『ウルトラギャラクシーファイト』は、2019年からウルトラマン公式 YouTube ULTRAMAN OFFICIAL by TSUBURAYA PROD.やTSUBURAYA IMAGINATIONにて配信されている円谷プロダクション制作の特撮Webドラマシリーズ。「ウルトラシリーズ」に登場するウルトラマンが多数登場するクロスオーバー作品であり、日本のみならず世界規模で展開される。
『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』(英題:ULTRA GALAXY FIGHT NEW GENERATION HEROES)は、2019年9月29日から12月22日まで毎週日曜 10時 (JST) に配信されたシリーズ第1作。シリーズとしては史上初となるYouTube独占配信のオリジナル作品となる。1話あたり約5分かつ全13話の連続ストーリーによる構成であり、日本語版と英語吹き替え版が世界同時配信された。『劇場版 ウルトラマンR/B セレクト! 絆のクリスタル』後を舞台としており、「ニュージェネレーションヒーローズ」と称される『ウルトラマンギンガ』から『ウルトラマンR/B』までの主役ウルトラ戦士たちを中心とする物語が展開される。また、本作品の最終話が『ウルトラマンタイガ』のミッシングリンクを埋める構成になっている。
2019年7月25日にサンシャインシティにて開催されていたイベント「ウルトラマンフェスティバル2019」のステージで登壇した坂本浩一が監督を務めることと合わせて発表され、敵キャラクターのウルトラマンエックスダークネスとウルトラマンジードダークネスも登壇した。
上記のウルトラ戦士たちのほか、マレーシアの3DCGテレビアニメ『ウピンとイピン』に初登場したウルトラマンリブットやパチンコおよびライブステージに登場したウルトラダークキラーなど他メディアに出自を持つキャラクターが、本作品にて実写作品に初登場する。
企画段階では『ギンガ』から『R/B』までの主役ウルトラマンをフィーチャーすること、ウルトラダークキラーおよびエックス・ジードのダークネスを登場させること、物語を『タイガ』に繋げることが決定していた。そのうえで、監督の坂本浩一が以前担当した『ウルトラファイトビクトリー』や『ウルトラファイトオーブ』のようなミニ番組ではない配信作品とし、中国を始め世界へ向けてニュージェネレーションヒーローズを一気に発信していくことが企画意図となった。通常のウルトラシリーズとは異なり変身前の人間態が登場せず、ウルトラマンを語り手とした仮面劇になっているのは海外展開を意識した結果であり、これによって各地の言語の吹き替えによってどの国でも展開しやすいようになっている。
物語における各ウルトラマンたちの関係性は映像作品を正式な歴史として踏まえたうえで描写されている。『タイガ』の前日譚ともなっているため、タイガの父親であるタロウとも深い関わりがあり、ニュージェネレーションヒーローズ最初のヒーローであるギンガが中心に据えられている。また、ウルトラマンゼロが10周年であることから、その記念として彼に世話になったり、その影響を受けて成長していったウルトラマンたちが恩返しする形でゼロの力でゼロを助ける物語となった。特に『R/B』に関しては本作品以前までゼロとの直接的な対面が無かったことから、本作品で『R/B』のウルトラマンたちとゼロとを関連付けることも目的になっている。また、ウルトラウーマングリージョに関しては、単なるマスコットとしてではなく作品を通して成長していくようにストーリーにまとめている。さらにウルトラマンリブットは円谷プロ側から海外展開を見越してのサプライズとして提案されたものであった。
敵サイドではウルトラマン側の人数が多いことからダークルギエル、エタルガー、オーブダークネス、ゼロダークネスなどを追加した。さらにウルトラマントレギアについては、本格的な登場となる『タイガ』での内容が定まっていなかったため、あえて本作品では深く掘り下げず、映像作品に未登場だったダークキラーがメインのヴィランとなった。坂本は、別々に戦っていた歴代ヒーローが一堂に会していく流れは『仮面ライダーストロンガー』のデルザー軍団編を意識していると述べている。
本作品は、坂本浩一がウルトラシリーズで最初に手掛けた『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』と同様に全編グリーンバックで撮影された。これは同時進行で『ウルトラマンタイガ』のテレビシリーズを撮影しており、スタジオの確保がスケジュール的に難しい状況があるということから、グリーンバックのみで成立する構成となった。そのため、自然の風景や地球上の街並みではなく、地球ではない場所を舞台とした方がアドバンテージが取れるため、宇宙が舞台となった。
ウルトラシリーズはインドネシア、マレーシア、ベトナムを中心としたアジア地域でも人気が高く、日本だけではなく海外にも視聴者が広がるようにYouTube限定の作品となった。ファイトシリーズは3分という制約があったが、本作品ではその制約がなく、4〜5分の中でアクションの見せ場を作るものとなったが、入れ替わりでキャラを活躍させたり、今までなかったヒーローたちの組み合わせの構成にすることで、飽きを無くしている。ヒーローショーのように単純明快ながらもウルトラシリーズらしい熱さやメッセージを意識したアプローチとなっている。
続編である『TAC』の制作が発表されるまでの10か月間でYouTubeにおける累計再生回数は累計4000万回を突破し、中国国内では1億回以上の再生を記録した。坂本は媒体が配信である点やアクション特化の仮面劇であることが、誰でもどの国から視聴できることにつながり、製作側の望んでいたスタイルの受容につながったのではないかと振り返っている。
ウルトラマンロッソとウルトラマンブルが綾香市を旅立った後の世界。宇宙ではかつてウルトラ6兄弟に倒されたウルトラダークキラーが復活し、全ウルトラ戦士の抹殺を企てて活動を開始していた。ダークキラーはウルトラマンエックスとウルトラマンジードから彼らのダークネスを生み出して圧倒し、さらに綾香市のウルトラウーマングリージョをウルトラマンゼロもろともダークキラーゾーンに幽閉してしまう。
ウルトラマンタロウによって光の国へ召喚されたロッソとブルは衝動的にグリージョの捜索に飛び立つが、彼らの前に復活したエタルガーが立ちふさがり、時を同じくしてウルトラマンオーブの前には暗黒軍団が、手負いのエックスとジードの前にはダークルギエルが現れる。しかし、ロッソとブルはタロウの要請を受けたウルトラマンリブットに、オーブはウルトラマンビクトリーに、エックスとジードはウルトラマンギンガによって救助される。
光の国に集結したギンガたち「ニュージェネレーションヒーローズ」はゼロとグリージョを救い出すため、ダークキラーたちの根城である惑星テンネブリスのダーク宮殿へ突入する。そしてリブットもまた、ダークキラーの裏で暗躍する青い巨人の捜索にあたる。
ダークキラーの配下に苦戦するギンガたちだったが、ゼロへの恩義を胸に彼と縁のある形態に変身してダークネスたちを倒し、ダークキラーもウルトラマンルーブによってゼロダークネスもろとも撃破される。一方、リブットによる急襲を受けた青い巨人ことウルトラマントレギアは、ゼロダークネスとダークキラーを復活させて逃亡。ゼロとギンガたちは最強形態へ変身し、激戦の末、何度も甦るダークキラーを合体技ニュージェネレーションダイナマイトで完全に倒す。
その直後、一連の黒幕であるトレギアが現れ、次は光の国を消すことを明かして立ち去る。新たなる危機に際し、ギンガたちはグリージョの帰還をゼロに任せ、トレギアを追って飛び立つのだった。
注記のないものについてはすべて公式サイト(#外部リンクを参照)での表記による。
日本語オリジナル / 英語吹替の順
2020年2月27日発売。品番:BCXS-1522。配信版全13話に未公開シーンを追加して一本化したディレクターズカット版。
『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』(英題:ULTRA GALAXY FIGHT THE ABUSOLUTE CONSPIRACY)は、2020年11月22日から2021年1月31日まで毎週日曜 10時 (JST) に配信されたシリーズ第2作。ウルトラマン公式チャンネル登録100万人突破記念作品。監督の坂本をはじめ、主要スタッフは前作から続投している。話数は前作と比べて全10話と少ないながらも合計時間は約90分に延長されており、日本語版と英語吹き替え版に加えて中国語吹き替え版も制作される。
物語はウルトラマンリブットの過去が明かされる「Chapter.1」、闇に堕ちる前のウルトラマンベリアルとウルトラマントレギアを取り扱った「Chapter.2」、ウルトラマンゼロが様々なウルトラ戦士たちと結成した新チーム「ウルトラリーグ」とアブソリュートタルタロスとの戦いを中心とする「Chapter.3」の全3章で構成されており、全体の流れとしては共通の存在が異なる時代で引き起こす事件にウルトラ戦士たちが立ち向かう内容となっている。また、第3章は『劇場版 ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』の後日譚かつ『ウルトラマンZ』第1話のプリクエルという構成となっている。
本作品は、『NGH』配信後の2020年2月に本作品の制作が決定した。前作がアクションに重点を置いたお祭り企画であったことを受け、坂本は本作品をよりスケールの大きいものにするべく「ストーリーを重厚にしつつ個々のウルトラ戦士のことを深く掘り下げ、彼らの魅力をもっと知ってほしい」というテーマを設定し、そのうえで脚本の足木淳一郎とともに3つの時代を描く3部作として物語を組み立てたと語っている。同時に坂本は、シリーズとしても作中時間としても長い歴史があるウルトラシリーズのなかで、断片的にしか触れられていない情報や映像化されてない知られざる物語があると考え、3部構成の中でそれらにも触れることを狙いとしている。
キャラクターについては、前作以上に幅広い世代のウルトラ戦士やヴィランが登場し、比較的露出の機会が少なかったウルトラマンが大挙出演している。また、足木の強い意向や、足木が担当した『ウルトラマンフェスティバル』などのステージ作品に登場済みのキャラクターをもっと知って欲しいという坂本の思いから、ジョーニアス、アンドロメロス、ソラ、宇宙恐魔人ゼットといった映像作品以外からのキャラクターも登場する。
まず、テレビシリーズとは違うラインに位置する本シリーズの顔になってほしいという願いからリブットが前作以上に深く描写されており、いかに彼を格好よく描くかが作品のテーマの1つともなっている。そのリブットを中心とした第1章ではメモリアルイヤーを迎えたウルトラ戦士たちの魅力再発見を目的として、40周年のウルトラマン80、30周年のグレート、25周年のネオス、15周年のマックスなどがそれぞれ本筋に絡む役割を与えられている。
第2章で中心となるベリアルは、『ジード』ですでに物語が完結していることを考慮し、悪に落ちる前のアーリースタイルを取り扱うことによって新たな魅力を与えることが志向されている。ここでトレギアも過去を掘り下げ、かつ豪快な肉体派のベリアルと組ませるとどうなるのかという発想が生まれ、物語の設定や構想に組み込まれた。坂本が元々やりたかった悪のウルトラマンの代表格であるベリアルとトレギアのバディものということとなったが、全て時間軸が異なっていたため、敵が時間を移動して暗躍する話となった。第2章で描かれる「ウルトラ大戦争」は大きく描写することを理想としていたが難しかったため、ケンとベリアルの間柄を描く上で外せないとされるエンペラ星人との戦闘に焦点を絞っている。
第3章のメインとなるウルトラリーグは、ウルトラ6兄弟やニュージェネレーションヒーローズといった枠組みに属していなくても臨機応変にチームアップが可能で、色々なウルトラマンが活躍できるような枠組みとして構想された。坂本はテレビ作品や映画ではどうしても現行のヒーローが中心になるため、自由度の高い配信だからこそ露出の少ないウルトラ戦士たちが活躍できる場を創造したいとする気持ちから考え出したと述べている。坂本は『アベンジャーズ』のMCUを参考にしており、各ウルトラマンを章立てにして掘り下げて、認知度を上げつつ、次に繋げるものとなった。
撮影は坂本が書き出した絵コンテを元に、前作と同様に全編グリーンバックで行われた。
殺陣については坂本とアクションコーディネートの岡野弘之が相談しながら演出を担当している。例として、海外製作作品で独自のスタイルを有するグレートおよびパワードは原典の雰囲気や動きをキープしつつ現代風にアレンジしたアクションを、ウルトラ6兄弟は戦いつつ光線を撃つという新しいスタイルのアクションを、アンドロメロスは当時の大野剣友会のイメージを意識したアクションなどを制作している。
ベリアルがプラズマスパークを奪おうとする場面は、権利上の関係から新撮となっている。
日本語オリジナル / 英語吹替の順に記載。
『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』(英題:ULTRA GALAXY FIGHT THE DESTINIED CROSSROAD)は、2022年4月29日から7月1日まで毎週金曜に配信されたシリーズ第3作。2作目から連続した世界観の直接的な続編であり、ウルトラヒーローとアブソリューティアンの激突が描かれる。
これまでのシリーズとは異なり、日本語バージョンでは初めて円谷プロダクションの動画配信サービス「TSUBURAYA IMAGINATION」にて2022年4月29日に世界最速先行配信された。その後、同年11月20日から2023年1月29日までウルトラマン公式 YouTube ULTRAMAN OFFICIAL by TSUBURAYA PROD.でも毎週日曜 10時 (JST) に配信された。
なお、「TSUBURAYA IMAGINATION」での本編配信開始に先駆け、2021年12月27日には前日譚『プロローグ編』が配信された。
日本語オリジナル / 英語吹替の順に記載。
2022年10月28日発売。品番:BCXS-1785(Blu-ray)、BCBS-5131(DVD)。プロローグ編と配信版全10話を一本化した完全版。
『ウルトラマンレグロス』は、『運命の衝突』で初登場したウルトラマンレグロスを主人公としたスピンオフ作品。2023年5月23日・6月6日にTSUBURAYA IMAGINATIONにて配信。
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