スーパー戦隊シリーズ(スーパーせんたいシリーズ)は、秘密戦隊ゴレンジャーから始まる日本の特撮テレビドラマシリーズ。ウルトラシリーズ・仮面ライダーシリーズとともに、およそ48年にわたって放映されている長寿シリーズである。世界80か国で放映。
東映が制作し、テレビ朝日系列にて放送されている主に子供向けの特撮テレビドラマシリーズである。
シリーズに含まれる作品の範囲については、制作時期・代理店や原作者の違いなどから、当初は『バトルフィーバーJ』(1979年 - 1980年)を起点としてカウントされていたが、後にはそれ以前に制作された『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975年 - 1977年)と『ジャッカー電撃隊』(1977年、両作品とも石ノ森章太郎原作)もこれに含める形が定着した(後述)。本項目では『ゴレンジャー』をシリーズ第1作目とする認識に即して解説する。
第1作秘密戦隊ゴレンジャーは、5人の男女がチームを組み、色分けされたマスクとスーツで武装して怪人と戦うストーリーであった。ゴレンジャーの成功を受け同一コンセプトに基づいた番組が制作された。
バトルフィーバーJからは「巨大ロボット」という要素を取り入れ、電子戦隊デンジマンでは「○○戦隊」という呼称や変身にアイテムを使用することなど以降続いていく戦隊シリーズの多くの基本スタイルが確立し、さらに長期的な人気シリーズとなっている。
本シリーズの開始以前、1971年に開始されて大人気を誇った「昭和仮面ライダーシリーズ」の新番組の案として、「最初から5人の仮面ライダーを一度に登場させる」というものがあったが、当時の昭和仮面ライダーシリーズ制作局であった在阪準キー局・毎日放送の映画部部長・庄野至が「ヒーローは一人のもの」として強く反対したため、実現しなかった。「スターの競演はそのときこそ盛り上がるものの、終わってしまえば消沈してしまい、それを防ごうとしてオールスター作品を乱発したことが東映時代劇作品の衰退を早めた」とも言われていたからである。
転機となったのは、1975年4月のネットチェンジである。当時のNET(現:テレビ朝日)における準キー局が毎日放送から朝日放送(現・朝日放送テレビ)に変更され、それに伴って毎日放送のキー局がTBSに移行したことにより、NET側は「昭和仮面ライダーシリーズ」の放送権を失う事態となり、急遽これに代わる新しい番組を立ち上げる必要に迫られた。その際、一度はお蔵入りになっていた「5人の仮面ライダー」のアイデアをもとに、5人チームのヒーロー番組『秘密戦隊ゴレンジャー』が制作された。常に5人で登場するヒーローは、東映の平山亨が「あの作り方は僕の秘術」と自慢げに語るほど画期的なアイディアであった。また、この5という人数には歌舞伎の名作『白波五人男』の影響や、東映内の「3人は少なく、4人は縁起が悪い。7人は多すぎる」という意見も寄与している。
ヒーローがチームで戦う番組は科学忍者隊ガッチャマンなど過去に例はあるが、『ゴレンジャー』では変身後の姿をそれぞれに色分けしたスーツとし、チーム名の名乗りポーズや必殺技など、動きをシンクロさせつつ戦うスタイルとした。これらは広く児童層に受け入れられて視聴率が常時20%を超える大人気番組となり、放送期間も2年に及ぶ大ヒット作となった。しかし、次作『ジャッカー電撃隊』(1977年)は前作ほどの人気は得られずに放送開始9か月で打ち切りになったため、シリーズ化の試みはいったん挫折する。
翌1978年、東映はマーベル・コミックグループと提携し、マーベルの看板作品の1つ『スパイダーマン』を原作にした『スパイダーマン(東映版)』を制作(東京12チャンネル〈現:テレビ東京〉にて放送)する。東映側が独自に取り入れた「等身大ヒーローが巨大ロボットの操縦をも行う」という画期的アイデアは好評を呼び、巨大ロボ「レオパルドン」の玩具も商業的に大きな成功をもたらした。
『バトルフィーバーJ』(1979年)は、『ゴレンジャー』『ジャッカー』の「集団ヒーロー」の要素と、『スパイダーマン』の「巨大ロボ」の要素の両方の要素を取り入れた作品として制作されテレビ朝日系列で放送された。同作は成功し、以降は幾度かの放送時間の変更を経つつも、今日に至るまで一度の中断もないまま、毎年1作のペースで新作が制作され続けている。
本節における通算回数は、特記のない限りレギュラー枠で放送された特別編も含む。
話数表記は作品によって異なるが、以下では「第○(話数)話」の表記で統一する(最終回は「最終話」と表記)。また、通算放送回数は「通算第○○(通算回数)回」と表記する。
敵組織から送り込まれる怪人による侵略計画に対抗して戦うというパターンは、前述の『ゴレンジャー』の大まかな原型となった「昭和仮面ライダーシリーズ」から引き継いでいる。その他、色分けしたスーツで戦うこと、巨大ロボットに乗ることといった基本フォーマットは初期の数作品で確立され踏襲している。一方で、長期シリーズゆえに、後年の作品で新たに生み出されたアイデアやマーチャンダイジングのノウハウも多岐にわたる。
作品の主要な対象は未就学児童であり、「子供が初めて目にするドラマ」を念頭に、幼児に理解できるストーリー展開が心がけられている。たとえば高校生を主人公とした『高速戦隊ターボレンジャー』では、幼児にとって未知の場所である「学校」の場面はできる限り抑えられており、また時間をテーマとした『未来戦隊タイムレンジャー』では、数年しか生きておらず「過去」という概念を確立できていない視聴者のために複雑なタイムパラドックスは避けられ、物語の基本は現代に置かれている。
シリーズの多くで貫かれているコンセプトは以下の通りである。
戦隊メンバーは単独で武器を持ち個人戦も行う。
戦闘開始時には(場合によっては戦闘中に)、全員で名乗りを始め、戦隊名を告げる。この際に背後で爆発が起こる(あるいはCG合成の派手な光を発する)演出がしばしば用いられる。「個人の名乗り からの 全員の名乗り」から戦闘に入るのが基本的な流れである。
怪人にとどめを刺すときは、多くの場合メンバー全員が揃って初めて使用できる「必殺技」が使われる。それらの技やそれに使われる武器も、長い歴史の中で数多くのパターンが登場している。
ドラマや玩具展開のスピードが速まっているため、年を追うごとにより多くの要素が登場する傾向が強くなっている。
メインターゲットは特に未就学の男児を中心とする小児全般であるが、『バトルフィーバーJ』以降は、実に40年以上もの間、一度の休止期間もなく続いている長寿シリーズであるため、子供として初期の作品を見ていた世代の多くが既に親世代となっていることから幅広い年齢層への浸透もみられ、「戦隊モノ」といえば一般的にはゴレンジャーに始まるスーパー戦隊シリーズのことを指すことが多い。各地のご当地ヒーローの多くが「戦隊モノ」であることを考えれば、それだけ世間に浸透していると言える。また、東映以外のヒーロー(戦隊に材をとらなかったご当地ヒーローも含む)が戦隊と呼ばれることもあり「戦隊モノ」の呼称はマニア以外の一般層においては特撮ヒーローの代名詞となっている。
シリーズの長期化に連れてヒロインに高年齢層の男性ファンが付くようになり、さらに1990年代ごろからは美形新人俳優を多く起用したことで「イケメンヒーロー」とメディアに称される現象が見られた。2000年代にシリーズを再開した「平成仮面ライダーシリーズ」の影響もあって、それまでの特撮ファン層とは異なる若い女性や子供の母親のような新たな視聴者層も開拓することになり、ファン層は確実に高年齢層にも拡大している。
ヒーローを演じる男性俳優の年齢は10代後半から30代前半までまちまちであるが、上記の通りシリーズの長期化と共に「平成仮面ライダーシリーズ」同様に美形若手俳優を起用する傾向が強くなっており、現在では「若手俳優の登竜門」とも呼ばれるようになった。
また、1年にわたって放送されるテレビドラマ自体が減ったこともあり、現在ではベテラン俳優にとっても貴重な番組となっている。
その作品が終了した後、ヒーロー役でレギュラー出演していた俳優が協力者・敵幹部などのレギュラーやゲストキャラクター役として後年の作品に帰ってきたり、「仮面ライダーシリーズ」「メタルヒーローシリーズ」にも言えることであるが水曜21時枠や木曜ドラマなどテレビ朝日で放送している他の東映制作枠(一般ドラマ)にもゲスト役で出演するといったことが多い。
かつては初期2作『秘密戦隊ゴレンジャー』や『ジャッカー電撃隊』をスーパー戦隊シリーズに含むか否か、異説があった。
『ジャッカー』終了後、東映はマーベル・コミック・グループとのキャラクター使用提携に基づき『スパイダーマン』を制作したが、当時の日本人がアメコミに対してなじみが薄いことを勘案して、視聴者に強い印象を与えるべく「等身大ヒーローが巨大ロボの操縦もする」という要素を投入した。この演出は好評を得たもののアメコミの知名度自体が上昇したわけではないため、マーベル提携作品第2弾『バトルフィーバーJ』は巨大ロボを継承しつつも既存のキャラクターをそのまま利用することを避け、八手三郎を原作とする東映独自のヒーローを立てた上で、『ゴレンジャー』や『ジャッカー』で確立した「集団ヒーロー」という要素を再投入したのである。
「スーパー戦隊」という名称は『太陽戦隊サンバルカン』(1981年)の放送時には使われ始めていたが、シリーズ第1作が『ゴレンジャー』なのか『バトルフィーバーJ』なのかは資料を刊行する出版社ごとにまちまちで、統一された見解は存在していなかった。とはいえ1980年代においては『バトルフィーバーJ』以降という区分が主流であり、『超獣戦隊ライブマン』(1988年)の放送期間中には「スーパー戦隊10th」ロゴマークが作られている。
しかし1990年代に入ると、『ゴレンジャー』と『ジャッカー』をシリーズに含むことが正式に決定され、『五星戦隊ダイレンジャー』(1993年)放送期間中にはこれら2作品を含めた公式なシリーズの呼称として、「超世紀全戦隊」が採用された。その時期の超全集など一部資料では、『ゴレンジャー』と『ジャッカー』の石ノ森原作からなる2作品を「戦隊シリーズ」、『バトルフィーバー』以後の作品を「スーパー戦隊シリーズ」とそれぞれ呼称し、その2シリーズを総称する意味で「超世紀全戦隊」の名が使われていたと説明されている。その後『超力戦隊オーレンジャー』(1995年)の劇場版において「戦隊シリーズ20周年記念」と明記されたのを経て、『未来戦隊タイムレンジャー』(2000年)以降はテレビシリーズのオープニング(もしくは番組冒頭)に「スーパー戦隊シリーズ」のクレジットが挿入されるようになったことで、シリーズの定義が完全に確立され、現在に至る。
第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』から、戦隊メンバーの個性はそれぞれに割り当てられた色によって表現されていた。これは「にぎやかな画面作りをしないと視聴者が離れてしまう」というテレビ番組制作者としての発想からであり、また放映開始時の1975年には日本の家庭へのカラーテレビ普及率が90%を越えていた背景も寄与している。
『ゴレンジャー』では、各メンバーはそれぞれ以下の役割を分担している。
第3作『バトルフィーバーJ』はマスクの形状で個性を表現したが、チームとしてのデザインに統一感が欠けてしまったため、続く第4作『電子戦隊デンジマン』以降はマスクではなく色で個性を出すという方向性が定着した。シリーズの長期化に伴い女性メンバーの複数化など表現のバリエーションが増えたことで、単純に当てはめるのが難しい作品も増えているものの、戦隊を構成する各メンバーが、それぞれ自分に与えられた役割分担をこなすことによってチームワークが維持されるという構図は、変わらず続いている。各メンバーの色は作品ごとに度々変更されるが、『バトルフィーバー』での後付け設定を含めて「赤」だけは一度も欠けたことがなく、追加戦士が定着してからも初期メンバーの中に必ず含まれている(2022年現在。以下の記述も同様)。
なお、色や性別を問わずに過去の戦隊の戦士に変身できる『海賊戦隊ゴーカイジャー』や、メンバー間で色の交換が可能な『烈車戦隊トッキュウジャー』においては、初期設定色以外の状態では本項の記載内容には必ずしも合致しない。
シリーズ内で用いられた色は、2020年現在赤・青・黄・桃・緑・白・橙・黒・臙脂・紺・紫・金・銀・水色・灰色・茶色の全16色。
戦隊の初期メンバーの色はおおむね、『ゴレンジャー』の5色に白と黒を加えた7色によってまかなわれている。
シリーズの中には上記の分類に当てはめられない戦士も登場し、変則的な参加をする戦士には基本的な色に属さない者も多い。
シリーズ第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』では、強化服を折りたたんで「身体のどこか」に隠しているという設定であり、変身に際してはアイテムを使用しない。リアリズムを追求した作風の第2作『ジャッカー電撃隊』は変身のためには「強化カプセル」に入る必要があり、やはり携行できる変身アイテムは用いられない。
強化服を収納した変身アイテムは第3作『バトルフィーバーJ』が初出であるが、「フィーバー!」と叫んで一回転すると一瞬の内にスーツを装着し終えているという表現が基本であり、腕の通信機「バトルシーバー」から強化服が飛び出す光景は第24話になって初めて描かれた。変身時にアイテムをかざすのは、第4作『電子戦隊デンジマン』の「デンジリング」以降である。
1981年の『太陽戦隊サンバルカン』の「バルカンブレス」以降はブレスレット型の変身アイテムが主流となった。これは、当時の子供の憧れの対象が腕時計であり、それを模した玩具が発売されたからである。左右の腕に一対となるブレスレットをはめるのは、1988年の『超獣戦隊ライブマン』の「ツインブレス」を先駆けとする。
1997年の『電磁戦隊メガレンジャー』に登場したメガシルバーの「ケイタイザー」以降携帯電話型アイテムが使われるようになり、そのコンセプトは2001年の『百獣戦隊ガオレンジャー』の「Gフォン」へと継承され、2005年の『魔法戦隊マジレンジャー』の「マージフォン」からは主流となった。これは、この時代の子供たちにとって携帯電話が魅力的で外せないアイテムだからである。そして現在の携帯電話で主流となっているスマートフォン型アイテムは、2013年の『獣電戦隊キョウリュウジャー』の「獣電モバックル」、2014年の『烈車戦隊トッキュウジャー』の「レインボーパス」で部分的に採用した後、同作品に登場するトッキュウ6、7号の変身アイテムで本格的に模した「アプリチェンジャー」が登場している。
近年では『キョウリュウジャー』の「ガブリボルバー」と「獣電池」を皮切りに、共通武器にミニアイテムを装填することで、変身アイテムの役割を兼ねているケースも増えている。
スーパー戦隊シリーズは基本的に男児向けの作品ではあるが、劇中の主人公には女性メンバー、いわゆる「戦隊ヒロイン」が含まれている。
シリーズ第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』に登場するペギー松山 / モモレンジャーは、『仮面ライダー』の「ライダーガールズ」のような人質要員ではなく、他の4人の男性メンバーと同格の戦士として描かれていたことが斬新であった。先行する特撮作品『好き!すき!魔女先生』や『トリプルファイター』にも戦うヒロインは登場していたが、継続的に戦う「本格的な戦士」としてヒロインを描いたのは『ゴレンジャー』が初である。
『ゴレンジャー』のプロデューサーを務めた平山亨は、戦うヒロインを登場させた理由に、子供たちの間の「ヒーローごっこ」における女子の不遇な扱いを挙げている。ごっこ遊びの題材が『仮面ライダー』であれば、「蜂女」のようなショッカー怪人か、さらわれる人質しか女子の役割がなかったからである。『ゴレンジャー』の放映後、男子と女子が一緒になって「5人そろってゴレンジャー!」と名乗りを真似している姿を見た平山は「心底うれしかった」と語っている。
しかしながらシリーズ初期の時点では、女性メンバーは1人だけであり「紅一点」という立場に限られていた。これは、当時の番組制作者たちが女児視聴者の存在を把握できていなかったからである。その理由として、ヒーロー番組を視聴する女児に対しても親が買い与えるのは女児用玩具なので、商業的評価には現れづらい面があったゆえである。そのような中で『太陽戦隊サンバルカン』は男性メンバーのみの3人体制となったが、女性メンバーの不在に対する抗議の手紙が来たことで、制作側も女児層に対する認識を改めることとなった。
1984年の『超電子バイオマン』の企画段階では「男性5人のみによる戦隊」という案も出たが、男性ばかりではドラマ展開が難しくなるため、女性を2人に増やして掛け合いの面白さを出していく方向となった。活発でボーイッシュな小泉ミカ・矢吹ジュン / イエローフォーと、清楚で心優しい桂木ひかる / ピンクファイブという、わかりやすい性格の棲み分けによるダブルヒロイン体制の誕生である。この構成刷新は好評で、翌年は一転して「女性のみの戦隊ではどうか」という案まで出たという。以降、2人の性格と色の設定が入れ替わったり、あるいは紅一点体制に戻ったりと多少の変化を織り込みつつ、この類型が受け継がれていく。
1993年のインタビューで鈴木武幸は「当初はヒロイン不要論もありましたが、今ではかなり認知されたものと思っています」と語っている。またヒロイン像は時代とともに変化するとし、「ひと昔前の戦隊のヒロインは、非常に男っぽく演(や)っていたんですが、今では(略)男には出せないやさしさを持ったヒロインが求められています」と当時の世相に触れた上で「これからの戦隊ヒロインも(略)ヒーローたちと平等な、時にはレッドを救うぐらいのキャラクターになってもいいのではないか」と展望を述べた。
1994年の『忍者戦隊カクレンジャー』では、鶴姫 / ニンジャホワイトが女性メンバーとして初めてリーダーとなった。
2004年の『特捜戦隊デカレンジャー』には、大人っぽいクールビューティの礼紋茉莉花(ジャスミン) / デカイエローと、子供っぽく天真爛漫な胡堂小梅(ウメコ) / デカピンクが登場し、姉妹のようなキャラクター分けがなされていた。従来の「お嬢様とボーイッシュ」型棲み分けが、どこか男性視点での女性選別を感じさせるのに対し、「姉妹」型の棲み分けはそれほどジェンダーを感じさせることはなく、ここで戦隊ヒロイン像はさらなる進化を遂げた。なお『デカレンジャー』にはレギュラーの女性メンバー2名に加えて、ゲスト的扱いのデカスワンとデカブライド、劇場版で一瞬だけ変身したデカゴールドがおり、戦隊シリーズ最多となる総勢5名の女性戦士が登場した。
スーパー戦隊シリーズには、悪の組織に身を置く「ダークヒロイン」もまた登場する。
シリーズ最初期の悪の組織はいわゆる「男所帯」で、敵側の女性キャラクターは出てきてもゲスト扱いであった。『バトルフィーバーJ』第19話から登場したサロメが、レギュラー女性幹部の初の例である。
本格的に悪の女性キャラクターが活躍し始めるのは『電子戦隊デンジマン』で、怖さとユーモアを兼ね備えたヘドリアン女王の下に、忠実な女スパイのミラー&ケラーが控えている。野口竜によってデザインされた女王の衣装は意図的に胸元を強調しており、ミラーはショートパンツ、ケラーはミニスカートと、どちらも脚線美をあらわにしていた。野口によれば、子供と一緒に番組を視聴していた父親層が、悪役美女に惹かれて積極的に番組を見るようになる現象が、この時期におき始めていたという。
『科学戦隊ダイナマン』から『超新星フラッシュマン』まで4作品にわたりキャラクターデザイナーを務めた出渕裕により、『ダイナマン』の王女キメラ、『電撃戦隊チェンジマン』の女王アハメスなど、SFアニメを実写化したかのような女性キャラクターが次々と登場し、その後のスーパー戦隊シリーズのデザインの方向性を決定づけた。
キャスティングに関して、悪の女幹部には高い演技力を備えた女優を選んでいると鈴木武幸が語っている。ヒーロー側の俳優は若手のため役者としても未熟な面があり、悪側がしっかりしていないと番組がもたないためである。また鈴木は『太陽戦隊サンバルカン』のアマゾンキラー役・賀川雪絵(当時)をはじめとして、成人映画に出演経験のある女優をたびたび悪の女幹部に起用しているが、父親層へのサービスという見方を否定している。鈴木によれば、ヌードになった経験のある女優は根性があり、子供番組を軽んじるようなこともないのだという。
ヘドリアン女王を筆頭に、悪のヒロインたちは総じて自由奔放で、楽しそうに悪事を働くキャラクターが多い。しかも、悪に加担しているにもかかわらず、卑怯な手段を嫌うなど潔癖な面も目立つ。男女平等という観点からは、ヒーロー側よりもむしろ悪の側のほうが、高い地位につく女性の割合が高くて先進的であるといえる。
また、『忍風戦隊ハリケンジャー』のフラビージョや『轟轟戦隊ボウケンジャー』の風のシズカ、『獣電戦隊キョウリュウジャー』の喜びの戦騎キャンデリラ(着ぐるみキャラではあるが、担当声優の戸松遥が人間態役で顔出し出演し、劇中で自らライブ会場で歌うシーンも見せたことがある)のように、天然系で「悪っぽくない悪」のキャラクターも登場するようになり、ダークヒロインは「アイドル化」をも果たすようになっている。
シリーズ初期には「視聴率不振」や「役者の都合」によって、劇中では「転勤」ないし「殉職」を名目に戦隊メンバーの交代が生じることもあった。シリーズの成長と共にこのような事例は現在ではない。以下にその一例を紹介する。
追加戦士とは、物語の中盤ごろから登場する、初期から登場しているメンバー(以下初期メンバー)とは出身や能力の異なる戦士のことである。戦隊の基本的な人数が5人であるところから、「6人目の戦士」と総称されることもある。劇中でも『海賊戦隊ゴーカイジャー』第17話にて、同作品の6人目の戦士である伊狩鎧 / ゴーカイシルバーの台詞で使われている。
第2作『ジャッカー電撃隊』に登場したシリーズ初の追加戦士であるビッグワンや、当初3人編成であった第12作『超獣戦隊ライブマン』で途中参戦したブラックバイソン・グリーンサイのように、シリーズ初期における追加戦士は、レギュラーメンバーの増員という形で登場していた。
第8作『超電子バイオマン』のマグネ戦士によって初めて「6人目」という概念が提示されたが、マグネ戦士自体はヒーロー側ではなく悪の戦力に分類されている。第11作『光戦隊マスクマン』のX1マスクが劇中でも6人目の戦士と認められた初の例であるが、1話限りの登場に終わった。
初めて本格的な6人目の戦士となったのは、1992年の第16作『恐竜戦隊ジュウレンジャー』に登場したドラゴンレンジャーである。当初は従来どおり同作品も1年間を5人メンバーで戦い抜く予定であったが、視聴率が好調であったことから実験的にドラゴンレンジャーを登場させることにした。この試みは「5人でひとつ」という戦隊の基本フォーマットを崩すことを意味したため、東映社内でも極秘裏に進められた上、あくまで同作品限定での掟破りに留める構想であったが、ドラゴンレンジャーの人気が予想以上に高かったため、以後のシリーズでも追加戦士は定番の要素となった。
追加戦士には以下に挙げる特徴がある。
開始当初は、ネットチェンジでTBS系に移動した昭和仮面ライダーシリーズの後番組として毎週土曜19:30に放送され、その後『バトルフィーバーJ』からは毎週土曜18:00に放送された。同時間帯では『ダイナマン』途中より放映時間が25分に短縮されており、また近畿広域圏の朝日放送テレビ(当時は朝日放送)のみ『部長刑事』放送に伴った変則編成で金曜17:30に遅れ放送となっていた。
平成に入ってからは、1989年の『ターボレンジャー』の途中より毎週金曜17:30への時間帯移動が再度行われ、前出の朝日放送テレビもこれに伴い同時ネットとなったが、キー局の夕方ニュース枠の拡大や夏の高校野球中継との兼ね合いから、1997年の『電磁戦隊メガレンジャー』第8話以降より毎週日曜7:30へと三度時間帯移動となり、これに伴って放映時間も30分へと再び拡大された。
2017年10月からは日曜5:50 - 8:30の時間帯にニュース情報番組『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日・朝日放送→朝日放送テレビ・メ〜テレ共同制作)を開始するのに伴い、その時点で放送中であった『宇宙戦隊キュウレンジャー』の途中より、それまで朝日放送制作番組(2017年9月終了時点は『住まいのダイエット』)が編成されていた、日曜9:30 - 10:00へと放送時間帯が繰り下げられた。
2022年現在、以下に挙げられるテレビ番組が放送される場合は、原則としてスーパー戦隊シリーズの放送は休止となる。
放送時間変更前の2017年までは全米女子オープンゴルフ(7月上旬)により、2019年までは全米オープンゴルフ(6月第3週)により、休止となる場合があった(ただし開催地の時間差により、通常通り放送される年もあった)。これら以外にもオリンピックや世界水泳などといったスポーツ中継やバラエティ特番、それに緊急時の報道特別番組で休止となる場合もある。
放送時間は2023年4月現在。字幕放送はANNフルネット局・北日本放送のみ実施。連動データ放送はANNフルネット局のみ実施。
系列・局名は放送当時のもの。テレビ朝日系列新局開局やネットチェンジ、電波相互乗り入れによる終了は◎を付加してある。
「テレビマガジン」などの講談社幼年誌による応募者全員プレゼントビデオ。『マジレンジャー』(2005年)よりビデオ (VHS) からDVDとなる。『ゴーバスターズ』(2012年)から『ニンニンジャー』(2015年)までは、テレビマガジン付録DVDとして制作された。
『ダイレンジャー』(1993年)、『ボウケンジャー』(2006年)、『ジュウオウジャー』(2016年)、『キュウレンジャー』(2017年)、『リュウソウジャー』(2019年)以降は制作されていないが、ダイレンジャーは「バトルCD気力ディスク」が「てれびくん」応募者全員サービスとして実施され、ボウケンジャーは「テレビマガジン」本誌に30戦隊紹介DVD「30スーパー戦隊せいぞろい!パーフェクトバトルDVD」が付録として同梱された。2018年には小学館の『てれびくん』より初のWヒロインによるDVDが発売。なお、同時期の仮面ライダーシリーズでは、てれびくん付録付きDVDおよび応募者全員プレゼントビデオは全て小学館製作である。
キッズフォトバンダイスタジオ(現在閉館)で撮影されていた、幼児が参加できるオリジナルDVD作品。
以下、特記のない限りいずれも発売元は東映ビデオ。
仮面ライダーシリーズやメタルヒーローシリーズなど、東映制作のほかの特撮作品と混載収録されたもの。現時点ではいずれもDVD化はされていない。
劇場版『ジャッカー電撃隊VSゴレンジャー』内で他の石ノ森作品(『仮面ライダーV3』・『仮面ライダーアマゾン』・『人造人間キカイダー』)とのリンクが写真のみで紹介されていたが、テレビシリーズにおける仮面ライダー、メタルヒーロー、戦隊シリーズの主人公同士の共演では、前者は『仮面ライダーディケイド』と『侍戦隊シンケンジャー』、後者は『宇宙刑事ギャバン』と『特命戦隊ゴーバスターズ』の共演。また同じテレビ朝日の番組『夏休みマンガ祭り』(『水曜スペシャル』)では、両劇場版のタイアップとして『超電子バイオマン』と『宇宙刑事シャイダー』が共演した。2020年2月公開の『劇場版 騎士竜戦隊リュウソウジャーVSルパンレンジャーVSパトレンジャー』と『魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO』のコンプレックス枠であるスーパー戦隊MOVIEパーティーのエンディングに、「プリキュアシリーズ」の『ヒーリングっど♥プリキュア』『スター☆トゥインクルプリキュア』『HUGっと!プリキュア』の各作品の主人公が、実写特撮とアニメの融合する形で共演を果たした。
日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の協力で、2013年・2014年に映画版のコラボレーションを実施している。このことについてはテレビ朝日系のJリーグ公認番組「やべっちFC〜日本サッカー応援宣言〜」でもメイキング公開とともに告知されている。
東京ドームシティアトラクションズ(旧後楽園ゆうえんち)の野外劇場、スカイシアター、シアターGロッソでの公演。
2011年2月5日からスピニングコースター舞姫死亡事故の影響で休演していたが、4月2日から公演を再開した。
野外劇場とスカイシアターの公演によるもの。戦隊のほか、仮面ライダー・メタルヒーロー・ウルトラマンも競演した。
2010年2月からなんばグランド花月での吉本新喜劇への客演が始まった。いずれの公演も戦隊側はスーツアクターのみの出演となっている。
全商品がバンダイから発売。
特に表記ないものはバンダイ系企業(※)から発売されている。
いずれも発売元はバンダイ。
開発元はバンダイナムコゲームス( 現バンダイナムコエンターテインメント)による。
配信元はいずれもバンダイナムコエンターテインメント
なお、第10回大会として2021年2月9日・10日に日本武道館にて開催予定であった『超英雄祭 KAMEN RIDER × SUPER SENTAI LIVE & SHOW 2021』は緊急事態宣言および新型コロナウイルスの感染拡大状況等を受け中止となった。
パワーレンジャーを参照。 ブラジル、ポルトガルは本項目のポルトガル語版より。
1985年にマーガレット・ローシュ(当時マーベル・プロダクションズ社長)とスタン・リーにより、スーパー戦隊シリーズの英語吹替版が制作され、米国3大ネット(ABC、NBC、CBS)に売込みが行われたが、放送には至らなかった。
同時期に『科学戦隊ダイナマン』もローカル局で放送されていたが、話題にはならなかったという。
パワーレンジャーシリーズ以前にハイム・サバンはアメリカの放送局にスーパー戦隊シリーズを売り込んであるが、「米国の子供はもっと洗練された作品を好む」と相手にされなかったという。
1988年から1995年まで「Rede Manchete」「Rede Record」「Rede Bandeirantes」で放映された。とりわけ最初に放映されたチェンジマンは同時期に放映されたメタルヒーロー『巨獣特捜ジャスピオン』とともに絶大な人気を博した。2013年と2014年にはフラッシュマンとチェンジマンが「Ulbra TV」「Rede Brasil」で放映される。
ポルトガルのテレビ局「RTP1」で放映される。
1985年よりCanal+にて毎週土曜12:30よりバイオマンが放映された。1987年からはTF1にて毎週水曜に放送の『クリュブ・ドロテ』内でバイオマンより順次放映された。
アジア各国でもパワーレンジャーと並行で放送されている。
Template:スーパー戦隊シリーズに含まれるものについては、そちらを参照。
『侍戦隊シンケンジャー』以降デジタルシネマ撮影に切り替わったことで、テレビ系の技術会社のみならず、デジタル系の会社が参加している。
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