伊達市(だてし)は、北海道の道央地方南部に位置し、胆振総合振興局の西いぶり地域に属する市。市名は、明治時代初期に東北地方から入植した亘理伊達氏が開拓したことに由来する。
史跡、温泉があり、自然も豊かである。内浦湾(噴火湾)の北東岸に位置し、伊達市噴火湾文化研究所が設置されている。北黄金貝塚など縄文時代から人が暮らしたことを示す遺跡があり、アイヌ集落(コタン)が多く形成された。
2005年(平成17年)3月に合併特例法に基づく市町村合併で、大滝村と合併した。世は平成の大合併の時期であり、当初は隣接する壮瞥町も含む1市1町1村で合併協議会を開催していたが、2004年(平成16年)12月に解散。1市1村(伊達市・大滝村)で協議会を再開しての合併であった。そのため、市域が壮瞥町を挟んで分かれている(飛び地合併)。
旧大滝村(現・大滝区)は青森県出身の永井五郎兵衛が優徳に住み着いたことが村の始まりとなり、橋口文蔵により開拓された(1950年(昭和25年)までは徳舜瞥村(とくしゅんべつ)という名前であった)。林業、キノコ栽培、観光業が主な産業となっている。
伊達邦成が明治政府より有珠郡支配を命じられて開拓役所と支配所を設置し、宮城県より亘理伊達氏(仙台藩主伊達氏の分家)が集団移住をしてきたことが当市の礎となっている。北海道の自治体名はアイヌ語が語源となっているものが多いが、本市の市名は「伊達氏」に由来している(同名の福島県伊達市は「伊達氏」の発祥の地である)。農業、水産業、福祉関連の仕事が主な産業となっている。また、北海道唯一の藍生産地となっており、市内には藍染め工房がある。
沿岸部は内浦湾(噴火湾)に面している。旧伊達市域と旧大滝村域(大滝区)は飛び地になっており、大滝区の面積のみで旧伊達市の面積を上回る。市域の一部は支笏洞爺国立公園となっており、市域のすべてが「洞爺湖有珠山ジオパーク」(日本ジオパーク・世界ジオパーク認定)になっている。有珠山は「日本の地質百選」に選ばれている。
道内では比較的温暖な気候となっている。ケッペンの気候区分では西岸海洋性気候に属する。積雪も少なく「北の湘南」と呼ばれているが、内陸部の大滝区は「特別豪雪地帯」であり、1月の平均気温が-7.2℃と地域差が大きくなっている。
2015年国勢調査によれば、以下の集落は調査時点で人口0人の消滅集落となっている。
「伊達市の沿革」「だてのあゆみ」参照
住民による環境権訴訟としては日本国内初の伊達火力発電所建設差止請求訴訟(伊達環境権訴訟)や日本国内の市としては初のゴミ収集有料化を実施したことなどから、環境への取り組みに積極的かつ優れている市として知られている。伊達市環境基本条例に基づく伊達市環境市民会議では、公募者を全員採用した(市民参加型の地方行政モデル)。また、高齢者や障害者を積極的に受け入れて新しい福祉の考え方を模索・実践している。2005年(平成17年)、小泉内閣の推進する構造改革の一環である民間都市再生事業計画認定制度の都市再生モデルとして高齢者安心生活まちづくり(ウェルシーランド構想)が紹介された。2007年(平成19年に「地域づくり総務大臣表彰」受賞。
市民憲章
市歌・市民音頭
「伊達市議会」参照 議員定数
委員会
伊達市の産業別就業者数は平成22年国勢調査によると第一次産業の割合が10.6 %、第二次産業の割合が18.9 %、第三次産業の割合が70.5 %になっており、第一次産業の比率が比較的高くなっている。
伊達市では市内で産出される食資源を地域おこしに結びつける「伊達ウェルシーフード構想」を策定しており、農業、水産業、畜産業のみならず、加工業、小売業、飲食業の事業者や消費者である市民が一体となり、地域ブランドの確立や地産地消の推進など食に関わる取り組みを行っている。
明治初期から西洋式農法などの新しい知識や新しい作物・技術を積極的に導入したことから、北海道農業の発祥地のひとつに数えられる。この地域の農業は、稲作や畑作に観賞用の草花を栽培する花卉を加えた耕種部門と、酪農に肉牛・豚・鶏などの飼育・生産を合わせた酪農畜産部門に大きく分けることができる。 伊達地域において温暖な気候のもとで多品種の野菜を生産しており、伊達野菜として札幌都市圏などへ出荷しているほか、伊達市観光物産館で地元消費者や旅行者に販売している。北海道としては雪が少ないほか、ハウス栽培も使い、市内で生産する野菜は100種類を超える。
大滝区では山岳丘陵地の畜産とわずかな平坦地において根菜などの寒冷地作物の栽培が中心になっている。 また、近年はアロニアの栽培にも取り組んでいる。
林業は、間伐で不要になった木材(カラマツ)を原料とした「木質ペレット」の生産を行っている。
水産業は、内浦湾(噴火湾)養殖漁業の要所としてホタテガイなどの貝類を主体とした養殖業が盛んであるほか、「さけ・ますふ化場」を設置してサケの安定的な回帰を図っている。 また、北海道栽培漁業振興公社伊達事業所ではマツカワの種苗を放流している。
工業団地は「松ヶ枝地区中小企業団地」と「伊達長和工業団地」がある。
商業は、網代町や市役所通りを中心に商店街を形成しているほか、国道37号沿いを中心に路面店がある。
スーパーマーケット
観光は、伊達地域には有珠善光寺や史跡北黄金貝塚公園などの歴史探勝地があるほか、伊達市観光物産館(道の駅だて歴史の杜)は農産物など地場産品の販売や観光情報を発信する拠点になっている。大滝区は国民保養温泉地に指定されている北湯沢温泉をはじめ、ホロホロ山自然休養林や三階滝公園(三階滝)があり、変化に富んだ丘陵や森はノルディックウォーキングやクロスカントリースキーのコースになっている。
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市の中心となる駅は伊達紋別駅。
かつてはJR北海道バスが市内・近郊路線を運行しており、伊達自動車営業所があった。1996年(平成8年)に撤退し、全便を道南バスに移管した。
小型車初乗り運賃は550円。中型車初乗り運賃は570円(距離制)。
「伊達市内の指定文化財」参照
市指定
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行政
産業
観光
地域情報
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