彦山駅(ひこさんえき)は、福岡県田川郡添田町大字落合にある、JR九州バスが運行を行っている日田彦山線BRT(BRTひこぼしライン)のバス停留所。
九州旅客鉄道(JR九州)日田彦山線の鉄道駅でもあるが、2017年(平成29年)に発生した九州北部豪雨の影響により、鉄道駅は休止中の扱いである。
駅舎に面した鉄道ホームの鉄道敷やプラットホームなどを撤去してバス専用道路が整備され、専用道に接してBRTのりばが設けられている。添田方面は新設された駅舎に隣接して乗降場が設けられ、日田方面は対向側に待合ブースが設けられている。三大修験道とされる英彦山の麓にある駅として、待合ブースには山伏がかぶる頭襟を木材で表現したデザインが設置されている。
当駅から宝珠山駅まではBRT専用道区間であり、当駅が専用道始端となる。添田駅から当駅までは一般道走行区間となるため、駅の北側にある専用道のゲートから駅前道路に接続し、そこから福岡県道52号八女香春線を経由して添田方面と行き来する。
また旧鉄道駅舎の跡地に、町内交流施設を兼ねる駅舎が新しく建設された。新設後は、駅および停留所設備に関しては基本的に段差がなく、バリアフリーである。
新設された駅舎は添田町が整備したもので、町では災害時の防災拠点施設と位置付けている。駅舎には備蓄品を保管する倉庫が設けられ、駅前広場は災害時の避難場所となり、駅舎に隣接して設けられた屋外ベンチは炊き出しなどに使用できる「かまどベンチ」である。
鉄道駅時代は、駅舎に接して単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線のホームを持つ地上駅で、中線(2番線)は折返し列車専用であった。
旧駅舎は木造で築80年となる大型のもので、駅の開業と同じ1942年(昭和17年)8月に建てられたもので英彦山神宮を模して赤い柱を使用するなど、英彦山への入り口駅にふさわしく優雅なつくりであると高い評価を得ていた。1984年(昭和59年)の無人化後しばらくこの駅舎はほとんど待合所として使用されるのみであったが1994年(平成6年)にある女性陶芸家がこの駅の旧事務室部分に工房と陶芸のギャラリーおよび喫茶室(翔房舎)を設け以後はこの陶芸家が乗車券の販売を受託していた(簡易委託駅)。しかし、2004年(平成16年)7月には乗車券販売の委託は解除され、無人駅扱いとなった。それ以降は簡易型の自動券売機が設置されていた。駅舎解体前に券売機は移設され、BRT開業後まもなく券売機は撤去された。
営業休止後の2021年4月に駅舎解体工事が始まり、前述の待合ブース兼駅舎に建て替え、再整備された。
平成29年7月九州北部豪雨による運休以降、代行バスは当駅駅前広場を発着していた。
なお、添田町バスも当駅前を発着する路線が以前よりあるが、日田彦山線BRTの開業と共に、添田町役場・添田駅付近から当駅までの町バス運行は重複するため廃止され、町バス彦山線は彦山駅 - 英彦山方面(豊前坊)間の運行となった。新設された駅舎の手前の広場側にある乗降場から発着する。
旧鉄道駅舎および新設の駅舎に隣接して、町施設としての休憩所があり、展示物が置かれている。この休憩所は駅舎の新改築以前から存在する。
駅周辺は、駅の西側を遠賀川水系の支流彦山川が流れている。道路を挟んだ反対側には現在も川魚料理を中心とした飲食店が数軒あるが、往時の宿場としての賑わいは、前述の休憩所に展示された写真で確認することができる。
※BRT開業前の列車代行バスでは、筑前岩屋駅との間は国道500号・国道211号へ迂回し、停車場所として「小石原庁舎前」・「宝珠山庁舎前」が設けられていた。
弓削信夫『福岡県JR全駅』葦書房、1993年10月15日、204-205頁。ISBN 4751205293。
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