(みちお しゅうすけ、1975年5月19日 -)は、日本の小説家・推理作家・歌手。兵庫県芦屋市出身。血液型はO型。
玉川大学農学部卒業。道尾はペンネームで、都筑道夫に由来する。秀介は本名である。
17歳のときに、当時交際していた女性の影響で小説を読み始める。当時は太宰治と川端康成を好んで読んでいた。テレビ放送された映画『獄門島』をきっかけに、横溝正史の小説も読み始める。19歳のときに作家になろうと思い、大学1年で小説を書き始める。
1998年に大学を卒業し、住宅機器メーカーに就職する。1999年、「どうして犬は」が『小説現代』の「ショートショートコンテスト」に入選し掲載される。審査員の阿刀田高は「とてもよいできだ」「内容はたわいないが、技術的にはショートショートの合格ラインをみごとにクリアしている」と評した。2002年、「手首から先」で第9回日本ホラー小説大賞短編賞の最終候補作になる。この頃、ホームページ「シロウト作家の訴え」を作り「オグロアラダ」・「手首から先」などの自作小説を公開していた。
オフィス用品の商社で営業職として勤める傍ら、2004年に『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し、小説家デビュー。ホラーサスペンス大賞に応募した理由は、この回から選考委員に綾辻行人が加わったことを理由としている。2005年に商社を退職し、専業作家に転身。
2006年に発表した4作目の長編『シャドウ』など3長編が、『このミステリーがすごい!』などのミステリー・ランキングにおいて、上位にランクインを果たす。この頃からレベルの高い推理小説の書き手として注目を集め、相次いで文学賞にノミネートされるようになる。
2008年に発表したふたつの長編『ラットマン』『カラスの親指』が共に高く評価され、『このミステリーがすごい!』2009年版で作家別投票第1位に選ばれる。
2009年、『向日葵の咲かない夏』の新潮文庫版が年間83万部を売り上げ、オリコン年間本ランキングの文庫部門で第1位になる。その後も売上を伸ばし続け、2011年には100万部を超えるベストセラーになった。
2011年、初めて取材旅行を行った『月と蟹』で第144回直木賞を受賞(木内昇『漂砂のうたう』と同時受賞)。5回連続で直木賞の候補になったのは戦後最多記録である。直木賞の副賞である賞金は、東日本大震災の被災者に全額寄付された。
作家としての活動の他、谷本賢一郎と音楽ユニット『DEN』を組んで、ライブ等を行っている。
2017年に発売した谷本賢一郎のアルバム「うたごえをさがして」に収録されている「光」「歌声をさがして」は、作詞も担当した。
2020年2月7日、自身が作詞・作曲した「HIDE AND SECRET」をソニー・ミュージックエンタテインメントより配信開始し、歌手デビュー。2018年7月に刊行した小説『スケルトン・キー』を原案として構築されたロックナンバーとなっている。
2014年より文学賞の選考委員をつとめている。
ホラー作家の道尾秀介と霊現象探求所を構える真備庄介のホラーシリーズ。
作品は個々に独立しているが、同じ名前の登場人物が何度も登場しており、複雑にリンクしている。
『片眼の猿』・『ソロモンの犬』・『ラットマン』・『カラスの親指』(カラス=鳥)・『龍神の雨』・『球体の蛇』・『鬼の跫音』(鬼=牛の角と虎の腰布)は、タイトルに十二支が組み込まれていることから“十二支シリーズ”と位置づけられているが、これは著者曰く偶然の産物であり、今後残りの十二支に由来するタイトルの作品を執筆する予定はない。
「」内が道尾秀介の作品
上記の文庫解説・巻末エッセイは、『プロムナード』(文春文庫版)にも収録されている。
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