『異邦人』(いりびと)は、日本の小説家・原田マハによる小説。
『文蔵』に2012年5月号から2014年4月号までに連載されたのち、単行本が2015年2月24日にPHP研究所より刊行された。単行本の装幀は、アルビレオにより、装画には、高山辰雄『いだく』(東京国立近代美術館蔵)が採用されている。同年、第3回京都本大賞で最終候補作に選ばれる。
文庫版は2018年3月8日にPHP文芸文庫より刊行された。同年、第6回京都本大賞を受賞する。
著者の原田は本作を着想したきっかけとして、2011年に、原子力発電所の事故の影響から逃れるために京都に避難してきた母子を何組も見かけたことを挙げている。
2021年11月、高畑充希主演でテレビドラマ化された。
篁一輝は、たかむら画廊で専務を務めている。一輝と結婚した菜穂は、有吉美術館で副館長を務めている。出産を控えた身である菜穂は、一輝とともに住んでいる東京都のマンションを離れ、京都府にあるホテルに、しばらくの間、仮住まいしていた。鬱々とした気分を払拭することを目的として、ある老舗の画廊を訪問した菜穂は、応接室に掛けられている1枚の絵画を一目見て、心を奪われる。その絵画を描いた画家の女性は、まだ若いうえに、まったくの新人であり、発声障害を患っているのであった。
フリーライターの小川志津子は、「優れた小説というのは、こういうことを言うのだと思う。ひとつのストーリーが展開していくさまを読者にただ見せるのではなく、幾重もの感情や成り行きや成長や変化や、登場人物それぞれに訪れるそれらをミルフィーユみたいに積み重ねて味わわせる。まさに人生そのもののように」と評価している。
『いりびと-異邦人-』と題して、2021年11月28日から12月26日までWOWOWプライムの「連続ドラマW」枠で放送された。主演はWOWOWドラマ初主演となる高畑充希。
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