今村 翔吾(いまむら しょうご、1984年6月18日 - )は、日本の小説家。書店経営者。京都府木津川市出身。滋賀県大津市在住。日本文藝家協会会員。生島企画室所属。
奈良女子大学附属中等教育学校、関西大学文学部卒業。ダンスインストラクター、作曲家、滋賀県守山市の埋蔵文化財調査員を経て、専業作家になる。
1984年6月18日、京都府相楽郡加茂町(現・木津川市)に生まれる。
小学5年生の時に奈良市の古書店で、池波正太郎の『真田太平記』に出会い夏休み中に読了。その後も数多くの作家の作品を読み、小説家を志すようになった。
20代の頃は父親である今村克彦の会社でダンスインストラクター、作曲家として働く傍ら、いつかは小説家になるという夢を持ち続ける。その後も小説を執筆することはなかったが、2013年から2014年にかけて大病を経験したことや、ある日生徒から言われた「翔吾くんも夢を諦めている」という言葉に決心し、2015年2月に会社を退職。同年10月から守山市の埋蔵文化財センターで働きつつ、執筆活動と文学賞への応募を始める。
2016年1月、『蹴れ、彦五郎』で第19回伊豆文学賞の小説・随筆・紀行文部門最優秀賞を受賞。同年3月に『狐の城』で第23回九州さが大衆文学賞の大賞・笹沢左保賞を受賞。同賞の選考委員を務めていた北方謙三が、今村に長編小説を書かせてみるよう祥伝社の編集者に推薦。この時に1ヶ月間で書き上げた作品が『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』であり、小説家デビューを果たす。
2017年3月:デビュー作『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』が祥伝社から発売。
2018年1月:埋蔵文化財センターを退職し、専業作家になる。同年5月に『童神』で第10回角川春樹小説賞を受賞。同年6月に『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』で第7回歴史時代作家クラブ賞の文庫書き下ろし新人賞を受賞。
2019年:芸能事務所の生島企画室に所属。
2020年3月:『八本目の槍』で第41回吉川英治文学新人賞を受賞し、同年7月に同作で第8回野村胡堂文学賞を受賞。同年10月に『じんかん』で第11回山田風太郎賞を受賞。
2021年2月:山形県新庄市の「しんじょう観光大使」に就任。同年3月に『羽州ぼろ鳶組』シリーズで第6回吉川英治文庫賞を受賞。同年10月に大阪府箕面市の書店「きのしたブックセンター」の事業承継を発表し、11月にリニューアルオープン。
2022年1月:『塞王の楯』で第166回直木三十五賞を受賞。同年2月に大津市から「文化特別賞」を受賞し、箕面市の「箕面本屋大使」に就任。同年3月に京都府から「みやこの文化賞」を受賞。同年4月にテレビ番組「土曜はナニする!?」内のショートドラマで脚本家デビュー。同年5月に守山市の「もーりー守山ふるさと大使」に就任。同年5月から9月にかけて、全国から募集した書店や学校など271カ所の訪問先を巡り講演やサイン会を行うイベント「今村翔吾のまつり旅」を開催。同年8月から朝日新聞で新聞小説「人よ、花よ、」が連載開始。9月から初の冠番組である「今村翔吾×山崎怜奈の言って聞かせて」がABCラジオで放送開始。11月に滋賀県から「文化奨励賞」を受賞し、京都新聞から「京都新聞大賞」を受賞。山形県の「やまがた特命観光・つや姫大使」に就任。
2023年1月:京都市から「文化芸術きらめき賞」を受賞し、関西元気文化圏推進協議会から「関西元気文化圏賞」のニューパワー賞を受賞。同年3月に一般社団法人「ホンミライ」の設立を発表。角川春樹小説賞の選考委員に就任。
2023年12月:小説現代新人賞(第19回~)の選考委員に就任。
2024年1月:“110番の日”の1月10日、滋賀県東近江警察署の「一日警察署長」に就任。
2024年4月:『イクサガミ』Netflixにて映像化制作決定。主演・プロデューサー・アクションプランナー岡田准一、監督藤井道人。
戦国武将の中で真田信之を最も好きな人物に挙げている。
小説を執筆する際に筋書きを作成しないで創作するスタイルであることを公言している。
予期せぬ本との出会いを提供し、文化のインフラとしての機能もある街の本屋を残したいという思いから、廃業の危機にあった書店の経営を引き受ける。
文学賞を盛り上げたいという思いから、人力車に乗って直木賞受賞の会見場に向かった。会見では、47都道府県を回り全国の書店を応援する企画を発表しており、同年5月30日から9月24日まで118泊119日のイベント「今村翔吾のまつり旅」を開催した。移動に使用した自動車「たび丸号」はイベント終了後に新庄市に贈呈された。
テレビ番組「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」に、挑戦者として出演し全問正解。16組目の300万円獲得者になる。
愛煙家であり、北方謙三から譲り受けたルイ・ヴィトンのヒュミドールを愛用。
誰もやっていないことをやり、自分で歩いて道を作る気概を持ちたいという思いから、「道なき道を行く」を座右の銘にしている。
『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』とコラボした防火啓発ブックカバーで火災予防運動に協力し、京都市消防局から感謝状を贈呈される。
転売屋への対策として1万冊以上のサイン本を作成した。
阪神ファンであり、幼少期から阪神タイガースを応援している。
1967年に創業、さまざまなジャンルの一般書籍や雑誌を扱う書店として一時期は4店を経営をしていた。箕面の住民を中心に、1日100人ほどが来店する地元密着型の経営で愛されてきたものの、出版界の不況のあおりを受けて売り上げが減少。2代目で閉業寸前となっていた。
「きのしたブックセンター」が経営の引継ぎ先を探しているとM&A業の知り合いから話があり、当時は業種が違うから難しいと考えていたが、以前からの興味もあり書店を見学に行く。その時おばあちゃんと小学2年生ぐらいの女の子が絵本を買いに来ていた光景を目撃する。自身が幼い頃、祖父に書店に連れて行ったもらった記憶を思い出し、「ただ本屋さんが無くなるのではなく、『おばあちゃんと行ったあの本屋』の思い出事無くなってしまう」と思い、書店経営を引き継ぐ決意をした。
2021年11月1日に「きのしたブックセンター」はリニューアルオープン。地域に根付いている店名はそのままに、店内や照明をリノベーション。在庫や店舗スタッフを増員し、給与や勤務体系も見直すなど、従業員の勤務状況の改善にも取り組んだ。
書店経営については、デビュー直後から親交があるふたば書房社長洞本昌哉氏に相談し、運営ノウハウについてもふたば書房がフランチャイザーとしてもサポートした。
経営者が作家という利点を活かし、常時サイン本が店頭に並んでいたり、親交がある作家とのトークショーやサイン会などイベントも随時開催している。
11月1日に開催された『きのしたブックセンター2周年記念イベント』にて「佐賀之書店(さがのしょてん)」の出店が発表された。4年近く本屋が途絶えていた、佐賀市のJR佐賀駅構内に2023年12月3日に開店。事業承継した「きのしたブックセンター」に続く2店舗目で、初めての新規出店となる。
佐賀は2016年に「九州さが大衆文学賞」を受賞した思い出の地であり、この時審査員を務めた北方謙三氏が声を掛けたことからデビューに繋がった経緯がある。佐賀への想いも深く、いつか恩返しをしたいという気持ちも書店出店の決意を後押しした。
店長を務めるのは元有名書店員の本間悠氏。本間氏に書店の事業継承の話があったのをきっかけに、周囲の支援や書店員同士の繋がりから書店経営の話が動き始めた。その後様々な経緯があって新規出店と繋がっていくが、その経緯や書店への想いについてはYoutubeに対談動画が上がっている。(「【今村翔吾】佐賀県に、書店を出店する!?【本間 悠】」)
デビュー7周年を迎えた記念日である2024年3月15日に、シェア型書店である「ほんまる」を出店することが発表された。
クリエイティブディレクターとして佐藤可士和氏が参画しており、店名やロゴデザイン、店内の内装を手掛けている。 二人の出会いは、佐藤氏が新聞に連載していた書評欄で、今村氏の『茜唄』を取り上げた事から始まった。その時既に今村氏はシェア型書店を構想しており、書評から佐藤氏の本に対する想いを感じた今村氏は一緒に仕事をしたいと強く思い、本屋さんへの想いを綴った10枚にも及ぶ手紙を佐藤氏に送ったという。店名に込めた想いや今後の展開などは、出店発表と同時に公開されたYoutubeでの対談動画にて語られている。
棚主は個人だけではなく法人もなることができるので、地方の出版社が出店したり、地方の企業が広告の場として利用したりなど活用の幅も広く、一つの棚から多くの繋がりが生まれる可能性がある。また今後は書店開業を目指す棚主に向けセミナーや講演を行い、融資などの資金面も含めてサポートすることを構想している。初出店は本の町である神保町だが、将来的には都心部だけではなく地方への出店など、全国展開も目指している。
オープン日は4月27日で、当日には東京・千代田区の日本出版販売のオフィス「オチャノバ」にて、今村氏と佐藤氏が開店記念イベントが実施される。
人と本を、人と言葉を、未来に繋ぐ活動を事業目的として設立した「一般社団法人 ホンミライ」。今村翔吾が代表理事を務め、志を同じくする井上貴博、岩井圭也、熊木太郎、能政夕介、村上文香らが理事を務める。 主な活動は読書活動を推進するための本に関する講演・セミナーの開催、本の普及、活字文化の復興を図るオーサービジット事業、寄贈・寄附事業など。滋賀県大津市立図書館でオープニングイベントを開催したのを皮切りに、各地で公演活動などを行っている。
一般社団法人ホンミライと、日本三大秘境の一つとされる宮崎県東臼杵郡の椎葉村が連携協定を締結し、作家を育成する「秘境の文筆家」プロジェクトをスタートさせた。総務省所管の「地域おこし協力隊」制度を活用して採用者は給与を得ながら執筆活動に専念でき、その間の家賃は椎葉村が全額負担、1~2名の採用を想定している。 作品と面接を経て7月1日に「秘境の文筆家」着任予定。2024年1月22日から募集が始まり、3月31日付の消印まで有効という短い募集期間で92件の申し込みがあった。申込者の最高年齢は63歳、最低年齢は22歳。一番の遠方は北海道札幌市からで、男女比は男性62人に対し女性30人だった。 応募の作品ジャンルは今村氏が強みを持つエンターテイメント小説。400字詰原稿用紙500枚以下で日本語表記なら、プロ、アマ、発表済、未発表など不問。今村氏をはじめフリーライターや編集者らが審査し、椎葉村による面接が行われる。採用後はホンミライや出版関係者らが執筆を支援。半年に1作品ペースを目安に、協力隊任期中に商業出版を目指す。
2024年1月17日の夜に集まった同世代3人の作家、今村翔吾、小川哲、加藤シゲアキによる発案で始動したチャリティ企画。2024年4月20日に「現代ビジネス」にて3人の鼎談が先行公開された。同文は4月22日発売の「小説現代 2024年5・6月合併号」にも掲載されている。 能登半島地震の被災地を物語の力で支援するのが目的。企画名である「あえのがたり」は、能登地方に伝わる伝統儀礼「あえのこと」から発想された。能登地域の農家では「田の神様」を祀り、感謝をささげる儀礼を「あえのこと」と言い、「あえ=おもてなし」「こと=祭り」という意味を持つ。被災地の方に寄り添う思いを、物語という「あえ=おもてなし」にのせて届けようという意図からできた。 発案者である3人以外にも作家に参加を呼びかけて、作品集として講談社が年内に書籍化する。参加作家の印税相当額と書籍の売り上げは能登の復興支援に寄付する。
太字は受賞
第6回吉川英治文庫賞受賞作品
オーディオブック配信サービスで配信中の作品。(※「Audible」にて配信を確認されている作品)
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