茨木市駅(いばらきしえき)は、大阪府茨木市永代町にある、阪急電鉄京都本線の駅。駅番号はHK-69。
茨木市の中核となる駅の1つであり、特急も含め平日全列車が停車する。ただし大阪(梅田)までの所要時間は当駅から特急に乗車するよりJR京都線の茨木駅から快速を利用した方が早く、普通を利用した場合でもほぼ同程度である。このため乗車人員は同駅より少なくなっているが、両駅間は1.5kmほど離れていることから高槻市駅とJR高槻駅ほどの大差にはなっていない。高槻市駅と当駅の乗降客数はほぼ同等である状態が長らく続いている。
市外から乗り入れてくるバス路線が多く、また高槻市・摂津市域からそれほど離れていないことや駅自体の利便性の高さもあり、茨木市民以外の利用もみられる。
「阪急茨木」などと「市」を付けずに呼ばれることもある。
新京阪鉄道の淡路駅 - 高槻町駅(現在の高槻市駅)間延伸開業当初から設置されている駅の1つ。当時の茨木は市制を施行していなかったため、自治体名より「茨木町駅」と名付けられた。
戦後間もない1948年の市制施行と合わせて現駅名に改称。なお、同日をもって当駅と同一自治体内の駅となった総持寺前駅も現駅名に改称されている。
1970年に千里丘陵一帯で開催された日本万国博覧会(大阪万博)においては会場への主要アクセス駅の1つとなり、休日日中の特急が当駅に臨時停車していた他、万博開催をきっかけに当駅の隣駅として開業した南茨木駅とともに会場へのバスが乗り入れていた。これに合わせて当駅西口にて市街地改造事業が実施され、駅前広場や駅ビルであるソシオいばらきが整備された。
しかし駅そのものは地上駅(地下駅舎)のままで、再開発以前から駅周辺の宅地開発による利用者の増加や、駅東側に位置していた茨木踏切の渋滞などが課題となっていた。このことから昭和末期より当駅周辺1.3kmの連続立体交差事業(高架化)が実施されることとなった。
元々周辺の駅と比較すると利用者がかなり多かったことから当時の主力種別である急行は停車していたが、京阪間ノンストップ運行の特急は上記の臨時停車を除いて通過となっていた。また通勤特急も停車していなかった。その一方で平日朝ラッシュ時間帯に当駅始発の準急を設定するなど、昭和末期以降は年々激化する混雑への対応が強化されていた。なお当時は引き上げ線がなかったため、この準急に使用される車両は高槻市駅まで回送され折り返していた。
1997年には特急がノンストップ運行を取りやめたもののこの時点ではまだ停車駅にはなっていなかった他、新たに設定された種別のうち快速急行(初代)も当駅通過とされた。
2001年3月24日の改正において、JR京都線への対抗力強化を目的に長岡天神駅・桂駅とともに特急停車駅に昇格。ただし平日は日中のみの運行で、ラッシュ時間帯前後に運行される通勤特急・快速特急(初代)は引き続き通過となった。2007年3月17日の改正では通勤特急の停車駅が京都側では大幅に増加したが、一方でラッシュ時の遠近分離のため当駅はこの時点でも通過となっていた。
2010年3月14日の改正において、通勤特急が3ドア車の9300系に統一され輸送力が強化された。これを受けて当駅が停車駅に追加されたことで、初めて全列車停車駅に昇格した。2011年5月14日の土休日改正において当駅通過種別である快速特急が運行開始されたが、平日ダイヤにおいては2024年の現在も全列車停車駅である。
なお、行楽期の臨時列車として2008年以降に運行されている嵐山方面への直通特急は当駅には停車しない。
2010年代中盤以降、昭和期の駅前整備から数十年が経過したことによる施設の老朽化などの課題が目立っている状況を受け、「阪急茨木市駅西口駅前周辺整備基本計画」が制定された。2014年度に基本構想を策定、2015年度には基本計画を検討し、暫定整備を実施している。
待避設備を備えた島式2面4線のホームを有する高架駅。ホームは3階、コンコースや改札口は駅舎の2階にあり、改札口は南北に1か所ずつある。北側は「ごあんないカウンター」が設置されているものの、南側は駅員無配置である。
また、京都側には引き上げ線があり、当駅で大阪方面に折り返す普通が使用する。
高架下の駅舎内にはショッピングモールの『ロサヴィア』や、大阪府北大阪赤十字血液センター、阪急茨木市献血ルームがある。ペデストリアンデッキで西口に所在する再開発ビルの「ソシオいばらき」と直結している。
内側2線(2号線と3号線)が主本線、外側2線(1号線と4号線)が待避線である。
日中は土休日の下りを除いて普通が準急と特急の2列車と連続で連絡を行う。上りは準急→特急、平日下りは特急→準急の順となる。朝夕ラッシュ時も緩急接続は概ねこのパターンとなる。
土休日下りは準急と特急が対面連絡する。準急の発車後、この2列車と高槻市駅で連絡を取った普通が3号線に入り他列車と連絡をせずに発車するが、正雀駅で特急・準急に追い抜かれる。
深夜時間帯の上りは急行と普通桂行きが連絡する。
平日ラッシュ時には京都側の引き上げ線を用いて大阪梅田・天下茶屋方面の始発列車が運行されている。現在は普通列車のみだが、1982年11月27日改正から2001年3月24日改正まで、2007年3月17日改正から2010年3月14日改正までの間はそれぞれ停車駅は異なるものの、当駅始発梅田(当時)行きの準急が運行されていた。また、2010年3月14日改正以前は土休日ダイヤにおいて当駅始発の急行→快速急行(現在の準特急)の設定もあった。
京都河原町方面に関しては当駅始発河原町行きの快速急行が6300系で運行されていたが、2010年3月14日のダイヤ改正で梅田始発に延長されて消滅していた。しかし、2022年12月17日ダイヤ改正で快速急行が準特急に改称されるのに合わせ、当駅始発京都河原町行きの準特急が設定された。平日ダイヤで朝7時台と夕方17時台に1本ずつ、土休日ダイヤで朝7時台に2本が運行される。
当駅止まりについては朝夕を中心に上り普通が複数運転されている他、2022年12月17日のダイヤ改正より平日のみ下りの当駅止まりの普通も設定された。
2023年(令和5年)の1日あたりの通年平均乗降人員は52,270人であり、阪急電鉄全線で8位である。
JR京都線の茨木駅の方が利用者数が多い。また同線のJR総持寺駅開業までは高槻市駅よりも利用者が多く、阪急全線で7位だった。
各年次の乗降人員の推移は下表の通り。2015年までは平日限定、2016年以降は通年平均となっている。
「大阪府統計年鑑」によると、各年度のある特定日における1日の利用状況は下表の通り。
「茨木市統計書」によると、近年の1年間の乗車人員・降車人員は下表の通り。
なお下表内の数値の単位は全て「千人」である。
当駅と東海道本線(JR京都線)茨木駅との間は距離にして約1.5キロメートルあり、両駅間は路線バスにより連絡している。
阪急バス・近鉄バス・京阪バスの3社の路線バスと空港リムジンバスが乗り入れている。
ロータリー中央に3つのホームがあり、阪急バス・近鉄バス・京阪バスがそれぞれ1面ずつ使用している。駅南口付近には近鉄バスと阪急バスが共同で使用しているのりばが1箇所ある(標柱はそれぞれのものが立てられている)。
駅北口1階には京阪バス仕様の発車案内ディスプレイが設置されており、阪急バス・近鉄バスの案内も西口発着系統に限り行われている。
おりばについては駅北口付近にあり、主に阪急バスと近鉄バスが使用する。京阪バスも阪急茨木止まりの便の一部が使用することがある。
停留所名は「阪急茨木市駅(西口)」。1番ホームを使用し、2・3のりばの2つに分割されている。
2のりばは当停留所始発でJR茨木駅を経由し各方面へ向かう路線で、通路奥側に発着。3のりばは当停留所から竹橋町方面へ向かう路線で、ホーム寄りに発着。4のりば(近鉄バスと共同使用)は竹橋町方面からのJR茨木駅行きのみ。
一部が豊能営業所と共管である以外は茨木営業所の管轄。
停留所名は「阪急茨木市駅」。2番ホームを使用。南側から順に1〜3ののりばが並んでいる。
南口付近の4番のりばは、ホームからは離れているものの近鉄バスでは最も発着本数が多い。
路線名は全て「茨木線」である(鳥飼営業所の管轄)。
3番ホームを使用。停留所名は「阪急茨木」。
ホーム上にはのりば番号は振られていないが、駅南口側(奥側)が枚方・白川方面のりば、北口側(手前側)がJR茨木行きのりばである。
高槻営業所の管轄。
停留所コードは6200。
一般路線は2017年以降阪急バス(柱本営業所管轄)のみ。停留所名は「阪急茨木市駅(東口)」。
過去には近鉄バスの柱本系統も発着していた。
この他、京阪バスの「中津町北」停留所が東口ロータリーから300mほど離れた枚方茨木線沿いにあり、枚方茨木線各経路の阪急茨木方面行きが停車する(枚方・白川方面は停車しない)。2021年3月12日まで当停留所も「阪急茨木東口」を名乗っていた。
阪急バスのりば付近に関西国際空港行きのリムジンバスのりばがある。関西空港交通と近鉄バスの共同運行で、過去には大阪空港交通(現在の阪急観光バス)とも共同で運行していた。2021年3月から全便運休中。
ともに阪急茨木南口停留所。駅南側200mほどの「東西通り」沿いにある。
平日の一部と土休日全便は寝屋川営業所の管轄である。平日の大部分は高槻営業所が担当。
停留所コードは6269。
茨木市南東部を循環する路線。
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