通運転を行うことになった。まず、神戸姫路電気鉄道の側の線路を付け替えて、1927年12月6日から兵庫電気軌道の明石駅前駅に乗り入れるようになり、この時に一旦神戸姫路電気鉄道の明石駅前駅は廃止された。その後、神戸姫路電気鉄道の明石駅前駅の跡地で新しい明石駅前駅の工事が進められ、また大蔵谷駅付近から旧兵庫電気軌道の線路の付け替え工事が行われてほぼ現在のルートとなり、1931年12月23日に開業した。この時、旧兵庫電気軌道の明石駅前駅は廃止となった。
年表
- 1917年(大正6年)4月12日:兵庫電気軌道の兵庫 - 明石間完成時に、明石駅前駅として開業。
- 1923年(大正12年)8月19日:神戸姫路電気鉄道により、明石 - 姫路間開業。同線の明石駅を設置。
- 1927年(昭和2年)
- 1月1日:兵庫電気軌道が宇治川電気に合併され、同線の明石駅前駅は同社の駅となる。
- 4月1日:神戸姫路電気鉄道が宇治川電気に合併され、同線の明石駅は同社の駅となる。
- 12月6日:旧神戸姫路電気鉄道明石駅前駅の西方から旧・兵庫電気軌道明石駅前駅との間に連絡線を設け、旧神戸姫路電気鉄道の明石駅前駅を旧兵庫電気軌道の駅に移転・統合。
- 1928年(昭和3年)8月26日:兵庫 - 姫路間直通運転開始。
- 1931年(昭和6年)12月22日:明石駅前駅 - 明石駅間を廃止。翌日に大蔵谷駅 - 明石駅前間を軌道移設し、駅を統一。
- 1933年(昭和8年)6月6日:宇治川電気の鉄道部門が分離され、山陽電気鉄道の駅となる。
- 1934年(昭和9年)9月18日:特急が運転を開始し、停車駅となる。
- 1943年(昭和18年)11月20日:電鉄明石駅に改称。
- 1944年(昭和19年)4月20日:特急運転中止。
- 1948年(昭和23年):下り線を上り線対向に移設し、上下副本線を供用開始。
- 1949年(昭和24年)4月15日:特急運転再開、改めてその停車駅となる。
- 1991年(平成3年)
- 4月3日:明石市内連続立体化工事による高架化完成。
- 4月7日:山陽明石駅に改称。
- 1995年(平成7年)
- 1月17日:阪神・淡路大震災で山陽電鉄本線が不通。翌日(1月18日)営業再開するが、当駅から西代方は不通のまま。
- 1月27日:霞ヶ丘 - 山陽明石間運転再開(同年6月18日に全線復旧)。
- 2012年(平成24年)5月:新運行システム導入に伴い、フルカラーLED発車標と接近・発車メロディの導入を開始。
- 2014年(平成26年):駅ナンバリング導入(SY17)。
駅構造
待避設備を備えた島式ホーム2面4線の高架駅。改札口は東西1ヶ所ずつにあり、基本的に駅員は西改札のみ配備される。
のりば
- 付記事項
- 内側2線(2番線と3番線)が主本線、外側2線(1番線と4番線)が待避線である。
- 普通列車は特急列車の待避が行われるが、日中は2009年3月20日のダイヤ改正から霞ヶ丘駅での待避に変更されている。
- 神戸側に6連対応の引上線がある(高架化以前は神戸側姫路側双方に引上線があった)。3番線と4番線は姫路側にも出発信号機が設置されており、3・4番線からも姫路方面への出発が可能である(2016年現在は設定が無い)。
利用状況
1日あたりの乗車人員 13,301人(2021年度)
山陽電鉄48駅のうち最も乗降客数が多い。
姫路方面から乗車してきた乗客の多くがこの駅でJR神戸線に乗り換える。車内放送、車両内ディスプレイにてJRへの乗り換え案内をしており、当駅接続でJR西日本との連絡定期券が購入可能である。対するJRも、山陽電鉄への乗り換え案内を行っている。
以下に各年の乗車人員を示す。
昭和・平成
令和以降
駅周辺
明石駅を参照。接続バス路線については明石駅バスのりばを参照。
山陽明石駅高架下には「グルメファクトリー」が併設されており、東西改札口のほか地下でも、食料品店を中心にさまざまな店舗が営業している。
地下部分においては大小の飲食店が長く営業を続けていたが、山陽電鉄の再開発計画により、2009年(平成17年)11月18日以降、地下全フロアは食品スーパーMISUGIYAになった。2016年(平成28年)にはピオレ明石が開業した。
隣の駅
- 山陽電気鉄道
- 本線
- ■直通特急
- 舞子公園駅 (SY 13) - 山陽明石駅 (SY 17) - 東二見駅 (SY 25)
- ■S特急
- 霞ヶ丘駅 (SY 12) - 山陽明石駅 (SY 17) - 藤江駅 (SY 20)
- ■普通
- 人丸前駅 (SY 16) - 山陽明石駅 (SY 17) - 西新町駅 (SY 18)
- 1946年まで、人丸前駅と当駅の間に「遊園地前駅」が存在した。
かつて存在した路線
- 宇治川電気電鉄部
- 旧兵庫電気軌道線廃止区間
- 明石駅前駅(現・山陽明石駅) - 明石駅
脚注
注釈
出典
本文中の出典
利用状況の出典
- 統計データ
- 神戸市統計書
- 明石市統計書
- 播磨町統計書
- 加古川市統計書
- 高砂市統計書
- 姫路市統計要覧
参考文献
- 神戸新聞総合出版センター 編『ひょうご懐かしの鉄道 廃線ノスタルジー』2005年。ISBN 4343003221。全国書誌番号:20947277。
- 今尾恵介 監修『日本鉄道旅行地図帳 : 全線・全駅・全廃線』 9号、関西2、新潮社、2008年、54-55頁。ISBN 9784107900272。
関連項目
外部リンク
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