第35回世界遺産委員会(だい35かいせかいいさんいいんかい)は、2011年6月19日から29日の間、パリのユネスコ本部で開催された。当初の開催予定地はバーレーンの首都マナーマだったが、2011年バーレーン騒乱による政情不安などを考慮して変更された。開催地の変更はSARSの影響で蘇州での開催が変更された第27回世界遺産委員会(2003年)以来である。文化遺産21件、自然遺産3件、複合遺産1件の計25件が登録された結果、世界遺産リスト登録物件の総数は936件となった。
委員国は以下の通りである。地域区分はUNESCOに従っている。
物件名に * 印が付いているものは既に登録されている物件の拡大登録などを示す。太字は正式登録(既存物件の拡大などについては申請用件が承認)された物件。英語名とフランス語名は審議開始前の文書に基づいており、登録時に名称が変更された場合にはその名称を説明文中で太字で示してある。
第35回世界遺産委員会の審議で新規に世界遺産保有国となったのは、アラブ首長国連邦、バルバドスの2か国である。この時点で、世界遺産条約を締約している187か国のうち、世界遺産を保有していない国は33か国となった。
危機にさらされている世界遺産(危機遺産)リストからは1件が除去され、2件が新規に記載された。その結果、危機遺産の総数は35件となっている。なお、コミ原生林は危機遺産リスト入りが有力視されたが、ロシア当局や一部の委員国の反対によって見送られた。
以下の3件の登録名が変更された。
この年は、上の表にも示されているように、諮問機関の「登録」勧告通りに登録された物件よりも、「情報照会」「登録延期」勧告だったものが逆転で登録された物件の数が上回った。このような状態は世界遺産リストの信頼性を失うことにつながるのではないかという懸念も示された。
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