錦鯉(にしきごい)は、ソニー・ミュージックアーティスツ(SMA NEET Project)及び漫才協会に所属する長谷川雅紀と渡辺隆からなる日本のお笑いコンビ。2012年結成。M-1グランプリ2021王者。
元々、錦鯉の二人は吉本興業に所属しており(長谷川は札幌吉本、渡辺は東京吉本)、お互いに違うコンビを組んでいた。その後コンビを解散して吉本を離れ、2人ともピン芸人として活動し、同じSMA NEET Projectに所属していた長谷川と渡辺によって2012年4月1日にコンビを結成。元々2人は仲間と一緒に飲むなどの間柄で、コンビを組もうと誘ったのは渡辺の方からだった。長谷川は前のコンビを解散してからは引退を考えていたが、自分より7歳年下の渡辺からの誘いに感激して快諾した。
芸人を目指すきっかけとなったのは、長谷川が海砂利水魚(現・くりぃむしちゅー)で、渡辺がダウンタウンである。
2016年のM-1グランプリでは、初めて準決勝に進出。その後、2年間は準々決勝敗退に終わったが、2019年には再び準決勝に進出している。翌年の2020年には念願の決勝進出を果たし、10組中4位の成績を残す。これをきっかけにテレビ出演が急増したが、2人ともアルバイト先に籍は残したままだった。
特に長谷川の天然キャラクターと年齢と芸歴に裏打ちされた自虐エピソードが、『チャンスの時間』(Abema TV)や『爆笑問題&霜降り明星のシンパイ賞!!』(テレビ朝日)でも注目された。
2021年1月4日、ナイツがパーソナリティを務める『ナイツ ザ・ラジオショー』(ニッポン放送)の生放送中、2人とも興味を示していた漫才協会入りがあっさり決まった。正式には、漫才協会会長でもある青空球児(青空球児・好児)に連絡し決定すると塙宣之(ナイツ)が語った。同月、錦鯉が完熟フレッシュ(ワタナベエンターテインメント所属)と共に漫才協会へ正式入会したと伝えられた。
2021年1月の取材時、錦鯉の事務所の先輩でもあるハリウッドザコシショウから色々アドバイスしてもらったり、イベントなどに呼んでもらったりしてありがたかったと答えている。
2021年にニホンモニターが調査・発表した「2021ブレイクタレント」では、175本増(33本→208本)で6位にランクインし、M-1決勝後のブレイクが数字として証明された。以降も、民放キー局を中心に各局のゴールデン番組や看板番組に数多く出演している。
2021年9月4日、コンビ結成初の冠番組「錦鯉が行く! 絶景富良野ゆめツアー」がHTB(北海道ローカル)で放送された。
2021年12月2日、M-1グランプリで2年連続の決勝進出を果たし、長谷川は史上初の50代のファイナリストとなる。12月19日に行われた決勝戦にて、ファーストラウンドでは655点を獲得してオズワルドに次ぐ2位タイで最終決戦に進出し、5票を獲得して優勝を成し遂げた。長谷川はM-1史上最年長王者、渡辺はNSC東京校出身では2015年のトレンディエンジェル以来、6年ぶりの王者となり、非吉本所属のお笑いコンビとしても2007年のサンドウィッチマン(当時フラットファイヴ所属)以来、実に10大会・14年ぶりの快挙であった。渡辺は「たかし」の名を持つ5人目の王者となった。かねてより、長谷川は「僕は(結成15年を迎える)ラストイヤーが56歳」と発言していたが、結果的には結成10年目での優勝を果たした。
M-1優勝がきっかけとなり、2022年ではテレビ番組への出演数がさらに倍増(214本→403本)し、ニホンモニターが調査・発表した「2022ブレイクタレント」において第2位にランクインした。
主に漫才。長谷川がなりたい夢や仕事を語り、そのシミュレーションを行う。突き抜けた“バカ”な長谷川のボケに対し、渡辺が冷静にいなすツッコミを入れるのが特徴。互いの名前をネタ中も含み、下の名前で呼ぶ(渡辺から長谷川へは年上なこともあり「雅紀さん」とさん付けだが、時折「お前」、「テメェ」呼ばわりすることがある)。
結成当初は長谷川のキャラクターを隠してやっていたが、あまりウケの良くないことが多くザコシショウから「もっとバカキャラにした方がいい」と助言を受け、ある日のライブで素の長谷川を出してみるとバカウケして以降はこのキャラを前面に出して行っている。長谷川は「(渡辺が)ネタにツッコんでいたのが、自分のキャラにツッコむようになった」と話している。ツカミとして長谷川が「こ~んに〜ちは~!!」と大声で挨拶するが、これもザコシショウの「バカを前面に押し出せ」などの助言を受けて最初からバカキャラを押し出すために始めたものである。
漫才の初めに長谷川が「こ〜んに〜ちは〜!!」と大声で挨拶し、渡辺がそれに「うるせぇな」「こんばんはだよ」などとツッコむ。その後長谷川がバカなセリフを喋って渡辺がさらにツッコみ、改めて挨拶をする。漫才の終わりには渡辺が「どうも、ありがとうございました」と言ってお互い深々と挨拶をしてシメる(ネタによっては長谷川が最後までボケ続けたまま、渡辺だけが挨拶をしてシメることもある)。
定番のサゲとして長谷川が「わかってたよ、俺が○○(その日のネタのテーマ)やれないなんて……」と独白するくだりがある。ネタ時間の短いM-1グランプリでは省略していたが、優勝後はたびたび復活させるようになっている。
ネタ作りは2人で行っているが、長谷川が1人でふざけている所を渡辺がフリーでツッコんでいくという台本のないアドリブ漫才を基本軸としている。そのためネタ合わせはあまりせず、練習は長谷川が流れやタイミングを覚えるため1人でしていることが多い。かつては台本を書いていたが、その後はキーワードを箇条書きにしているものが台本代わりになっているという。渡辺から長谷川へむちゃぶりな質問を投げかけ、その返しが面白かったら採用という方法をとっている。渡辺はこれを長谷川の面白さを信頼してるが故と称し、渡辺は舞台を重ねてベストなツッコミフレーズを追求しているという。
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