株式会社エフエム栃木(エフエムとちぎ、英: F.M.Tochigi Broadcasting Co., Ltd.)は、栃木県を放送対象地域として超短波放送(FM放送)を行っている特定地上基幹放送事業者である。愛称は RADIO BERRY(レディオ・ベリー)、コールサインはJOSV-FM。
JFN系列局。主要株主は栃木県、足利銀行、栃木銀行、カンセキ、下野新聞社など。
栃木県内では1980年代前半から県域FM局開局の要望があった。 民放FM局周波数割当ての増えた1980年代でも、栃木県は、茨城、岐阜と共に県域AM局の経営安定の観点から県域FM局の周波数割り当ては見送られていた。この情勢から1980年代後半、足利銀行などの主導で準備委員会が作られ、岐阜、佐賀民放FM局の周波数が、追加割当てされたのを契機に法人が設立された。
1994年4月1日開局。外国語放送局を除き関東地方では最も歴史の浅い県域民放ラジオ局である。栃木県では1962年の栃木放送の開局以来、32年ぶりの新局開局となった。
開局時からRADIO BERRYを名乗り、開始・終了時の局名告知で併用している以外基本的に「エフエム栃木」の呼称を使用しない。局名告知以外で正式局名を呼称しないのはエフエム東京(TOKYO FM)や静岡エフエム放送(K-mix)などと同じであるが、開局時から現在まで同じ愛称で一貫している点が大きく異なる。JFNにおけるネット各局の資料では長らく「FM栃木」であったが、radiko、AuDeeのサービス開始以降は、RADIO BERRYに統一されている。
当初から現代的なCIやジングルを持ち、放送の他イベント、紙媒体に於いて音とデザインで局の統一感を押し出している。ジングルについてはフロリダ州のFM局「WRMF」のものと全く同様の楽曲とメロディが使用されているものがある。
JFN系列では、エフエム大阪・エフエム香川と並び完全24時間放送を行っている。かつては、エフエム秋田でも2020年9月まで行っていた。但し不定期に放送機器メンテナンスにより休止する場合がある。
JFN系列のキー局であるTOKYO FMとエリアが一部重なるが同局とエリアが重なるエフエム群馬とは異なり開局当初からTOKYO FM制作が主体で同系のフルネットが多いAライン、JFNC(制作会社、番組供給会社としてのジャパンエフエムネットワーク)制作が主体で同系の地方局への裏送りが多いBラインともネットしており現在でも平日の朝の一部のAラインの番組はネットされていないが日曜やかつての土曜の午後のAラインの番組がネットされていないということはない。
JFN系列の地方局として番組供給会社JFNCの番組比率が高く、自社制作番組は平日の朝・夕中心となっている。自社番組放送時間は57時間2分/週(生活情報、B-HOT!等含む)、自社制作率は約33.9%である(2016年4月現在)。前後して開局した後発のJFN系FM局と比べ自社制作率は比較的高い。
一方、1990年代と比べて広告収入が減少したり新社屋建設費の返済が経営を圧迫し赤字が続いており、製作費削減のため2009年4月改編では平日昼間帯の自社制作枠廃止や平日夜間・土日のニュースをJFNCに委託、外部パーソナリティ起用の縮小、週末を中心とする生活情報の短縮などを行っている。自社制作率は開局当初の水準に一時逆戻りして3割を切ったこともある(2010年4月時点での自社制作率は27.5%)。
自社制作番組では、地域情報など音楽以外の企画を盛り込むことが多く、地元中小商業関係のCMも多い。その他、県内のショッピングセンターやアウトレットモールなどからの公開収録も比較的多い。
また、県内市町が提供する自治体情報番組が多く設定されている。
毎時55分など、自社制作枠の数分の交通情報・気象情報・ヘッドラインニュースは、ネットワーク番組に挟まれる時間にも存在する。週末にも毎時55分に交通情報を中心として自社制作枠が設定されている。車社会化の傾向が強い県という特有の事情もあり、地方都市圏でありながら交通情報の放送回数が多めであった。
各情報ごとにBGMを使用しており、JFNニュースは開局以来BGM無しであったが2009年1月よりローカル枠と同じBGMを使用している。なお、現在各生活情報で使用されているBGMは4代目である(2014年4月現在)。
また、夏季の高校野球地方大会開催時には「高校野球リポート」を、冬季には栃木県内および近隣のスキー場情報に特化した「ゲレンデインフォメーション」といった季節に合わせたミニ情報番組も編成される。現在は放送されていないが比較的雷が多い県のため、雷情報に特化した「Thunder Report」(サンダーリポート)などの情報もあった。現在でも「Radio Berry Weather」内で雷情報は時間を長めにとってつたえることもある。
また、特筆すべき点としてツインリンクもてぎが放送エリア内に立地することから、開局から2000年代初頭にかけてモータースポーツ関連番組が数多く編成されていた(MOTOR FREAKやツインリンクもてぎFUN!TIME、インディジャパン300マイル開催に合わせて放送される平日帯特番Lunchtime@Indy cafeなど)。
2007年から、エフエム三重と鈴鹿8時間耐久ロードレースの特番を同時生放送するなどJFN系列局との番組共同制作も行われているほか、同年より9月にロードレース世界選手権(モトGP)特番を関東の系列外各局と4局ネット(エフエムナックファイブ、横浜エフエム放送、ベイエフエム)で放送している。なお、2009年シーズンはモトGP開催が春だったため放送時期も4月に移動している。
スポーツ関連では栃木県内に本拠地を置くプロスポーツチームの栃木SC(Jリーグ)、宇都宮ブレックス(Bリーグ)、HC日光アイスバックス(アジアリーグ)、宇都宮ブリッツェン(自転車ロードレース)を積極的に取り上げており特に平日夕方のB・E・A・T18時台に日替わりでコーナーを設け放送している。
2010年3月6日には、ブレックスアリーナ宇都宮で行われたリンク栃木ブレックスvsレラカムイ北海道の試合において、日本のFM放送初のプロバスケット実況生中継を行った。
また、JBLに続いて2011年10月26日にはJ2栃木SCのホームゲームも初めて実況生中継を実施している(なお、この2011年J2第7節東京ヴェルディ戦はRADIO BERRYスペシャルマッチとして実施された)。
2006年4月より同年12月まで日曜深夜にMIDNIGHT OASISを開始し完全24時間化を行ったが、この試みは短期間で終わる。その後、再び日曜深夜26:00 - 28:00に放送機材メンテナンスの為放送休止となっていたが2010年4月より再度日曜深夜の終夜放送を再開し、2010年4月現在完全24時間化されている。(ただ、2009年には度々BLACK BERRYを不定期で日曜深夜に放送していた)なお、2010年4月現在日曜深夜を含めた完全24時間放送を実施している放送局はJFN系列では他にエフエム香川とFM OSAKAのみである。
1994年の開局当初は平日21時台にスピッツの草野マサムネら若手ミュージシャンが日替わり出演する帯番組「BROTHER TO KIDS」や土曜18:00 - 21:00にはクラブDJと横浜エフエム放送で既に実績のあった当時若手DJの栗原治久をメインとした生放送リクエスト番組「RADIO BERRY WEEKEND REQUEST」を制作するなど積極的に番組の自社制作を行っていた。
また、東北地方でブロックネットされていた藤田千章(SING LIKE TALKING)が出演する「Feel The Music」をネット受けした上で後に自社制作化(藤田君と西村君のTake To The Limit)するなどネット番組にも関与する試みが見られた。特別企画として宇都宮での公開収録も行っている。
この他、1990年代にはJFNC製作のBラインネット番組「ヒルサイド・アヴェニュー」を宇都宮・RADIO BERRYのスタジオから生放送した回がある。
マスコットキャラクターはイチゴロー。 開局5周年を記念してキャラクターの愛称が公募され、1999年4月1日放送の特番でベリオと命名される。この「ベリオ」はしばらくはタイムテーブル等に登場していたが、徐々に登用が減っていった。現在イチゴローと呼ばれているキャラクターは2代目ベリオとも言えるが、デザインは初代とかなり異なる。このイチゴローの愛称は、2003年夏に開局10周年を記念して新キャラクターネーミング募集で公募され決定した。
公式な受信可能エリアは、栃木県全域のほか福島県、茨城県、群馬県、埼玉県、千葉県の一部地域としている。
宇都宮市一条三丁目の国道119号(東京街道)沿いにあった本社社屋が手狭となったため、2007年11月12日月曜日に現在地の宇都宮市中心部の中央一丁目2-1(シンボルロード沿い)への本社を移転した。
新社屋はオリオン通りの南側約120メートルの駐車場跡地に建設された3階建て賃貸ビルで、同社のみ入居する専有ビルである。
デジタル化に対応した最新の放送機器を導入し、またスタジオもシンボルロードに面した1階にガラス張りの生放送番組用の第1スタジオ(B-HILLS(ビー・ヒルズ))の他、3階に主に収録番組用やbpm(2009年3月放送終了)で使用されていたスタジオ(Crystal Berry(クリスタルベリー))とニュースや気象情報を送出できるミニスタジオ(いちごBOX(‐ボックス))が建設された。
また、1階にイベントスペースが設けられ様々な催しが開催可能である。
2005年12月より、自社制作の一部番組で静止画によるスタジオライブカメラの配信(15秒毎に更新)が始まった。PC・携帯電話ともホームページより見ることができる。2007年11月の局舎移転後も、自社制作番組での静止画によるスタジオライブカメラ配信は続けられている。
2006年6月に手狭になった旧社屋からの移転が発表され、2007年夏を目処に市街地に移転することとなった。その後、移転先を中央1丁目の駐車場空き地に選定し移転作業を開始。2007年1月13日に地鎮祭が行われた。
設計は渡辺有規建築企画事務所、建設は東武建設と県内の業者により設計・建設される。延べ床面積は約1,195平方メートル。
1階にはガラス張りのスタジオやイベントスペースを設置。この新スタジオの名称は一般公募によりB-HILLSと名付けられた。スタジオはワンマンスタジオを1つ加え3つに増やす。
なお、約4億円の放送設備を移転にあわせ設置した。
1994年4月の開局時より2007年11月まで使用されていた旧本社・演奏所(局舎)は、東武宇都宮線から見える宇都宮市一条三丁目のあいおいニッセイ同和損保宇都宮ビルの1階と2階を使用していた。その内1階にある本社スタジオは、ガラス張りになっており、東京街道側からブース内部を見ることができた。またブース周辺に聞こえるようスピーカーにより放送を流していた。(あまり大きい音ではない。また深夜は流すのを止めている)また同ビルのエントランスを入ると放送が聞こえるようになっている。スタジオ(ブース)数は2。
企業・団体は当時の名称。出典:
2024年4月時点。
「Radio」はFM・AMの枠にとらわれず、純粋にリスナーの求める情報と音楽を追求する姿勢を表し、「Berry」は栃木県名産の「いちご=Strawberry」をモチーフとし、世代を越えて誰からも親しまれ、いつも若々しく、みずみずしい放送局でありたいとの願いが込められている・・・とのことだが、 開局前の1993年、エフエム栃木は愛称を全国に公募。しかし、これといったものがなく、応募作品「ストロベリー」などを参考に選考委員会で創ったものである。
自局放送番組では必ず「RADIO BERRY」と呼ぶが、TOKYO FM・JFN系列番組の場合は「FM栃木」の名称を使用する。
※以下のは、過去に開催されたものである。
2008年4月より社会貢献活動の一環として、栃木県さくら市の喜連川社会復帰促進センター内の所内放送として、受刑者向けの特別番組(60分)を制作・放送している。なお、この試みは2か月に一度のペースで今後も継続して行われる予定である。
参考:第140回エフエム栃木 放送番組審議会議事録
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