『キカイダー01』(キカイダーゼロワン)は、『人造人間キカイダー』の続編として放送された、石森章太郎原作の特撮テレビ番組、または、その主人公が変身するヒーローの名前。1973年5月12日から1974年3月30日までNETテレビ(現:テレビ朝日)系で、毎週土曜日20:00 - 20:30に全46話が放送された。
漫画版『人造人間キカイダー』の01登場後とはキャラクターの設定などが異なる。
2001年にOVA『キカイダー01 THE ANIMATION』が作られているが、これは漫画版『人造人間キカイダー』の後半部分をアニメ化した作品。
NETテレビは、1972年(昭和47年)に当時土曜夜20時台からの1時間枠で、視聴率トップを占め「お化け番組」と呼ばれた『8時だョ!全員集合』に対抗し、同時間枠にアニメ番組との組み合わせで「変身大会」と銘打ったプログラムを企画して『人造人間キカイダー』を放映していた。この「変身大会」は予想以上のヒット企画となり、後半のアニメ番組と併せて『8時だョ!全員集合』によく対抗してみせた。こうして、『キカイダー』の続編の製作は1973年の年明け早々に決定されることとなった。内容は前作の続編として、キカイダー / ジローも引き続き登場することになった。ネーミングは難航したが、最終的に『キカイダー01』と『01キカイダー』の2つの案が残り、『キカイダー01』に決められた。主人公イチローのキャラクター性は、前作でジローのメンタル性が不評であったことから、従来のヒーロー像的な頼れる兄と設定され、気迫で押し切る作風が目指された。企画書は1冊のみで、内容もシャドウ登場編まで実際の作品との差異は少なく、企画は円滑に進んだとされる。
しかし、『キカイダー』の撮影は遅れ気味で、その後番組である『01』のスケジュールも余裕のあるものではなかった。夜20時台のスポンサー料の高騰によって番組のスポンサーがつかず、制作予算も不足しており、新番組の態勢は充分なものではなかった。スタッフは、新番組の敵キャラクターとして『キカイダー』で人気を得たハカイダーを再登場させることにより、スケジュールや予算の問題の解決を図ったが、決定的な解決には至らなかった。ロボットの着ぐるみは、『キカイダー』で使われたものの改造・流用が多く、ロボットの空中爆発など一部の映像は『キカイダー』からの流用だった。第35話以降はゲストロボットの衣装の簡素化が顕著になり、シャドウロボットのデザイナーとして途中参加した米谷佳晃は自身がデザインした第33話のビッグゴリラとミニゴリラの2体が新規造形の着ぐるみとなったことで予算超過をもたらしたのではないかと推測している。
3月に開始された撮影に予算不足などの問題点こそあったものの、ドラマは初期の伏線である最終兵器争奪戦の解決や敵組織の交代など、順調に進展した。しかし、ジロー役の伴大介が『イナズマン』の主役に決定したため、第2クール後半から本作品への出演が難しくなった。そのため、第30話より01のパートナーとして、女性型の人造人間ビジンダーが登場した。ビジンダーの人間態であるマリ役には、当時JACに所属していた高校生の志穂美悦子が、千葉真一による強力な推薦もあって配役された。
東映プロデューサーの吉川進やメインライターの長坂秀佳は、次第にイチローのヒーロー性に疑問を感じるようになり、多岐多彩で人間的な厚みを持つハカイダーやビジンダー、ワルダーらに意識が向いていき、後半はこれらを中心としたストーリー展開となった。吉川は特にビジンダーに力を入れていたといい、終盤は実質的にビジンダーが主役になっていたと述懐している。
こうして様々なハプニングがあったものの、前作『キカイダー』の「勧善懲悪のヒーロー作品としての基本線を保ちつつ、原作の特色を生かした重厚なドラマを展開する」というメインライターの長坂のストーリーラインをさらに発展させた後半の重厚なドラマ展開が幅広い層に受け、作品そのものの人気は高くなって大団円を迎えた。
次回作も考えられていたが、「変身大会」という番組枠自体がなくなってしまったため、キカイダーシリーズは終了した。
なお、第35話ではパン屋の店員役として歌手の小林幸子が「小林さち子」名義で出演している。また、ハワイでは前作の人気を受けてKIKUで放送されたが、初放送時は人気が出ずに打ち切られた。
2022年3月9日、毎週水曜17:00より東映チャンネルの『石ノ森章太郎劇場』枠で2話ずつ再放送されている。同局では過去にも繰り返し再放送されている。
光明寺博士が開発した正義のアンドロイド「キカイダー」がダークを壊滅させてから3年。プロフェッサーギルとダーク最高の科学者の脳を移植して蘇ったハカイダーが、ハカイダー部隊を結成して世界征服に乗り出した。そして、その目的実現のために謎の少年アキラが持つ秘密を手に入れようとアキラを執拗に狙う。だが、仁王像に封印されていたキカイダー01の回路が悪の活動を感知し、長い眠りから復活した。ここに01とキカイダー対ハカイダー部隊の戦いが始まった。
詳しくは「人造人間キカイダー#登場キャラクター」を参照。
ダーク壊滅から3年後に現れたサイボーグロボット軍団。4体のハカイダーで構成されている。手下にはダークのアンドロイドマンを思わせるアンドロボットがいる。「ハイル・ハカイダー!」という宣誓を合言葉とし、世界征服に必要なジャイアントデビルの設計図を手に入れ完成させようとする。「ハカイダー四段攻撃」という連携技(第2話)で01を追い詰めるも、キカイダー兄弟の奮戦によって第10話で壊滅する。
ハカイダー部隊編末期より暗躍していた謎の組織。その正体は謎の怪人ビッグシャドウが率いるアンドロイドの犯罪組織。世界征服を目論んでおり、目的達成のためには手段を選ばない。シャドウ殺人部隊と呼ばれるロボット軍団を主戦力としている。月面基地まで持ち、ダーク、ハカイダー部隊をはるかに凌ぐ巨大組織である。
※ナレーター以外は全てノンクレジット
前作『人造人間キカイダー』に引き続き、渡辺宙明が歌・BGMの作曲・編曲を担当した。主題歌の歌唱には、前作のオープニングのカヴァー版を歌った子門真人が採用された。本作品のために作られた挿入歌は存在しないが、前作のLPレコードの発売が番組終了に間に合わなかったため、前作のために作られた挿入歌が本作品名義のLPやコンパクト盤に収録され、その一部は本作品でも実際に使用された(「人造人間キカイダー#音楽」も参照)。
BGMにも前作からの流用があった。例えば、次回予告のBGMは第1話を除き、前作のエンディングテーマ「戦え!! 人造人間キカイダー」のカラオケが引き続き使用された。また、ハカイダー四人衆の登場場面では前作のダーク基地のBGMが使用された。
オープニング・エンディングの映像は新キャラクターが参入する度に部分的に変更された。
本作品のBGMが初めて商品化されたのは1980年で、日本コロムビアの「TVオリジナルBGMコレクション」シリーズの「人造人間キカイダー/キカイダー01」(CQ-7039)として、前作の分と併せて1枚のLPという形で発売された。同LPは後年、「ANIMEX 1200」シリーズでCD復刻された。
※挿入歌は全て前作『人造人間キカイダー』からの流用。
1973年9月1日は「ダブル世界タイトルマッチ」放送のため休止。
ハワイ版を除き、すべて東映ビデオより発売。
『別冊少年サンデー』『テレビランド』や小学館の学年別学習雑誌などで連載。
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