ハウス食品株式会社(ハウスしょくひん、英語: House Foods Corporation)は、東京都千代田区に東京本社を、大阪府東大阪市に本店・大阪本社を置く、カレールーを中心とする日本の大手食品メーカーである。通称はハウス、House。株式の略号は「ハウス食」。みどり会の会員企業でもあり、三和グループに属している。本項では、持株会社化以前のハウス食品(現商号 ハウス食品グループ本社)および持株会社化に際し新設された事業会社であるハウス食品(旧商号 ハウス食品分割準備株式会社)について記す。
1963年(昭和38年)に発売され、爆発的なヒットを記録して発売され続ける「バーモントカレー」に代表されるように、カレーやシチューの素(主に板チョコ状の固形ルー)やスナック菓子類を主力商品としている。中でもカレールーでは、同業他社のエスビー食品・江崎グリコに対して大差をつけており、2022年(令和4年)現在シェアは第1位である。また、菓子類では「とんがりコーン」を筆頭としたスナック菓子を中心に、ガムや飴なども製造している。北米では豆腐事業を関係会社「ハウス フーズ アメリカ」が展開しており、2000年代において業界2位となっている。これは1980年代前半にロサンゼルスの老舗豆腐メーカーから同社へ技術提携の要請があり、それを受けて提携関係が開始され、同社がその豆腐メーカーに出資するなど両社の関係が進展し、1993年(平成5年)に提携先から株式を買い取って現名称に変更し、本格的に豆腐事業を展開したことによる(北米でのハウス食品の企業としての知名度は低い)。なお、同社の豆腐事業が北米地域展開に留まる理由として、日本国内では中小企業が多い産業に大手企業が参入するのを防ぐ法律(中小企業事業分野調整法)が存在する為、日本国内において大手企業は豆腐事業に事実上参入出来ないと言う事情もある。
徳島県出身の創業者、浦上靖介が、1913年(大正2年)に大阪・松屋町にて、薬種原料問屋「浦上商店」を創業する。浦上が出張した際に購入した外国製のカレー粉をヒントに日本人の味覚に合わせようと、さまざまなスパイスを調合して日本人向けのカレー粉を試行錯誤の末、開発・研究する。そして、1926年(大正15年)にはカレー粉の「ホームカレー」を販売していた「稲田食品製造所」を吸収合併し、現在の大阪本社所在地でもある布施市(現在の東大阪市)に工場(近鉄奈良線河内小阪駅近く)を設立し、生産を開始する。しかし、「ホームカレー」は商標権上の問題が発生したため、使用できなくなる。すると浦上の妻の靖代が発した「日本にホームの概念はあらしまへん。カレーを売るならハウスだす」の一言で、1928年(昭和3年)、「ハウスカレー」と名を変えて発売されることになる。「ハウスカレー」は発売当初、日本各地の百貨店でチンドン屋を従えて本社社員が店頭でカレーを作る実演販売を経て試食を提供する宣伝活動を行った。この活動は大当たりし、それまで高級な西洋料理の一つで、日本人には馴染みがなかったカレーを日本の食卓に広めていった。まもなく第二次世界大戦の勃発により、一般向けカレー製造の製造販売は中止を余儀なくされるも、日本海軍用としてカレーの製造を続けると共に、戦後の1949年(昭和24年)には社名を「ハウスカレー浦上商店」に、そして1960年(昭和35年)には「ハウス食品工業」と変更し、現社名である「ハウス食品」に至る。1973年(昭和48年)には「シャンメン」でインスタントラーメン事業に進出し、袋入りの製品に特化しており、カップ麺の販売は現在まで行っていない。ただし、過去のカップスープにおいて「しらたき麺」が入った商品「豆乳を練り込んだしらたき麺スープ」を発売したことがある。地域限定のいわゆる「ご当地ラーメン」を比較的古くから積極的に発売しており、1979年(昭和54年)に九州・山口地方限定で発売した、とんこつ風味のラーメン「うまかっちゃん」は、マイルドでクセのない味わいで人気を集めた。その後、「うまかっちゃん」の成功を契機として北海道限定で「うまいっしょ」、近畿(関西)地方で「好きやねん」といったご当地ラーメンを発売し、のちに3銘柄すべてが全国で発売されたが、このうち「うまいっしょ」は2007年で販売を終えた。また、1987年(昭和62年)頃には関東地方(山梨県、静岡県含む)限定で「東京ラーメン・わっしょい」も発売されていた。1983年(昭和58年)にミネラルウォーター「六甲のおいしい水」を発売した以降は飲料事業にも力を入れ、「ウコンの力」や「ニンニクの力」などの健康飲料も発売した。さらに、「PURE-INシリーズ」や「黒豆ココア」といった健康食品の製造・販売も行なうなど、新分野に取り組んでいる。2005年(平成17年)12月26日、武田薬品工業の子会社である武田食品工業の事業を当社と武田薬品が合同出資する新会社「ハウスウェルネスフーズ」に2006年(平成18年)4月に移行し、2007年(平成19年)をメドとしてハウス食品の完全子会社にすることが発表され、健康食品事業をさらに強化することになった。そして2007年10月1日、武田薬品の保有株式 (34%) をすべて取得し、ハウスウェルネスフーズを完全子会社化した。また、長らく当社の主力商品であった「六甲のおいしい水」は、2010年(平成22年)4月8日に製造工場(神戸市西区)と採水場(神戸市灘区)を、アサヒビールグループの飲料メーカー・アサヒ飲料に土地・建物設備を53億円で売却したことを発表し、2010年(平成22年)7月に「六甲のおいしい水」の製造・販売および商標権はアサヒ飲料が引き継いだことで、ミネラルウォーター事業から撤退した。
テレビCMは興和などと同様にフリースポット契約だが、一部番組提供扱いもある。フリースポット契約の性質上、CMの放送回数は年々増加傾向にあり、関東地区での2012年8月度の月間CM放送ランキングでは1位だった。平成新局を含む一部の地方局や独立UHF局の一部、スカパー! (CS) チャンネルではCMは放送されていない。また、かつては10秒や7秒半および5秒のバージョンのCMも存在した。
本社は東大阪市(大阪本社)と千代田区(東京本社)に置いているが、1990年代後半から、営業面や商品の企画・開発およびマーケティングなどの業績向上を目的として社内全般の管理業務の大半を東京に移転しており、現在は大阪本社を登記上本店として事実上の本社機能は東京本社に置かれている。なお、株主総会など重要な社内行事については、引き続き大阪本社でおこなわれている。2012年、奈良工場に機能を移転した東大阪工場跡地に新本社ビルを建設し、総務や人事、法務、資材などの部門は東大阪市内の複数のオフィスから新本社に集約されている。
これらは1社提供を含む筆頭もしくは冠協賛を行うテレビ番組(後述)のスポンサー読み上げの時に使われている(60秒提供は省略される場合あり)。
ハウス食品で発売している製品の具体的な主な種類は次の通り。製品名の●はグループ会社のハウスウェルネスフーズ扱い。
カレールゥ
レトルトカレー
(終売になった製品)
(終売になった製品)
(終売になった製品)
(終売になった製品)
(終売になった飲料系製品)
(終売になったスナック菓子製品)
(終売になった製品)
他、多数
スパイス
など
ラミネートチューブ
など
調味料
ドレッシング・タレ系
など
ハンバーグ
米飯
麻婆
その他
(終売になった製品)
他、多数
(終売になった製品)
※1979–80年頃には全商品共通のイメージCMキャラクターでハッピーおばさんが登場していた。
プリン
ゼリー
(終売になったデザート製品)
通販限定商品
東京ディズニーリゾートとスポンサー契約の影響で、ウォルト・ディズニー関連商品が主である。
(終売)
2023年(令和5年)現在。冠提供も含む。
現在
☆は筆頭提供番組。
現在
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