『ウルトラゾーン』は、円谷プロダクションおよびテレビ神奈川(tvk)を幹事局とする5つの放送局の共同制作によるウルトラシリーズを題材としたバラエティ番組である。テレビ神奈川では2011年10月16日から2012年3月25日まで放送されていた。2017年からテレビ埼玉で「ウルトラマン」と同時に再放送がなされた。
テレビ神奈川(tvk、幹事局)、千葉テレビ放送(チバテレ)、テレビ埼玉(テレ玉)、サンテレビジョン(サンテレビ)、名古屋テレビ放送(メ〜テレ)の5局による共同制作番組である。この5局は、当番組の前に2011年5月から同年9月まで放送されていた『イッテ♡恋48』の共同制作局でもあり、メ〜テレ以外の4局(tvk・チバテレ・テレ玉・サンテレビ)は『イッテ♡恋48』を放送していた枠で引き続き放送した。当番組終了後も、この5局の共同制作で、2015年に『びったれ!!!』が制作されている。
番組は「もしもこんな所に怪獣が現れたら…」をテーマに、パラレルな世界である「ウルトラゾーン」を舞台に展開される。
「大人向けのウルトラ」をコンセプトに、ウルトラシリーズに登場した怪獣にのみスポットを当て、コントパート(「怪獣マッサージ」など)、ウルトラQの新作を目指して製作された本格特撮ドラマパート(「THE LOVE」など)、新造形のウルトラQ怪獣によるコメディ(「ウルトラゾーンチャンネル」)など大きく3つのコーナーからなる。プロデューサーの大月俊倫は本作品のコンセプトについて『ウルトラQ』や『ウルトラマン』放送当時の日曜の夜のお茶の間のテレビ番組の再現やウルトラ怪獣版『ゲバゲバ90分』と述べている。
コントパートや短編コーナーの製作スタッフは、tvk・チバテレ・テレ玉・サンテレビ4局共同制作番組で、2010年4月から2011年9月・および当番組終了後の2012年3月から9月まで放送していた『戦国鍋TV 〜なんとなく歴史が学べる映像〜』のスタッフが手掛けており、コントパートの出演俳優も同番組の常連俳優(山崎樹範、石井智也、津田寛治など)が引き続き出演している。
一方、特撮ドラマや「ウルトラゾーンチャンネル」に関しては円谷プロ関係のスタッフや、他社の特撮作品を手掛けてきたスタッフが結集しており、『MM9』、『長髪大怪獣ゲハラ』の監督である田口清隆や『電人ザボーガー』の監督の井口昇などが参加。また、かつてのウルトラシリーズ出演俳優(古谷敏、星光子、宍戸開、関智一など)や仮面ライダーシリーズ出演俳優(須賀貴匡、北条隆博など)といった特撮ヒーロー作品出演者も多く出演している。
複数の作品に登場した人物を主に記述。
地球上に現れるあらゆる怪獣に対して、人類が考えうる最善の方法で対策する組織。日本支部は「怪」の字がある山の麓にある。怪獣が暴れる特撮パートが挿入され下記のコントコーナーに繋がる。タカダ隊員の他には監理課のオモトという隊員が声のみ登場している他、紺色の制服の一般隊員も登場している。また、「東京ジュラ紀」に登場した白石深月も怪獣特捜隊隊員であった。
怪獣特捜隊以外にも、防衛軍が怪獣迎撃を行うこともある。
怪獣が現れない日に日本支部内の地下道場で行う、タカダ隊員が素手によるタイマンバトルを想定したトレーニング。
「有名中学に毎年合格者を出す、親の平均所得もそこそこ高めの私立小学校」に怪獣が転校してくる。
クラス名は、教師を演じている俳優によって変わる
「都心から電車で30分、閑静な住宅地に建つ瀟洒なマンション」の一室の扉の前に訪問業者(怪獣)が現れる。鬱陶しがる住人を尻目に怪獣は何かとつけて勧誘してくる。
「結構強めに揉んでくれると評判の、溜池山王のマッサージ店」に怪獣が客として現れる。
店名は「○○マッサージ」であり、○○には整体師を演じている俳優の苗字が入る。どの店も溜池山王にあること自体は同じであり、最初に溜池交差点のカットから話は始まる。
第3、4話放送。「読者モデルもたくさん通う、中目黒の目黒川沿いから一本入ったところにある美容室」のカリスマ美容師として働くマグマ星人とババルウ星人。 マグマ星人が先輩美容師、ババルウ星人が後輩美容師で仲はあまり良くない。
第4、5、7、8、11、12話放送。「実は子供嫌いと噂のおばあちゃんが1人でやっている、夕方5時を過ぎると不良たちのたまり場になる駄菓子屋」の前で不良とたむろするゼットン。駄菓子屋は「宇宙区星雲七丁目8番地」にある。
ゼットンは地球防衛高校(チボ高)では無名の学生で、いわゆるパシリの扱いである。逆に赤王高校に通う「赤王四天王」と呼ばれる不良たちからは「ウルトラマンを唯一倒した怪獣」として恐れられ、レッドキング以外の赤王高校の不良は立ち向かったとしてもゼットンには到底敵わない。しかし、こうしたゼットンの武勇伝を知るものは、仲間であるはずのチボ高の不良をはじめ、この街ではあまりいないらしい。ゼットンは顔面の蛍光部分が光る程度で、言葉は一切喋らない。
第12話でゼットンとレッドキングがタイマン勝負し、ゼットンがこれに勝利。これまで強さに気づいていなかったタケシ・ケン・ブーチン・ナオキがゼットンの強さを知ったところで完結した。
21話のアイキャッチにもこのコーナーの個体と思われるゼットンとレッドキングが登場している[1]。
「去年の夏に変質者が出て、それ以来警察の巡回が強化された新興住宅地」の夜道で、怪獣が警官に職務質問される話。場所は「不良怪獣ゼットン」と同じ「宇宙区星雲七丁目8番地」。自動販売機の前で話は展開される。職質後、第13話のみ連行された。
第23話のメトロン星人は、ウルトラゾーンが閉じる数日前に現れた怪獣である。
30分完結のドラマパート。全8回。「THE LOVE」以外は前後編で放送された。
全話の監督を田口清隆が務め、毎回ミニチュア特撮のシーンを入れることを方針としている。制作費は節約され「最後の攻撃命令」での火薬につぎ込まれている。特撮は予算が少ないことを逆手に取り、田口が学生時代に自主映画で用いていた手法を多用している。
円谷プロダクション社長の大岡新一は「THE LOVE」を気に入り、以降のウルトラシリーズでも田口を監督に抜擢するようになった。
第6話で放送。この回は他のコントや短編コーナーは放送されなかった。詳細はザラブ星人#「THE LOVE」に登場するザラブ星人も参照。
脚本 - 松野拓行 / 監督 - 田口清隆
第8話で前編、第9話で後編を放送。詳細はダダ (ウルトラ怪獣)#「ホシの招待状」も参照。
脚本 - 宮崎龍太 / 監督 - 田口清隆
第10話で前編、第11話で後編を放送。ホシの招待状の続編。監督の田口によると表のテーマは「川口浩探検隊シリーズ」、裏テーマはゴジラ映画の『三大怪獣 地球最大の決戦』。
監督・脚本 - 田口清隆
第12話で前編、第13話で後編を放送。詳細はホー (ウルトラ怪獣)#「いつも隣にホーがいる」も参照。
脚本 - 中沢健 / 監督 - 田口清隆
第14話で前編、第15話で後編を放送。
脚本 - 中沢健 / 監督 - 田口清隆
第17話で前編、第18話で後編を放送。詳細はメフィラス星人#「メフィラスの食卓」も参照。
脚本 - 松野拓行 / 監督 - 田口清隆
第19話で前編、第20話で後編を放送。詳細はキングジョー#「最後の攻撃命令」も参照。
脚本・監督 - 田口清隆
第21話で前編、第22話で後編を放送。詳細はベムラー (ウルトラ怪獣)#『ウルトラゾーン』に登場するベムラーを参照。
脚本 - 田口清隆、中沢健 / 監督 - 田口清隆
『ウルトラQ』に登場する怪獣(ケムール人、ラゴン、M1号)が登場する、新造型のスーツによる約5分の短編コメディドラマ。このコーナー中のみ板尾創路がナレーターをつとめる。初回となる第7話と第24話の「70年代ドラマが好き!」では「これからの5分、あなたの目はあなたの体を離れ、この不思議な時間の中に入って行くのです」と、『ウルトラQ』での石坂浩二風のナレーションで始まっていた。またこのコーナーのみ右下の番組ロゴウォーターマークがコーナー名となる。第6話では予告が放送。
第7話「ケムール人登場!」、第9話「高校生・ケムール」、第11話「ケムール人、走る」、第13話「ケムール、ファッションモデルになる」、第18話「公園清掃員の挑戦!」、第20話「明日は、あっちだ!」、第20話「続 ケムール人走る」、第21話「続々 ケムール人走る」、第23話「さよならケムール人」。
監督・脚本 - 井口昇(第7、9、13話)、西村喜廣(第11、20-21、23話)、辻本貴則(第18、20話)
第7話「ラゴン登場!」、第8話「ラゴンのハッピーパーテイ」、第12話「ラゴンの恩返し」、第14話「ラゴン、ダンパに行く」、第18話「ラゴン一家」、第19話「ラゴンのお弁当」。
監督・脚本 - 井口昇(第7、8、12、14話)
監督 - 井口昇(第18、19話)
脚本 - 井口昇、福田裕彦(第18、19話)
第7話「さすらいのM1号」、第10話「続・さすらいのM1号」、第16話「新・さすらいのM1号」、第17話「帰ってきたさすらいのM1号」、第19話「さすらいのM1号 情熱編」、第21話「さすらいのM1号 完結編」。
監督・脚本 - 継田淳
第15話「お笑いに参加」、第16話「ウルトラゾーンファイト」(サブタイトル「ウルトラゾーン 世紀の対戦!」)、第17話「M1号はつらいよ」、第22話「名探偵M1号・前編」、第22話「70年代ドラマが好き!」、第23話「名探偵M1号・後編」。
監督・脚本 - 西村喜廣(第15、16話)、井口昇(第17話)、辻本貴則(第22話・70年代ドラマが好き!)
監督 - 井口昇(第22-23話・名探偵M1号)
脚本 - 継田淳(第22-23話・名探偵M1号)
ソフビ人形や怪獣消しゴムを使った人形劇で、2体の怪獣が漫才を行う。画面左側には漫才コンビ名が書かれためくりがある。声は全て熊本浩武が担当。
第5話、第9話は、当時モノクロ映像だった『ウルトラQ』の怪獣による漫談だったこともあり、それにあわせるかのように、怪獣消しゴムを使いモノクロ映像で放送した。第23話もセミ人間が『ウルトラQ』、ミイラ人間が『ウルトラマン』(当時カラー映像)の登場怪獣であったが、こちらも怪獣消しゴムを使いモノクロ映像で放送した。
怪獣を例えに使った英語講座。『セサミストリート』風に描かれた怪獣が登場するオープニングで始まる。その後、英語の教科書風に例文が英語で読まれたあと日本語訳が読まれる(ここでの怪獣は写真のみ)。英語ナレーション・日本語訳共に遠野まりこが担当。
イラストで怪獣にちなんだことわざを紹介。いろはかるた風になっている。
OLがカフェで上司(怪獣)の噂話をする。最後に、上司の見た目・容姿などからあだ名をつける。
各コーナー間やCM前後に挿入される1枚絵のアイキャッチで、怪獣がごく普通に日常や人間社会に存在する風景が懐かしの画風でコミカルに描かれている。
アイキャッチ集がDVD第4巻・後述する書籍2冊に収録されているほか、アイキャッチの画像がtvk・テレ玉・サンテレビ・メ〜テレの携帯サイトで配信されている(チバテレの携帯サイトには未対応)。
本編だけでなく、このアイキャッチに対するファンも多く、2012年7月19日 - 8月31日の期間には書泉全店でアイキャッチイラスト展が開催されている。
放映日は幹事局のtvkでの放映日を記載(制作局のうち、テレ玉は2日遅れ、サンテレビは6日遅れ、チバテレは1週遅れ、メ〜テレは3か月遅れ)。
全体
メインパート(コントコーナー・短編コーナー)
ショートムービー(ウルトラゾーンチャンネル)
オリジナルドラマ(「THE LOVE」などの特撮ドラマ)
番組全体のタイトルバックは、第5話まではオープニングに使用。最初のコントパートのラストカットからテーマ曲が始まり、そのままタイトル映像に移行する。第6話は本編が特撮ドラマとアイキャッチのみだったため未使用。第7話以降はエンディングに使用されている。
この他、各コーナーごとにオープニングが存在する。特撮ドラマは本編の一部がタイトルバックを兼ねているため、毎回映像が異なる。
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