『探偵はBARにいる』(たんていはバーにいる)は、日本の探偵映画のシリーズ。主演は大泉洋。東直己の推理小説シリーズ『ススキノ探偵シリーズ』を原作とする。
第1作『探偵はBARにいる』が2011年、第2作『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』(たんていはバーにいるツー ススキノだいこうさてん)が2013年、第3作『探偵はBARにいる3』が2017年に公開された。第3作以外はPG12作品になっている。
アジア最北の歓楽街北海道札幌市「すすきの」のバー「ケラーオオハタ」に入り浸る、大泉洋が演じる私立探偵と、松田龍平が演じるその助手・高田が、ある事件に巻き込まれながらもその真相を追っていく、ハードボイルドもの。シリーズタイトルにもなった第1作タイトルは、『ススキノ探偵シリーズ』の第1作『探偵はバーにいる』からとられているが、この小説第1作自体は映画化されていない。監督の橋本一(第2作まで)を始めとして、脚本の古沢良太、脚本・プロデューサーの須藤泰司、音楽の池頼広と、東映・テレビ朝日製作のテレビドラマシリーズ『相棒』の主要なスタッフが参加している。
第1作は丸の内TOEI1他全国251スクリーンで公開され、2011年9月10、11日の初日2日間で興収1億7,021万6,900円、動員12万8,800人を記録し、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場1位となった。特に北海道エリアの盛り上がりが大きく、道内の一部劇場では首都圏主要劇場を上回る集客数となった。このヒットを受け、続編の製作がただちに決定している。
第24回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞を受賞し、第35回日本アカデミー賞では7部門にノミネートされた。
2013年5月12日には、第2作の公開に合わせてテレビ放送されている。
根城とするススキノのバー「ケラーオオハタ」に電話してきた「コンドウキョウコ」を名乗る女性の依頼で、弁護士である南を揺さぶった探偵は、帰り道「どう見てもその筋の方々」に拉致され、雪原に生き埋めにされる。辛くも脱出した探偵は、このままでは済まさないと、調査を開始する。依頼は、2年前の札幌の再開発計画絡みの放火殺人事件とその実行犯の変死、1年前の実業家、霧島敏夫の暴行殺人事件に関連すると思われたが、放火されたビルから遺体で発見されたのが「コンドウキョウコ」であったと知り、困惑する。捜査中、探偵はクラブオーナーの沙織と出会う。彼女は殺された霧島の元妻であった。
その後の捜査で放火ビルは札幌の新興暴力団「花岡組」が地上げを掛けていたことが判明し、その新聞の記事には事件から約4日後に死体で発見された田口晃が主犯だということも判明した。翌日、探偵は死んだ田口晃の両親の元を訪ねた。田口の家庭は既に崩壊しており父親は鉱山事業が閉鎖して以来ろくに働きもせず、母親の僅かな収入源のみで家計はいつも火の車であり、息子の晃はそんな父を見かねて不良の道でもある花岡組へ進んで行ったのだ。
そして探偵は花岡組のファーム「則天道場」へと足を踏み入れる。だが早々に花岡組と乱闘になり、拷問を受けていた道場の塾生を救出し難を逃れる。その後、探偵は罪を認めるよう塾生を警察に引き渡した。だが探偵はなぜ花岡組は放火ビルに地上げをかけたのか。そして霧島は誰に殺されたのか。その二つの疑問だけが残った。後日、再びコンドウキョウコから連絡が入り今度はカトウという男を呼び出して欲しいと依頼される。コンドウキョウコ曰くカトウという男が事件の鍵を握る人物であり、探偵はカトウの関連人物と連絡をとりカトウに会いに来るよう頼む。翌日、探偵は待ち合わせ場所に向かうとそこに現れたのは探偵を生き埋めにした奴らであり同時に花岡組の連中が向かって来た。コンドウキョウコが言っていたカトウという男は探偵を生き埋めにした、花岡組の若頭だったのだ。危機を感じた探偵はすぐにその場を後にし、これまでの状況を整理し始める。
『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』(たんていはバーにいるツー ススキノだいこうさてん)は、2013年5月11日公開のシリーズ第2作である。原作は『ススキノ探偵シリーズ』第5作『探偵はひとりぼっち』。
日本では丸の内TOEI1他全国305スクリーンで公開され、前売り券の販売実績は前作対比170.9パーセントとなっており、公開初週の週末国内興行動員ランキング(興行通信社調べ)では初登場2位、土日2日間で動員11万7,032人、興収1億5,466万6,600円を記録した。公開5週目時点のランキングでは8位で、累計動員数66万121人、累計興収8億1,757万4,900円となった。最終興収は8.9億円。
探偵の友達であるマサコがマジックの全国大会で優勝の2日後死体で発見される。探偵が調査をしていくうちに、マサコは野党の大物二世議員である、橡脇孝一郎と会っていることが解るも、橡脇を支持する有志や橡脇に恩を売ろうとする「花岡組」などに探偵は命を狙われるようになる。そんな中、河島弓子もマサコの死因を探るため札幌入りしており、探偵は弓子を依頼者として契約し、追っ手を避けながら事件の真相に近づいていく。橡脇と対峙し、元恋人であるマサコと再会したという言質は取るも、マサコ殺しの犯人はわからずじまいに終わりかかるが、泥酔した「学生」が犯行を告白、一気に酔いが覚めて逃走するも直後に交通事故死する。マサコの実妹だった弓子は橡脇を仇と誤認し、彼を刺殺しようとするが、既の所で探偵に止められた。
『探偵はBARにいる3』(たんていはバーにいるスリー)は、2017年12月1日公開のシリーズ第3作である。監督は吉田照幸に交替している。『ススキノ探偵シリーズ』を基にした映画オリジナルストーリーであるが、小説第1作『探偵はバーにいる』から一部設定を引用している。前作まではPG12であったが、本作はG指定になっている。
第2作の公開中に第3作制作が決定していたが、4年後の2017年に撮影に向け本格始動し、2月1日に製作会見が行われ、2月12日にクランクインとなった。
キャッチコピーは「命を燃やすものは、あるか?」。
発売元は東映 / 東映ビデオ、販売元はアミューズソフトエンタテインメント。
2012年2月10日発売。
2013年11月1日発売。
2018年6月13日発売。
藤井明美により漫画化され、第1作が集英社『YOU』2011年18号および19号、第2作が『YOU』2013年5月号および6月号に掲載された。2013年5月15日に単行本化された。
映画オリジナルのストーリーである『探偵はBARにいる3』が、森晶麿によってノベライズされ、原作の『ススキノ探偵シリーズ』と同じ早川書房から刊行されている。
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