マリオ(英: Mario)は、任天堂が開発・発売しているコンピューターゲーム「マリオシリーズ」に登場する架空の人物で、同社の登録商標(第2343144号ほか)。
1981年(昭和56年)7月9日に稼動を開始したアーケードゲーム『ドンキーコング』で初登場して以来、非常に多くのゲームソフトに登場している。また、任天堂の看板キャラクターとして、任天堂公式ホームページのアイコンなどのデザインに採用されている。
マリオが主役として登場する「マリオシリーズ」の累計販売本数は、代表的なアクションゲームシリーズ「スーパーマリオシリーズ」のみで全世界4億1300万本以上(2022年3月末時点)に達している。この記録はゲーム業界全体で世界1位であり、他社が版権を有するものを含め、過去数十年間のゲーム産業で誕生したフランチャイズにおいてこの記録を上回るものは存在していない。
マリオは世界的に広く知られている。1990年にアメリカで実施されたQスコア(全米子供人気調査)ではミッキーマウスを上回る票を獲得し、2008年のニューヨーク・タイムズの社説では「宮本が約30年前に生み出した口髭を生やしたイタリア人配管工であるマリオはいくつかの調査によればこの星で最もよく認知された架空のキャラクターだ。匹敵するのはミッキーマウスだけだ」(訳文)との記述がある。また、2011年版のギネス世界記録では「ゲーム史上、世界で最も知られているゲームキャラクター」として掲載されている。
エンターブレインが企画する『ファミ通アワード』では2006年度・2007年度の2年連続で「ゲームキャラクター・オブ・ザ・イヤー」を獲得、以降は「殿堂入り」として投票対象外になっている。
赤い帽子と紺色のオーバーオールを着用し、鼻の下に口髭を生やしている。こうしたデザインは、16x16のドットでキャラクターを表現するという『ドンキーコング』当時の制約の中で視認性を重視した結果生まれたものである。宮本茂による初期作品のデザインではシャツが青色でオーバーオールが赤色となっていたが、小田部羊一が後にデザインした『スーパーマリオブラザーズ3』以降(日本国外では『Super Mario Bros. 2』、日本国内における『スーパーマリオUSA』)以降)は初期とは逆にシャツが赤色でオーバーオールが青色の配色となり、現行のデザインでも後者の配色が主に用いられている。また、作品の内容や場面によっては普段のそれとは違う服装を身につけていることもある。任天堂の採用情報ページではスーツ姿のマリオが出ている。
「等身大マリオ」フィギュアによれば、身長は155cm。また、体重は明らかにされておらず、『スーパーマリオサンシャイン』のポンプの情報によれば「秘密」とされている。
初登場した当時は正式な名前が決まっておらず、「ジャンプマン」「救助マン」「ミスター・ビデオゲーム」といった通称で呼ばれていた。なお「ミスター・ビデオゲーム」の名称は、現在でも、メディアがマリオシリーズの功績を示す際に用いることがある。
1982年稼働開始のアーケードゲーム『ドンキーコングJR.』に登場した際に初めて「マリオ (Mario)」という個人名が与えられ、その後の作品にもこの名前が反映された。命名したのは任天堂の米国法人Nintendo of America(NOA)が当時借りていたNOAの拠点である倉庫の大家であるイタリア系アメリカ人、マリオ・セガールが偶然にもこのキャラクターに似ていたことが由来であるといわれている。倉庫の家賃を滞納していたNOAの社員がセガールの賃料滞納に対する口煩さを揶揄して、当時売れ始めていた『ドンキーコング』に登場する当時無名の主人公(後のマリオ)と偶然、似ていた特徴を持っていたセガールのファーストネームであるマリオをあだ名として付けたという。
実写映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』におけるフルネームは「マリオ・マリオ」で、NOA関係者の一人が「マリオブラザーズ(マリオ兄弟)」というゲームタイトルから便宜上「マリオ・マリオ」と名付けた。また、2015年9月に開催されたイベント「スーパーマリオ30祭」の壇上では宮本茂は「本当のマリオの名前はマリオ・マリオなんです」と発言していたが、後に任天堂の広報担当者は「映画ではマリオ・マリオという名前だったようですが、宮本にも確認したところ、やはり『マリオ』が正式名称で、マリオ・マリオではありません」と答えている。
年齢は正式に決められていないが、宮本茂によれば24 - 25歳をイメージしているとのこと(『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズでは26歳前後と記述)。
性格は基本的には勇敢で陽気な性格をしており、『いただきストリート』シリーズなどマリオ自身がセリフを発する作品でもそのように描かれることが多い。敵対しているクッパにも作品によっては気遣ったりする。しかしこの性格は一貫している訳ではなく、自身が人気者であることを自覚しており、それをひけらかして優越的な言動を取るなど作品によっては腹黒とも取れる一面もある。
好きな食べ物は『スーパーマリオサンシャイン』のポンプの情報によれば「スパゲッティ」、嫌いなものは「毒キノコ」(映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』だとキノコ全般嫌いだった)と記載されている。リゾートホテルに宿泊した際は「ピザ」を注文していた。
普段の長袖オーバーオール姿の他、半袖シャツ、作業服や新郎衣装など様々な服を所持しており、旅行の際は替えの服以外に自前のスリッパを持って行っている。
弟であるルイージには基本的に明るく接しているが、少々ぞんざいに扱う面が垣間見え、『マリオテニスGC』では、ルイージが表彰台に立った際に、彼を妬んで祝福の言葉をかけると同時に足を踏みつけていた。このため、時折ルイージから仕返しされたりしている。
仲良しのピーチから頬にキスされたり自宅に彼女の肖像画も飾っているが、好きな人は秘密となっている。染色体の数も不明とされている。
宮本によれば出自は最初期にはブルックリン区に住まうイタリア系の移民という裏設定が存在していたが現在は出自不明となっている。ゲーム内では出自に関する設定は一切出てこないがイタリア系移民としてのキャラ付けがされており、独特の訛りのあるアメリカ英語や「mamma mia(マンマミーア、「なんてことだ」の意)」などのイタリア語を発している。これは宮本がイタリアの芸術家が好きであることからこのような設定になったという。
双子の弟「ルイージ」がいる。『マリオストーリー』などではマリオと同居しており、マリオが冒険に出ている間、留守番を担当している。
マリオの赤ん坊時代を描いた『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』、『ヨッシーアイランドDS』、『ヨッシー New アイランド』では両親が登場しているが、シルエットと手足が映るのみで詳細は不明である。『スーパーマリオサンシャイン』のポンプの情報によると、マリオ本人も両親の名前は知らないとされている。ただしイタリア系移民の出自設定を起用している『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』では、マリオとその家族の食卓風景が描かれている。
冒険家をはじめ、大工やビルの解体屋(『レッキングクルー』)、テニスやボクシングの審判員(『テニス』『パンチアウト!!』)、医者(『ドクターマリオ』シリーズ)、CM展開も行っている玩具製造会社「マリオ・トイ・カンパニー」の社長(『マリオvs.ドンキーコング』シリーズ)などの仕事についている。『スーパーマリオランド2 6つの金貨』では自分の島や城を所有している様子。こうした多様な経歴から、アメリカの経済誌『フォーブス』が企画する「フィクション版世界長者番付」(各フィクションのキャラクターが現代社会に実在すると仮定して、どれくらいの富を築いているかを推測したもの)では「10億ドルの総資産を持つ男」と紹介されている。
マリオシリーズ公式サイト「マリオポータル」では、2017年時点において「実は昔、「配管工」のお仕事もしていたこともあるらしい」と記載されていたが、2018年時点では「職業は配管工」と明記されている。2002年に発売された『スーパーマリオサンシャイン』のポンプの情報では、「職業 配管工」とされていた。実写映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』とアニメ映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』ではブルックリン区在住の配管工として登場している。
弟のルイージなどマリオの仲間たちも同等の変身能力を使える作品もあり、その場合は一部の例外を除いて「ファイアマリオ」→「ファイアルイージ」のようにマリオの部分を各キャラクターの名称へそのまま置き換えた呼称になる。
対応ソフトについては、amiiboの公式サイトを参照。
このほか、日本国外では「Mario - Silver Edition (Super Mario series)」が発売された。
『マリオブラザーズスペシャル』と『パンチボールマリオブラザーズ』はアーケードゲーム版を基にステージやルールが変更された作品である。発売はハドソン。
映画
OVA
バンダイナムコエンターテインメント(旧・バンダイナムコゲームス)
スクウェア・エニックス
セガゲームス
ガンホー・オンライン・エンターテイメント
ユービーアイソフト
1996年発売のゲーム『スーパーマリオ64』よりチャールズ・マーティネーによる声が付いた(任天堂発売ではないソフトとしては、1995年に北米でのみ発売されたMS-DOS向けのゲーム『Mario's Game Gallery』で声を当てている)。
チャールズはマリオの専任声優として長年活動していたが、2022年をもって降板。2023年発売のゲーム『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』以降からは新たな声優としてケビン・アフガニが起用される。なお、チャールズは降板後も親善大使となり、ファンとの交流活動などを行っていく。
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