高崎駅(たかさきえき)は、群馬県高崎市八島町にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)・上信電鉄の駅である。
当駅は古くから交通の要衝として栄え、9路線が乗り入れる県内最大かつ北関東有数のターミナル駅として機能している。新幹線開業前は東京方面から上越線方面と信越本線方面との分岐点として機能していた。長距離輸送の役目を新幹線に譲ったが上越新幹線と北陸新幹線の分岐点となっているほか、在来線においても群馬県内各地へ向かう各路線のターミナル駅としての役割を担っている。
事務管コードは▲411416を使用している。
当駅にはJR東日本の新幹線・在来線各線と、上信電鉄上信線が乗り入れている。上信線は当駅を起点としている。
JR東日本の新幹線は上越新幹線と北陸新幹線の2路線が乗り入れている。北陸新幹線は当駅が起点であるが、当駅以南は上越新幹線に乗り入れて東京駅まで運転されている。
JR東日本の在来線は次の各線が乗り入れている。いずれも第二種鉄道事業としてJR貨物の貨物列車も運行されている。
正式な線路名称上は以上の3路線だが、上記路線の途中駅から分岐する以下の各線(これらについてはJR貨物は鉄道事業免許を持たない)の列車も当駅へ乗り入れており、前述の3路線を合わせると合計6方面の列車が発着している。
在来線は、島式ホーム3面6線と、4番線の倉賀野方を切欠いた切欠きホーム1線、計3面7線を持つ地上駅である。八高線(全列車が3番線を発着)を除き、基本的に路線ごとに発車番線が固定されていない。そのため、2・4・5・6・7番線についてはラインカラーの区別や路線別に分けた表記はせず、コーポレートカラーの緑(■)を用いて方向別に一括して表記している。単式ホームの1番線は、かつて特急列車の発着等に使用されていたが、2004年10月を以てホームを廃止し貨物や回送等の通過線となった。跡地は上信電鉄改札口への通路に転用された。臨時列車及び特急列車は大半が2番線(一部のみ7番線)から発車する。但し「SLぐんま」2種の同時発車イベントが催される場合は「よこかわ」が4番線から、「みなかみ」が5番線から発車する。折り返しの列車はどちらも8番線に到着し、そのまま回送される。
2017年5月以降、7・8番線ホームの大宮寄り末端で定期的に一定時間の入場規制が入るようになっている。
2021年頃に7番線ホーム上屋に上越線、信越線への出発信号機、発車ベルスイッチ等が設置され、2022年3月ダイヤ改正より、7番線からの上越・両毛線方面への列車が数本設定された。
飲食施設としては、5番線・6番線ホームに老舗そばや「すかや」が出店していたことがある。
1983年7月、駅弁製造の「たかべん」がホーム上に立ち食いスタイルのそば店を開業し、ホーム上の5番目の店舗だったことから「高崎そば第5売店」と名付けられた。その後は2017年4月にNRE高崎サービス、2022年4月にJR東日本クロスステーションが引き継ぎ2・4番線ホームで営業されてきた。看板には「旅の味」を掲げ、「舞茸天そば」や「かき揚げ天そば」が人気メニューとなっていた。施設の老朽化により2023年7月から休業となっていたが、利用者への感謝として同年9月下旬から週末限定で営業を再開したのち、2023年10月8日で閉店となる。
新幹線は、島式ホーム2面4線と通過線2線を持つ高架駅。ホームがあるのは副本線で、通過線が本線となっている。全ホームに乗車案内表示器を設置(14番線のものは先発列車のみ)。コンコースには先発列車の編成案内表示器も設置されている。基本的に北陸新幹線は11番線(下り)・14番線(上り)、上越新幹線は12番線(下り)・13番線(上り)から発車する。なお、北陸新幹線の一部列車が本線ではなく14番線を通過することがあり、その際は駅構内前後の分岐器による制限および安全のため減速して通過する。
上越新幹線と北陸新幹線の施設上の分岐点は当駅から約4 km北側で、北陸新幹線の下り線はこの分岐点まで上越新幹線の線路を走っている。一方、上り線は当駅構内まで上越新幹線と北陸新幹線の線路が別になっている。この下り線の分岐点には、純日本製で日本最大の「ノーズ可動式38番高速分岐器」が設置されており、分岐側(長野側)へは160 km/hで、直線側(新潟側)へは240 km/h以上での走行が可能である。なお、この分岐器の挿入工事には延べ3日を要し、その間は上越新幹線の部分運休が実施されその代替として上越線の当駅 - 越後湯沢間で「新幹線リレー号」が運転され上沼垂運転区(当時)所属の485系や長野総合車両所(当時)所属の489系、青森運転所(当時)所属の485系と583系などが使用された。
このように下り線だけ一部で線路を共用してその先に高速分岐器を配置しながら、上り線では高速分岐器を使用せずに線路を別にしているのは、線路の立体交差と関係している。北陸新幹線の上り線が上越新幹線の上り線に合流するためには最低でも上越新幹線の下り線をまたがなければならず、分岐点では実際に上越新幹線の上下線の上をまたぎこす立体交差になっている。立体交差をした後に、線路を接続できる同じ高さまで降りてくるためにはある程度の距離を必要とするため、この間が別線となり、そのまま駅構内へと接続することになる。また、双方からの列車がほぼ同時に進入してきた際にも分岐点の手前で待たせることなく、同時に駅構内へ入れることができるという利点もある。これに対して下り線側は上越新幹線と北陸新幹線が同時に駅を出発する必要性は薄い上に、他の線路をまたがずに分岐できることから、別線路を敷設する建設費を節約するために実際の分岐点まで線路を共用している。この間に加速した新幹線が分岐点通過に際して減速を強いられるのは不合理であることから、反位側でも160 km/hの高速で通過可能となる38番ノーズ可動式分岐器を配置することになった。
ホームの屋根の一部にソーラーパネルが設置されており、ここで発電した電気は駅構内の照明や空調設備に使用されている。
(出典:JR東日本:駅構内図)
在来線ホームでは全番線で東洋メディアリンクス制作の「Gota del Vient」を使用している(ただし、八高線のワンマン列車では発車メロディを使用しない)。
新幹線ホームでは長らくベルを使用していたが、2021年7月3日に、高崎市出身の布袋寅泰の楽曲をアレンジしたメロディに変更している。これは、布袋が2020年6月に同市内にオープンした群馬コンベンションセンター(Gメッセ群馬)のテーマ曲「Great Messenger」の制作を手掛けたことや、同施設で企画展「HOTEI 40th Anniversary Guitar Exhibition “時代を奏でた40本の愛機たち”」を開催したこと、さらに群馬県のマスコットキャラクター・ぐんまちゃんとのコラボグッズの開発や、ぐんまちゃんが登場する「Great Messenger」のミュージック・ビデオの制作等、施設のイメージ・ブランド力の向上に多大な貢献をしたことがきっかけとなり、群馬県とJR東日本高崎支社が共同で企画したものである。メロディはスイッチの制作で、編曲は福嶋尚哉が手掛けた。
JR旧1番線ホームの南側に頭端式ホーム(0番線)と駅舎がある。常時1名 - 5名の駅員が配置されている。上信線の発着番線はかつて9番線と呼ばれていたが、JRの番線新設にともない9番線から0番線に名称変更された。この0番線ホームおよび通路はJRの所有物であり、上信電鉄がJRと賃貸契約を結んでいる。
2005年(平成17年)7月まではJRと改札口を共有していたが、連絡運輸の廃止によりJRと改札口は分離された。分離後は1番線の大部分を通路と改札に使っている。
2012年(平成24年)3月までは中央コンコースから直接上信線ホームに降りる通路があった。だが当該通路のエスカレーターの老朽化や施設管轄の関係により、高崎駅西口駅前ターミナルに面して、上信線専用の出入り口が新設された。これに伴って、今までの通路は閉鎖された。
2014年の富岡製糸場の世界遺産登録と同時期に高見沢サービス製の自動券売機が導入された。自動券売機で発券されるのは軟券乗車券であるが、窓口では硬券乗車券も発売されている。窓口では各種グッズや記念乗車券、記念入場券類の他、使用済み硬券および軟券古きっぷ、富岡製糸場往復割引乗車券や、一日全線フリー乗車券なども発売されている。
発車メロディは、テレサ・テンの『美酒加珈琲』をアレンジしたものが使用されている。
当駅は東口・西口の双方にペデストリアンデッキが整備されており、それぞれのデッキ中央から駅構内への中央コンコースと、南側に東西自由通路(かつて改札が東西に分かれていたころの名残)がある。
東西を結ぶ中央コンコースは「シンフォニック・アヴェニュー」と名付けられており、キオスクや駅弁販売店、NewDaysの店舗がある。
JR在来線の改札口はコンコースの中央部に存在し、新幹線改札口はコンコース東寄りにある。上信電鉄乗り場(0番線・JR改札外)へはかつてはコンコース西寄りから階段で分かれていたが、2012年3月1日に西口ロータリーに出入り口が新設され、コンコースからの連絡階段は廃止された。0番線への通路は、かつての1番線の大部分が転用されており、そば屋とトイレがある。
JR改札口の向かい側には、群馬県観光案内所・高崎市観光案内所と高崎駅インフォメーションセンター、JR東日本お客さま相談室がある。
上越新幹線開業と同時にオープンした駅ビル「高崎モントレー」があり、コンコース階のラジオ高崎のサテライトスタジオや各階に商業施設のほか、6階 - 10階にホテルメトロポリタン高崎がある。
西口の施設を以下に示す。モントレー内の商業施設などについては、当該記事を参照のこと。
東口側にはE’site(イーサイト)高崎が2010年12月12日にオープンし、多数の店舗が入居している。
東口の施設を以下に示す。イーサイト内の商業施設などについては、当該記事を参照のこと。
JR貨物の駅は現在、臨時車扱貨物の取扱駅となっており、定期貨物列車の設定はない。ただし、稀に上信電鉄の車両を輸送する甲種輸送列車が発着することがある。
1994年9月までは上信電鉄に連絡する貨物列車が設定されていた。また、かつては駅の南側にある日本製粉高崎工場(後のニップン冷食高崎工場。2012年3月閉鎖、跡地は現・高崎アリーナ)へ続く専用線があり、穀物輸送などが行われていたが、1994年3月ごろに廃止された。また、駅北側にあった日清製粉高崎工場(1988年6月閉鎖)への専用線もあり、鶴見線大川駅から穀物輸送が行われていたが、工場の閉鎖に伴い廃止された。
当駅の駅弁はすべて高崎弁当の調製である。主な駅弁は下記の通り。
かつては毎日朝7時から9時の間のみ100個限定で「上州の朝がゆ」が販売されており隠れた名物として知られていたが、2019年5月頃に販売を終了した。
新幹線をはじめ多くの路線が集中する北関東最大のターミナル駅(利用客では宇都宮駅の方が多い)であるため、県庁所在地の中心駅である前橋駅よりも乗車人員は多く、群馬県内の駅で最多となっている。さらに、新幹線の乗車人員は東京都内にある上野駅よりも多く、通過列車の設定がある駅では最多である。
1987年度(昭和62年度)以降の1日平均乗車人員の推移は以下のとおりである。
当駅を中心として高崎市の中心市街地が展開しており、特に東口周辺の開発が目立つ。高崎駅と周辺の高層ビルや商業施設をつなぐペデストリアンデッキがあり、また、東口に清水建設が長年保有していた土地にヤマダ電機の本社兼大型都市型量販店「LABI1高崎」が2008年7月11日にオープンした。ヤマダ電機は前橋市発祥の企業であるが、交通利便性を理由に高崎駅前に本社を移転した。
駅の東西にロータリーがある。西口前にはバスのりばが集中し、駅の2階からペデストリアンデッキが各バスのりばと各方向の歩道を結んでいる。駅の周辺には店舗やオフィスビル、ホテル、マンション、各種公共施設、各官庁出先機関などが立ち並んでいる。郊外型のロードサイド店舗優勢の群馬県において県内随一の駅前繁華街である。
高崎市の中心街に面していることもあり東口に先立ち再開発が行われ、東口に比べると活気がある。またペデストリアンデッキは再開発によって設置されたアパホテルやワシントンホテルなどの施設とも直結している。以後周辺の開発に合わせ、徒歩1分程度の場所の高島屋高崎店や高崎オーパにもデッキが通じている。
「高崎駅西口駅前広場」は、平成6年度手づくり郷土賞を受賞。
東口前にはタクシープールやバスのりばがある。
隣接地にヤマダ電機LABI1高崎があり、周辺の建物とともにペデストリアンデッキによって結ばれている。1階はバスターミナルである。また500メートルほど離れた場所にビックカメラ高崎東口店や日本中央バスの営業所がある。
東口前から東毛広域幹線道路(国道354号)が通じており、2014年8月末に玉村伊勢崎バイパスが開通した事により伊勢崎・太田・館林方面まで全通した。また、2014年2月22日には東毛広域幹線道路と関越自動車道の交差地点に高崎玉村スマートインターチェンジが供用開始された。
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