多治見市(たじみし)は、岐阜県の東濃地方にある市。人口は岐阜県で岐阜市、大垣市、各務原市についで4番目であり、美濃焼の集散地として知られる。
7世紀始め頃から続く美濃焼の産地として知られており、市内には由緒ある窯元や陶磁器に関する美術館、資料館、ギャラリー、陶芸学校などが点在している他、機械化された工場も存在し、量産品の美濃焼が作られている。20世紀後半からは工業用セラミックデバイスの研究・生産拠点となっており、ファインセラミックスも作られている。名古屋市の中心部まで鉄道で約30分という利便性から、1980年代から1990年代前半にかけて市内各地で新興団地や分譲マンションなど住宅開発が行われたため、名古屋のベッドタウンとしても知られ、名古屋市愛岐処分場を擁するなど、岐阜県の主要都市ながら、名古屋市との結びつきが強い。名古屋市への通勤率は11.5%(令和2年国勢調査)。
2007年8月16日14時20分(JST)には日本国内の最高気温記録(当時)となる40.9℃を日本で最初に観測している。なお、埼玉県熊谷市でも同日14時42分に最高気温40.9℃を記録している。また2006年には37℃以上を記録した日数が日本で最多ということもあり、「日本一暑い町」としてPR活動を行っている。
多治見市の市の木であるシデコブシは東海三県のみに自生し、岐阜県のレッドリストで危急種の指定を受けている。
多治見市の地名を参照。
盆地に位置するため、夏・冬で気温差が激しい。特に8月の最高気温の平年値34.1°Cは日本国内の観測地点の中で最も高く、過去には最高気温の日本記録を保持した事がある。(詳細は後述)
ただし盆地であるため、1日の気温差が大きく、熱帯夜となる日は少ない。
一方、冬場においては冷たく強い北風が吹くとともに、朝は氷点下まで冷え込む日が多い。
2007年8月16日には、最高気温40.9°Cを観測した(同日、埼玉県熊谷市でも最高気温40.9°Cを観測)。これは、1933年7月25日に山形県山形市で観測した40.8°Cを74年ぶりに上回り、2013年8月12日午後1時42分に高知県四万十市江川崎で41.0°Cを観測するまでの6年間、国内の観測史上最高気温であった。
また、翌8月17日にも前日記録した40.9°Cに0.1°Cと迫る40.8°Cを記録した。原因については未だ究明されておらず、筑波大学計算科学研究センター講師である日下博幸の研究チームが2010年夏より多治見市の協力を得て調査中である。日下は、多治見市が山に囲まれた盆地であること、狭い範囲に住宅が密集していること、北からのフェーン現象による熱風、冷たい海風が入りにくいこと、緑地や水辺が少ないことという複合的な要因が交差して起こったものと仮説を立てている。
2018年には、7月18日(40.7°C)、7月23日(40.7°C)、8月2日(40.2°C)、8月6日(40.4°C)の計4日、最高気温40°C以上を観測した。最高気温40°C以上の通算観測日数8日は、日本国内の観測地点では最も多い。「日本一暑い町」としての観光誘致のために、漫画家のやなせたかしによってキャラクター「うながっぱ」が作られた。
美濃地方は美濃焼の生産が盛んであり、多治見は美濃地方における陶磁器の集積地として繁栄してきた。しかしながら、競合製品の進出や輸入品の増加によって、近年その生産を大きく落としており対策が急がれている。また、多治見は陶磁器の生産地というよりは商社の集まる集積地であるため、近隣の土岐市や瑞浪市に比べると少ないものの、いくつかの産地を擁する。美濃焼から派生して、ハイテク分野向けのセラミックデバイスの研究・生産も行われている。
※イオンモール土岐は隣の土岐市にあるが、本市との境に極めて近い。
Tajimi、Anjo、Shinshiro、Kakegawa、Iidaの5都市の頭文字から「TASKI」
市の中心となる駅:多治見駅
出典は『市勢要覧 多治見市制80周年』。
五十音順
Owlapps.net - since 2012 - Les chouettes applications du hibou