『ヤッターマン』(英語表記:Yatterman)は、2008年1月14日から2009年9月27日まで、読売テレビとタツノコプロの共同制作により、日本テレビ系列で全62話が放送されたテレビアニメ。放送時間については#放送形態の節を参照。
1977年から1979年にかけて放送されたテレビアニメ『タイムボカンシリーズ ヤッターマン』(以下、本項目では「第1作目」と表記)のリメイク作品であり、タイムボカンシリーズ初のリメイク作品でもある。テレビシリーズとしては通算9作目に当たるが、第1作目を始めとする従来のシリーズ作品とは異なり、タイトルに“タイムボカンシリーズ”を冠してはいない。本作品より、過去のシリーズで用いられたセル画からデジタル制作へと移行し、同時にハイビジョン制作となった。
探し物が第1作目の「4つのドクロストーン」から、本作品では「特定の個数を集めると願いがかなうドクロリング」に変更され、それを探しに各地を巡るのが物語の主軸となっている。また、第1作目との間にはストーリーの繋がりはなく、その他設定面においても様々な点において相違が見られる。
また、第1作目終了後の1997年に発生したポケモンショックの影響でテレビを見る時は部屋を明るくして離れてみるように注意喚起するテロップが冒頭で流れるようになった。
開始当初の放送時間は毎週月曜19:00 - 19:30(以下、特記のない限りJST)。その後2008年10月からは放送時間の連続する『名探偵コナン』と共に『アニメ☆7』枠に内包され、さらに11月からは同番組と放映順・スポンサーがそのまま入れ替わり、放送時間も30分繰り下げの19:30ごろ - 20:00とされた。ただし、放送時間変更後の初回となる11月10日放送分の番宣CMでは、従来通り「月曜19:00放送」と案内されていた。
地上デジタル放送では縦横比14:9のハイビジョン放送を採用しており、地上アナログ放送では13:9レターボックス放送となる。日テレプラスでの再放送は地上波の時とは異なり、16:9レターボックスで放送している。2008年5月5日放送分よりデータ放送を開始した。
前番組である『結界師』と同様に、オープニング後の提供読みは登場キャラクターが毎週交代で、それぞれの特徴を踏まえた言い回しで行い、スポンサードCM明けに後半パートの途中で提供クレジットを表示し、その後1回入るCMは各局それぞれ異なるスポットCMであった。日テレプラスでの再放送はスポンサーの表示が一切ないため、本編途中での提供クレジット表示も一切ない。
OPはCGアニメーションを使用。次回予告はEDに内包される形式となっている。また第24話 - 第33話までの間、おしおきタイム専用のパート「今日のおしおきコーナー」がED後に設けられた。回によっては、ED前におしおきが執行されることもあったり、省略・カットされたりするケースもあった。
2009年4月より、平日19時台に生放送の帯バラエティ番組『サプライズ』が新設されるのに伴い、本番組の放送時間も4月5日より日曜7:00 - 7:30に変更された。同時間帯に自治体の広報番組や、ドキュメンタリー番組などの自社制作番組を放送していた一部の地方局では、この放送時間の変更により途中で打ち切られる可能性があったものの、各局とも自社制作番組の時間帯を移動するなどの措置を行ったり、スポンサーセールスでもネットワークセールス継続となったため、変更前に引き続き全国同時ネットで放送された。放送時間変更前の最後の放送にあたる第35話が、最終回を匂わすタイトルになっているのはその名残りである。
放送時間変更後は第53話 - 第56話と最終話を除き、番組冒頭で「ドクロベエさまからのおねがい」として、テレビから離れて見るように警告して指令後同様に爆発となるお約束が追加された(第36話のみ「ドクロベエからのおねがい」)。またOPはフルアニメーションに変更され、次回予告もED後のミニコーナー終了後に挿入、ナレーションはオモッチャマとネエトンが行った。提供クレジット表示はBパート途中からED曲前に変更され、Aパート終了時とBパート開始時にアイキャッチが入るようになり、CM前後にオモッチャマのカードを当てるゲーム、ED終了後に週替わりの「オマケのコーナー」が新設された。番組内で放送されるCMは全てスポンサーCMとなる。オープニング後の提供読みは登場キャラクターがこれまでのセリフに加え、はじめに「みんなおはよう!」という視聴者への挨拶が加わり、提供読み後には「ヤッターマンがいる限り、この世に悪は栄えない!」と言うようになった。
元日や大晦日にも放送していた第1作とは対照的に、放送時間変更前までは年末年始・改変期などを中心に放送休止となるケースが多く見られた。長い時には2008年9月上旬から11月上旬にかけて2か月間、これを含めて年間で5カ月以上も休止という異例の編成となり、放送休止が多過ぎる状況にファンから苦言が呈されたこともあった。
1周年を迎えた2009年1月の時点での話数が、限定版を含めても30話程度に留まったのはこうした事情による。この反省点から、放送時間変更後は放送休止が頻発する状況も大幅に改善され、日曜朝の時間帯での休止実例は『24時間テレビ』を放送した2009年8月30日のみに留まった。
番組終了から約2週間後の2009年10月12日には、とちぎテレビで(実質)再放送を開始した。同時期にはCS放送の日テレプラスでも再放送を開始した。
放送枠を移動して約半年後の2009年10月19日には、月曜夜時代の後番組に当たる『SUPER SURPRISE』月曜の「4コマ劇場」で、最終回に登場した「ドロンジョの素顔」が放送された。
本作品はドクロベエ役の滝口順平、そして「三悪」を演じていた小原乃梨子・八奈見乗児・たてかべ和也の4名が揃って出演した最後の作品となった。本作品終了後はオリジナルキャストの高齢化や逝去もあり、後続のシリーズ作品や関連する商品展開でドクロベエや三悪が登場する際には代役が立てられたり、そもそも出番自体がない場合もある。
第1作目と同様にドロンボー一味の悪巧みを阻止するのが目的の他に、本作品では一般的なレスキュー活動も行っている。2人がヤッターマンになった経緯は作中では明確には語られておらず、第1話から特に説明などはなしに変身している。第1作目のヤッターマンとは完全に別人だが、ドクロベエに記憶を一部奪われたドロンボーに同一人物扱いされることもある。Webアニメ番外編2では初代のヤッターマンの豆知識を聞いていた。
変身方法は第一作を踏襲しているが、第37話からはアクロバティックなパターンに変化している。
第31話のみミユ(声 - 佐藤聡美)というガンちゃんの遠い親戚の少女がゲストキャラクターとして登場。手先が器用な少女で、基地に残されていたヤッターメカのジャンクパーツをヤッターマン変身パーツに改造。自ら4号を名乗っていた。
ドクロリングを集めるため、第1作目と同様にインチキ商売で資金を荒稼ぎしてドロンボーメカを作り、ドクロリングの持ち主(ほとんどが誤報)から手段を選ばず強引に盗もうとする悪党3人組。午後6時になるとタイムカードを押し、時給は80円。ドクロリングの個数は当初は5個だったが、第35話で実は10個必要だったということが判明した。最終話で一度は解散したが、3人とも涙と共に引き返したため、最終話のラストで再結成してインチキ商売を始めた。また、ドクロベエも引き返して「実はドクロリングは50個必要」と指令を与えた。自らの目的のために悪事を尽くす悪党だが、決して人の命を奪うことはせず、劇場版ではパ・ズールと手を組むが、彼の真の目的が世界征服であることを知ると反旗を翻し、パ・ズールの悪事を阻止しようとするなど行動を取る。また、3人とも人間的に妙に真面目な部分もある。さらに、ドクロベエの理不尽なお仕置きに対して、前作に比べ、怒りを見せる描写がほとんどなく、お仕置きポーズである「ドクポンタン」もなかった。
アジトは当初、CGアニメによる豪勢な造りの部屋で、壁に巨大な歯車がゆっくり回るメカ工場と壁が巨大な水槽になって巨大なメカ魚が泳いでいる2パターンがあったが、「最近の物価高で家賃が払えず追い出されたため」第24話から第1作目と同じ汚い外観になった。
OVAの設定が残っていたり、ストーリーフォーマットにツッコミを入れたり、第1作目のことを懐かしがるなど、楽屋ネタを挿むことも多い。番組開始当初ではヤッターマンが登場する掛け声を言う度に「30年前と変わらないね」などと言ったり、第36話で思わずドクボンの前で慌てて控えてしまった際、「31年分染み付いてまんねん」と言ったり、最終話でアルバムメカで第1作目の写真を懐かしく見ていたら「何歳だったっけ?」などと発言しているが、実際はドクロベエが再びドロンボーを利用しようと企むも、過去のこともあり、言うことを聞かない可能性を考え、彼らの記憶を奪ったと発言しているため、32年前の記憶や実年齢などが曖昧なのはそのためである。
略して「ドクハン」。第38話から不定期に登場(正確には5代目OPより、ボスのみ登場)するドクロリングを狙う謎の集団で、本作品の第3勢力。ボスはメダチ兄弟などの「エージェント」にドクロリングを集めるよう命じているが、当初その目的は明らかにされていなかった。第58話でドロンボー一味が集めた9個と、ガッテンが取得した1個が合わさり10個になりボスの目的が達成されたこともあって解散した。
登場する際には、「Dokuroring Hunter」の頭2文字「D,H」を人文字で演じる(ミチルは中間のRingのRも行った)。Hの部分には、ビートたけしの「コマネチ」のようなポーズで極める。エージェントたちは冷たい風が吹き抜けるほど恥ずかしいと思っているが、ボスの命令と忠誠の証として仕方なくやっている(しかし、ガッテンは特に恥ずかしがっていない)。
ドクハンマークは、ドロンボー一味が赤いドクロであるのに対し、左側が黄色・右側が水色のドクロマークである。ボス自身は黄色いドクロである。
となっている他、長嶋茂雄のパロディキャラクターも登場する。
声は全て山寺宏一。
第1作目から継承されたヤッターメカ。第1作目では後期から出番がなくなったヤッターペリカンやヤッターアンコウの出番が増え、ヤッターワン以上のインパクトのあるキャラクターとなっている。
以下、本作品が初出となるメカのみを取り扱う。
各ヤッターメカのピンチに際し、「メカの素」を与えることにより、ヤッターメカの体内で製造され、口からスロープを降りて出現する、毎度姿の異なる小型メカ。小型のまま集団で攻撃する場合と変形合体して巨大なメカに変身する場合がある。
基本的にアイちゃんが「メカの素」を各ヤッターメカに与える設定に変更されている。ただし、限定1時間SPではガンちゃんが「メカの素おかわり」と二つ目を、第12話ではオモッチャマが与えるなどの例外もある。
第1作目と異なり、名称が最初から「ビックリドッキリメカ」に統一され、またメカによってビックリドッキリメカのモチーフが決まっていることもない。一度に複数の種類のメカが出現する場合や複数のヤッターメカが合同で同一種類のメカを出現させる場合もある。
本作品ではCGによるビックリドッキリメカの製造工程も見ることができる。見ることができるのはヤッターワン・ヤッターペリカン・ヤッターアンコウ(第53話のみ)だが、話によっては、尺の都合上、省略されることもある。
基本的にドロンボーメカにトドメを刺すための存在ではあるが、ドロンボー一味の殺害が目的ではなく、彼らを爆発に巻き込む以外に生命の危険が及ぶほどの危害を加えることはない。第10話では例外的にドクロリングとおぼしき物体を拾いに桜島火口におしおき三輪車で侵入したドロンボー一味を救出するため、「シロクマメカ」が出動している。
ドロンボーメカ関連の声は、その多くを三浦潤也や徳本恭敏が担当している。第26話では前述のとおり松村邦洋が担当した。
ドロンボー一味が搭乗して目的地に向かい戦闘により毎回破壊されたり、自爆スイッチで爆破したりするメカ。インチキ商売で得た資金を元に、すべてボヤッキーが設計し、トンズラーの協力を得て製作している。第1作目が基本的にその回に行ったインチキ商売をモチーフにしていたのに対し本作品のドロンボーメカは行き先を意識したデザインをしたメカが多く、話によっては行先にちなんだダジャレが元になったメカも存在する。操縦や攻撃も主にボヤッキーの担当だが、メカによってはドロンジョが攻撃ボタン(時には誤って自爆ボタン)を押したり、トンズラーが武器の動力源(スタミナ切れで次第に攻撃力が落ちる)になっていたりすることがある。ヤッターメカと同様に自我を持ち、独特の掛け声を発するものが多い。その自我ゆえに操縦を受け付けず、独自の習性を発揮することがある。コクピットの背後にはドロンジョ専用のバスルームと、脱出兼ドクロリング鑑定用のおしおき三輪車が常備されている。メカによっては三輪車とは別にドクロリング鑑定機が据え付けられている場合もある。
ときおり第1作目に登場したメカの復刻版が登場しており、限定版第2弾では第1作目の第1話に登場したダイドコロンが、第40話では第1作目の第35話に登場したスカンタコが復刻され、かつて敗れたヤッターメカと再戦(第40話に関しては、おしおきも第1作目と関連した内容が執行された)している。
ビックリドッキリメカに対抗してボヤッキーが作ったゾロメカで、限定版第2弾、29話、31話、34話、41話、45話、46話、47話、55話、57話で使用した。
第1作目の後期を彷彿とさせる、ゾロメカ同士のアクションが繰り広げられる。ヤッターマン側よりも先に出してゾロメカ戦に移行することも多い。初登場の限定版第2弾では、ヤッターワンの骨型「メカの素」を真似た「悪の素」をドロンボーメカに与えると一度シャックリして、これまた真似たファンファーレ担当のドクロメカが小太鼓を鳴らしてから登場する。これらを解説していたナレータの山ちゃんに「呆れるほどパックてますけど」とツッコミを入れられ、ヤッターマン1号にも「俺たちの真似して!」と言われた。番組後期は、悪の素を使わずにボヤッキーが直接スイッチを押して登場させるパターンが多かった。当初の名称はビックリシャックリメカであったが、第34話ではギックリコッキリメカ、第46話と第47話と第57話ではギックリコレッキリメカ、第55話ではチャッカリコッキリメカと、ボヤッキーの気分で変わるようである。また42話、52話でもゾロメカとは公言されていないものの、顔のついた小型メカを大量に出してビックリドッキリメカに対抗した。
第36話から第58話まで、ED終了後に流れた約30秒間のミニコーナー。以下の中からいずれかが週替わりで放送された。
「暗号でGO!」や「GG(ゴロゴロ)イングリッシュ!」や「ネエトンのギャルゴレ」などのように何回も放送されたものもあれば、「ドロンボーやめて何になる?」や「ヤッタージンベエだもの」などのように1回限りのコーナーもあった。前述の通り、第53話 - 第56話は劇場版映画に関連した内容であった。
一部作画関係者に旧作と共通のスタッフが存在するが、総監督の笹川ひろし、メカデザインの大河原邦男、音楽の神保正明と山本正之以外は、全スタッフが入れ替わった。
オープニングは第1作目とは異なり、「ヤッターマンの歌」に統一されているが、アレンジと歌手は定期的に変更された。
エンディングテーマは、どれも歌詞中に本作品の内容を直接的に表す言葉がほとんど使用されていないタイアップ色の強いものになっている。
サブタイトルの語尾の「コロン」は、全て黄文字で表記されている。
遅れネット局がないため、日本テレビ系列の無い佐賀県と沖縄県以外の全国で同時放送となった。
※最終話のラストにおいては、「エヘッ♥ 水着だらけのビーチバレー対決! 何!? ドクロリングの次はドクロパンツ7枚!? だコロン!」というフェイクの次回予告が放送された(右上に「※この予告はウソです」と赤文字で表記されている)。
『劇場版 ヤッターマン 新ヤッターメカ大集合! オモチャの国で大決戦だコロン!』
2009年3月に公開された実写版に続き、テレビシリーズの劇場版も2009年8月22日に松竹系にて公開。トイトイ王国を舞台に、映画オリジナルを含めヤッターメカ総出演が見どころで、特に映画オリジナルのヤッターキングは後半のクライマックスとして活躍する。また、ガンちゃんと父親との絆やヤッターワンの誕生についても語られる。
タイムボカンシリーズの劇場用新作アニメが上映されるのは、1981年3月14日公開の「東映まんがまつり」内で上映された『タイムパトロール隊オタスケマン アターシャの結婚披露宴!?』以来となる。上映時間は94分で、シリーズ初の長編映画でもある。
特別出演はオードリー(春日俊彰・若林正恭)。入場者特典としてヤッターマンサンバイザーが貰える。8月21・22日のぴあ映画満足度ランキングで1位に輝いている(2位は『ちゃんと伝える』、3位は『96時間』)。DVDは2009年12月19日に発売。レンタルも同日に開始。
トイトイ王国から招待されたヤッターマン一行は、おもちゃのテーマパーク「トイトイランド」でプラモン王子や国王、そしてパ・ズール大臣と出会う。わがままだが寂しがりのプラモン王子と遊ぶヤッターマンだが、謎のメカ・ヤッターゼロがヤッターワンを襲い、大ピンチに陥る。
2008年9月まで本番組のスポンサーとして参加していた東芝が、公式サイト内にて公開していた全12話のWebアニメ。
アニメ制作にはAdobe Flashが用いられ、大河原邦男の書き下ろしによる自社製品をモチーフにしたオリジナルメカなどが登場する。ストーリーはテレビシリーズのそれと同様であるが、ドクロリングならぬLSIの形をしたドクロチップを手に入れる展開となっており、ヤッターメカのパワーアップアイテムであるメカの素がICチップが組み込まれたセミコンメカの素に変更されている。南明奈が本人役でオモッチャマと共演するバージョンもあり、第8話でもゲスト出演している。また、全12話終了後に番外編が5本作られている。
サイトについても、2009年5月29日に1度目の、2009年11月16日に2度目の、2010年9月30日に3度目のリニューアルが行われた。リニューアル後は第12話(最終話)と番外編1は公開終了、第11話までの各エピソードも「トウシバメカダイジェスト編」として、ビックリドッキリメカとドロンボーメカの対決部分のみの公開に移行した。また、パズルと折り紙はリニューアル後も引き続き公開していたが、ドクロベエとのチャット「ママよりこわーいオーディションだべぇ」は終了した。2009年11月30日の「東芝1号機を救え!だコロン!」エピローグ公開後、しばらく新作は作られていなかったが、2010年9月のリニューアルの際に、新作「謎かけコロン対決だコロン!」が公開された。以上の各コンテンツの公開は2011年2月に「ヤッターマン×トウシバ」のページが閉鎖されるまで続けられた。
放送と連動する形で、以下のメディアミックスが展開されている。
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