「マイ・ガール」(My Girl)は、アメリカ合衆国のR&Bグループ、テンプテーションズが1964年に発表した楽曲である。テンプテーションズと同じくモータウンに所属していたミラクルズのメンバー、スモーキー・ロビンソンとロナルド・ホワイトが書き下ろした曲である。シングルとしてリリースされた後、1965年発表のアルバム『テンプテーションズ・シング・スモーキー』にも収録された。テンプテーションのみならずモータウンを代表する曲として知られ、『タイム』誌の企画「Top 10 Motown Performances」で選出された曲の一つとなった。
スモーキー・ロビンソンとロナルド・ホワイトは、ミラクルズがニューヨークのアポロ・シアターで公演を行っていた頃に「マイ・ガール」を作り、その後デトロイトでレコーディングが行われた。歌詞はロビンソンの妻クローデットにインスパイアされた内容である。イントロのギター・フレーズは、当時モータウンの専属バンドであったファンク・ブラザーズのロバート・ホワイトが作った。ベース・ラインはジェームス・ジェマーソンの発想によるものである。
それまでのテンプテーションズでは、主にエディ・ケンドリックスとポール・ウィリアムスがリード・ボーカルを担当していたが、この曲ではデヴィッド・ラフィンがリード・ボーカルを担当し、以後ラフィンは多くの曲でリードを取るようになった。なお、作者の一人ロビンソンは2006年のインタビューにおいて、元々ラフィンの声を念頭に置いて作ったと語っている。
作詞・作曲者のロビンソンとホワイトは、後にスモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズ名義のアルバム『Time Out for Smokey Robinson & the Miracles』(1969年)において、この曲をセルフ・カヴァーしている。
リリースの翌年の1965年、アメリカのBillboard Hot 100とR&Bシングル・チャートの両方で、テンプテーションズにとって初の1位獲得作品となった。更に、テンプテーションズのシングルとしては初の全英シングルチャート入りも果たし、1965年3月18日付のシングルチャートで43位を記録した。
また、1991年公開の映画『マイ・ガール』で使用され、同年エピック・レコードよりスライ&ザ・ファミリー・ストーン、ジェームズ・ニュートン・ハワードとのスプリットCDシングルもリリースされて、1992年には『ビルボード』のアダルト・コンテンポラリー・チャートで27位、全英シングルチャートでは2位というリバイバル・ヒットを記録した。
ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2021年版)では43位にランク・イン。
テンプテーションズの歌唱による「マイ・ガール」は、前述した映画『マイ・ガール』及びその続編『マイ・ガール2』以外にも多数の映画のサウンドトラックで使用された。例として『再会の時』(1983年公開)、『マネキン』(1987年公開)、『7月4日に生まれて』(1989年公開)、『愛がこわれるとき』(1991年公開)、『ハリウッド的殺人事件』(2003年公開)、『ミュンヘン』(2005年公開)、『ゲーム・プラン』(2007年公開)アメリカドラマの『フルハウス』等がある。
アメリカ合衆国のR&Bシンガー、オーティス・レディングは、1965年9月に発表されたアルバム『オーティス・ブルー』に「マイ・ガール」のカヴァーを収録した。イギリスではシングルとしてもリリースされ、レディングにとって初の全英シングルチャート入りを果たして最高11位に達し、イギリス進出を成功させた。
この曲はレディングのライヴでも歌唱され、ライヴ・アルバム『ヨーロッパのオーティス・レディング』(1967年)には1967年3月の音源が収録されている。
加藤ミリヤが、「My Girl feat.COLOR」の曲名で2007年5月30日にシングルとして発売した。コーラスにCOLOR(現DEEP)を迎えている。フジテレビ系ドラマ『花嫁とパパ』のエンディング・テーマとして使用された。
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