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鉄道車両の愛称


鉄道車両の愛称


鉄道車両の愛称(てつどうしゃりょうのあいしょう)では、鉄道車両に付けられる愛称について記す。

類似のものとしては、船舶やバス、航空機にも愛称が付けられる場合がある(後述)。

概要

鉄道車両においては個々に車両番号が振られ、それらを種類ごとにまとめて整理するために車両形式が設けられているが、それとは別に愛称で呼ばれることがある。

鉄道事業者が、公式に利用者へ親しみを持ってもらうために公募などの方法を用いて定めたものもあるが、中には独自に鉄道ファンなどの間において付けられた愛称がそのまま定着しているものも存在する(営業車両では川島令三が付けた「サニーカー」、非営業車両では「ドクターWEST」など)。

また、鉄道路線・列車(営業用の線路上を走行している鉄道車両)に付けられる愛称と全く同一になっているもの(湘南電車やソニックなど)もあり、誤って混同されているものも存在する。

日本では車輌形式に対して愛称を命名することが多く、個々の車輌番号ごとに愛称を命名する例は明治期の弁慶号やかつてのお座敷列車の客車、保有車輌数の少ない民鉄やケーブルカーの車輌などの例以外あまりないが、ヨーロッパやアメリカでは機関車や寝台車に対して個々の車輌ごとに愛称を命名するのが普通で、イギリスで鉄道草創期に活躍した蒸気機関車であるロコモーション号やロケット号などはその一例である。

愛称の例

国鉄時代の車両

  • キハ55系気動車 - 「日光形気動車」
  • キハ80系気動車 - 「はつかり形気動車」(キハ81系)・「白鳥形気動車」(キハ82系)
  • 80系電車 - 「湘南形電車」
  • 151系電車 - 「こだま形電車」
  • 153系電車 - 「東海形電車」(落成当時は「新湘南形電車」とも)
  • 157系電車 - 「日光形電車」(冷房改造後は「ひびき形電車」とも)
  • 581系・583系電車 - 「月光形電車」
  • 20系客車 - 「あさかぜ形客車」
  • 100系新幹線 - 「ニュー新幹線」

上記は、最初にその車両を用いて設定された列車名や、その形式を用いて運転された代表列車の名前を取って、鉄道ファンが呼ぶようになったものとされるが、国鉄部内でもよく使用された。485系・キハ58系など、その車両形式を使用して運転される列車が極めて多種に及ぶようになり、代表列車といえるものがないものが多くなったことから、583系辺りを最後にこの呼び方は廃れた。

なお、列車名から取ったものではない愛称として、101系電車が「きんぎょ」の愛称で呼ばれた例があったが、これはオレンジバーミリオンに塗られた車体の見た目から、ビジネス・ガール(BG。現在のOLに相当)がそう呼んだのが起源とされている。

JR化後

JR発足後初期には「サンライズエクスプレス」や「オーシャンアロー」、「ハイパーサルーン」など、愛称を付した特急形車両が登場した。しかし、次第に優等列車ごとに独自の車両形式が製造されることが増えてきたため、ジョイフルトレインを除けば車両愛称が付されることは少なくなっている。

ただし、国鉄時代とは異なる流れとして、検測用車両や試験用車両にも愛称が付されるようになった点が挙げられる(前者にはEast iやドクターイエロー、ドクター東海。後者にはFASTECH360S・FASTECH360Zなど新幹線の高速試験車やU@techがある)。また、これまで愛称とは無縁であった機関車にも愛称がつくようになり、JR貨物では「桃太郎」を皮切りに多数の愛称付き機関車が誕生した。

私鉄・公営・第三セクター鉄道

私鉄においても、車両独自に愛称が付けられる場合がまま見られるが、JRの場合と同様のケースによるものが多い(東武100系電車の「スペーシア」など)。

また近畿日本鉄道(近鉄)や名古屋鉄道(名鉄)などは優等列車の高頻度運転を行っており、そもそも列車ごとの愛称が存在していないため、代わりに車両の愛称を用いて乗客へのアピールとしているケースもある(「ビスタカー」や「パノラマカー」など)。

地方の私鉄や第三セクター鉄道では、沿線にちなんだものが愛称名として付けられる場合がある。また、日本宝くじ協会からの助成を受けて導入した車両には、「宝くじ号」の表記がなされる。

個々の車両に愛称名が付けられた例としては、わたらせ渓谷鐵道や錦川鉄道の気動車のほか、広島電鉄1900形電車(元京都市電)の各車両ごとに「嵐山」や「銀閣」などの京都の名所や風物などにちなんだ愛称名が付けられた例や、大分交通が所有する気動車の大半に「やまばと」「かわせみ」「ひよどり」「せきれい」などの愛称名を付けた例があるが、この類例は少ない。

形式別車両愛称の例

イタリアの例

良く知られているものの一つに挙げられるのはイタリアのETR300型電車のセッテベロ (Settebello) である。これは7両編成の電車の愛称で、「ダイヤの7」を意味しトランプゲームの役にもなっている。この電車の愛称がそのまま、列車名にも採用された例でもある。他にETR250型はアレッチーノという愛称が付いている。またETR450型電車を初めとする振り子装置付の電車はペンドリーノという愛称が付いている。

その他

鉄道車両ではないが、船舶には愛称を兼ねた船名(「○○丸」や「クイーンエリザベス二世」など)が付けられる場合がほとんどである。バス(特に貸切バス)や航空機にも、個々の車体・機体に愛称が付けられる場合がある。

脚注

注釈

出典

参考文献

書籍

  • 生方良雄、諸河久『日本の私鉄1 小田急』保育社、1988年。ISBN 4586507683。 

雑誌記事

  • 『鉄道ピクトリアル』通巻491号「特集・小田急ロマンスカー」(1988年2月・電気車研究会)
    • 小田急電鉄(株)車両部車両課「小田急電鉄新形特急車10000形」。 
  • 『鉄道ピクトリアル』通巻829号「特集・小田急電鉄」(2010年1月・電気車研究会)
    • 岸上明彦「小田急電鉄現有車両プロフィール」。 

関連項目

  • 列車愛称
  • 鉄道の車両番号

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: 鉄道車両の愛称 by Wikipedia (Historical)