神奈川中央交通戸塚営業所(かながわちゅうおうこうつうとつかえいぎょうしょ)は、神奈川県横浜市泉区上飯田町4481-1にある神奈川中央交通の営業所。営業所の略号は「と」。別称は上飯田車庫。横浜市南部のうち、東海道線より西側の地域の路線を主に管轄する。
神奈川中央交通の前身である相武鶴屋自動車の、かつての本社所在地に由来する営業所である。相武自動車と鶴屋商会・戸塚自動車商会の合併により、相武鶴屋自動車として1937年1月12日に戸塚駅のそば(鎌倉郡戸塚町戸塚29番地、現・横浜市戸塚区戸塚町)に本社を移転。これが現在の戸塚営業所の前身となった。なお戸塚営業所は、1963年4月20日には戸塚町戸塚17番地(のちの神奈中のれん街、現・戸塚駅西口停留所付近)から戸塚区中田町(現・泉区中田西一丁目1番、立場ターミナル停留所)に、1999年8月29日には現在地の泉区上飯田町4481-1に移転している。
営業エリアの北限に営業所が所在しているため、神奈中タクシー戸塚営業所(戸塚区上矢部町2208-5)で乗務員の待機・休憩ができるようバス駐車場(約20台駐車可能)を設けており、実質的に操車所の役割を担っている。
神奈川中央交通の横浜市内にある営業所ではバス共通カードの導入が一番遅く、他営業所のバス車内には「バス共通カードは戸塚車には使用できません」という貼り紙があった。一方、PASMOに関しては最も早い導入となり、2007年3月18日のサービス開始時からエリア内全路線でPASMOが使用できる唯一の営業所であった。
営業エリアは対キロ多区間運賃の地域であるため、運賃支払方法は基本的に「後払い」であるが、2015年3月22日までは戸塚BC、大船駅、いずみ野駅、立場ターミナル行きの一部路線とその他一部路線で「前乗り・前払い」が採用されていた。翌3月23日から、管内全路線で乗降方法を「中乗り・前降り」、運賃支払方法を「後払い」に統一した。
戸塚バスセンターから国道1号を経由し、横浜医療センターと横浜薬科大学、ドリームハイツへ至る神奈川中央交通屈指の超ドル箱路線である。上記路線を全て合わせると朝ラッシュ時は3 - 5分間隔、日中は8分間隔で運行される。横浜ドリームランドが存在していた頃は当然ながら、閉園後の現在も戸塚駅と鉄道空白地帯である戸塚区南西部・泉区南部の徒歩圏内を結ぶ重要な交通手段である。原宿交差点の渋滞で遅延が発生することが恒常化していたが、現在は徐々に解消しつつある。
2003年12月1日から3ヶ月間の限定で、戸50に急行便を運行していた。3ヶ月後の2004年4月1日から正式に運行を開始した。ドリームハイツ発の平日早朝2便が急行便として原宿まで各停留所に停車し、原宿から途中無停車で戸塚バスセンターへ向かっていたが、2010年4月18日の戸塚バスセンター移設と同時に廃止された。
戸52は横浜ドリームランド訪問客を輸送する主力路線だったが現在は戸50へ振り替えられ、平日16時以降および土曜・休日20時以降に運行される程度となっている。俣野公園方向のみ深夜バスが平日5便設定されている。また平日1便のみ、吹上始発が設定されているが、これはかつて存在した戸74と同一経路である。
2011年2月16日には横浜医療センター構内に立ち寄る戸55が、同年9月20日には横浜医療センター構内で折返す戸56が新設された。
今後の展望として、以前から構想されていた戸50への連節バス「ツインライナー」導入へ向けた動きが本格化し、2020年度より区の予算に追加された。同年9月、同社と横浜市により戸塚区南西部の路線再編の協定が結ばれた。ツインライナー導入と同時に、主にドリームハイツ方面の再編が予定されており、横浜医療センターのロータリーの利用も考えられる。
戸塚バスセンターと戸塚区西部に位置する汲沢(ぐみさわ)団地へ向かう短距離路線と、鳥が丘地区南西部を経由して相鉄いずみ野線弥生台駅へ向かう路線である。2010年8月30日に起終点が戸塚駅から戸塚バスセンターへ変更され、この変更をもって長後街道方面の路線は全て戸塚バスセンター発着へ集約された。戸79については鳥が丘中央経由だったが、2002年10月1日に現行経路へ変更されている。
2014年1月14日のダイヤ改正において、平日朝に運行される戸塚バスセンター方面の一部便が「日産前」「アザリエ団地入口」を通過する急行便に変更された。その後、2015年3月14日のダイヤ改正では両系統の戸塚バスセンター行きが全便急行便となった。
戸塚バスセンターから長後街道を西へ進み、立場駅方面へ向かう路線はかつて様々なバリエーションがあったが、1999年8月29日の営業所移転による再編で整理され、2002年1月16日のダイヤ改正で長距離路線が廃止された。現在は1時間に2 - 3便が確保されている戸61・64が中心で、鳥が丘方面へ向かう戸79と出入庫も兼ねる戸58が加わる形となっている。
戸58はほぼ全線で横浜市営地下鉄ブルーラインと重複しているが、地下鉄延伸後も依然として立場地区が路線バス運行の拠点であることが幸いし、廃止を免れている。しかしダイヤ改正毎に減便を重ねており、2022年3月12日のダイヤ改正で立場方面が廃止になるなど、先行きは不透明な状況となっている。
戸61は、戸塚営業所の移転と同時に新設された戸塚バスセンター発着路線の出入庫路線で、1時間1 - 2便が運行されている。以前は深夜バスも設定されていたが、こちらは2002年1月16日に廃止された。
戸塚バスセンターと立場を結ぶ路線で、戸58よりかなり遠回りのかまくらみち経由で運行される。沿線には住宅が多く、立場地区に営業所が存在していた頃から主力路線として運行していた。平日朝ラッシュは10分間隔、平日夕ラッシュは12分間隔、その他の時間帯は20分間隔(いずれも往路)で運行され、往路のみ深夜バスが設定されている。
戸71・72は戸塚バスセンターと大船駅を結ぶ路線で、ヒルズ南戸塚を経由するか否かの違いである。1999年8月の営業所移転によって両路線の立場が入れ替わり、現在は戸72が中心となり、戸71は日中の運行が廃止されている。戸73・75は平日運行の区間便。金井高校への通学路線及び住友関連企業への通勤路線は戸75で、平日朝のみ片道運行される。その折り返しとして、戸73となり、ヒルズ南戸塚を経由して戸塚駅方面へ向かう。この時間帯は、大船駅からの便はヒルズ南戸塚を経由せず(戸71)、金井地区以南からの速達性を図っている他、ヒルズ南戸塚地区の住民は金井高校前始発で空いている便を利用するため、利用者が分離している。戸77は22時台に1便、片道のみ運行される。
臨時便は、金井高校生の帰宅時間帯にほぼ毎日運転されており、実質的な戸75の復路・急行路線である。行先表示は、通常の系統番号部分に「直行」、経由地の部分に「戸塚バスセンター」の文字が入り、通常の行先部分に「金井高校臨時」となっている。直行表記だが、戸塚駅西口も経由する。金井高校生の利用が殆どであるものの、一般客も乗車できる。
2001年11月30日に新設された循環路線で、戸塚バスセンターから金井までは上記の戸71と同一経路である。区間便の戸94・95はそれぞれ朝・夜のみ運行される。
戸塚駅から相鉄いずみ野線弥生台駅へ向かう路線で、1999年9月13日に舞岡営業所から移管されたが、2000年8月17日に舞岡へ再移管・横浜神奈交バスへ委託されたのち、2003年10月20日から再度戸塚営業所の路線となった。戸12は岡津地区から弥生台駅までを最短経路で結んでおり、まほろば停留所は後述の戸13・16などと異なり、新橋町西田橋交差点を左折後に停車する。高頻度で運行されるのは戸39で、岡津で左折後に領家谷地区および白百合台団地を経由する独自経路で、上記の戸79や舞岡営業所の東23(東戸塚駅 - 白百合台団地 - 弥生台駅)と共に白百合台団地・西田地区の輸送を担っている。
戸塚駅から岡津経由で相鉄本線三ツ境駅へ向かう路線群である。戸13は1999年9月の営業所移転および戸15~20の戸塚営業所移管によって戸40(戸塚駅 - ひなた山)を延伸する形で新設され、車庫行きに深夜バスが平日1便設定されている。戸17・19は三ツ境駅へ至る主力路線で、両路線の違いは湘南泉病院を経由するか否かのみである。混雑の中心は戸塚側だが阿久和地区などの利用客や全線乗り通す客も少なくなく、終日混雑している。日中時間帯は全便が戸17で運行される。
国鉄時代はこの路線で連絡運輸を取り扱っており、路線名は「阿久和線」となっているが、これは戸塚 - 岡津 - 相模新橋 - 阿久和の路線名称で、国鉄との接続駅は戸塚駅だった。途中の停留所に旧国名を冠した「相模新橋」も、当時の名残である。
戸18は2014年1月14日に新設された下岡津発着の区間便で、平日朝に戸塚駅方向のみ運行されていたが、2020年11月24日より往復運行へ変更となった。戸16は2017年4月3日に新設され、横浜隼人中学・横浜隼人高校への乗り入れ路線である。
戸塚駅から北部に位置する上矢部地区周辺を循環運行する路線である。狭隘区間が随所にあることから、開設当初はアヒル塗装の日野・リエッセが専属で使用されていた。しかし、上矢部高校関係者の通学需要や既存路線からの移行もあって予想以上に乗客が増加した結果、ラッシュ時を中心に積み残しが発生したため、アヒル塗装の中型車を投入して高まる需要に対応し、朝夕時間帯の増便(朝ラッシュ時が1時間当たり最大13本、夕ラッシュ時は最大9本)や区間便が設定された。日中でも1時間に4-5本(平日)となっている。土休日は、昼の時間帯3本程度の運行となる。リエッセの転属・廃車や中型車の代替わりが進み、2021年現在は一般塗装の中型車が共通運用されている。
戸90、98は始発から13時台までが上矢部高校先回り、それ以降は終車まで領家中学校先回りとなる。戸91、97、99は区間便である。
戸96は2002年9月26日に新設された路線で、戸塚第二工業団地の外れに誕生したマンション「ラムーナ横浜戸塚」を結ぶ。当初は戸塚バスセンター発着、踊場・谷戸矢部入口・鳥が丘中央を経由していたが、2009年6月8日より戸塚駅発着へ変更と同時に平日朝夕のみ運行となった。戸98は戸96の戸塚駅発着への変更と同時に新設され、戸90と異なりラムーナ横浜戸塚を経由する。戸97は平日朝夕の時間帯、戸96と合わせて運行されている。戸99は往路のみが夕方以降運行され、平日は深夜便も設定されている。
大船駅西口から栄区・戸塚区を中心に走行する路線群で、環状4号線を経由する大船駅発着の路線である。大船駅と立場を結ぶ船21・22は、原宿交差点からかまくらみち経由で立場へ向かう。時刻表で「直通便」と称される船21は、往路が平日朝の一部便、復路が早朝と平日夕方の一部便で運転され、それ以外の時間は船22で運転される。船22・25を合わせて、大船駅から原宿方面は日中は15 - 20分間隔で運行される。区間便の船24は平日朝夕に数本、土曜・休日早朝に復路が1本運行されるに留まっている。
現在は船25が多く運行されているが、昔は船24主体の運行であった。そのため、大船駅からドリームハイツ方面の時刻表は「俣野公園・横浜薬大前行き」表示で、ドリームハイツ行きが注釈で入っている。また、船25往路の放送では「俣野公園・横浜薬大前経由、ドリームハイツ行き」と案内される。
閉園した横浜ドリームランドは現在の「俣野公園・横浜薬大前」で、2002年の閉園後も2009年4月3日のダイヤ改正まではドリームランドを名乗っていた。なお、船22の二軒家停留所は「深谷小入口」へ改称されたが、戸60の二軒家は改称されていない。同時に立場方向の三叉路が「深谷」へ改称され、それまで船21で存在した「三叉路の次は『三叉路』」という現象は解消した。
船27は平日ラッシュ時に運行される循環線で、朝はニコン前先回り・夕方は小蓋山先回りで、2015年3月23日以前は「前乗り・前払い」だった。また、祝祭日においても工場稼働に伴い、臨時的に運行されることがある。臨時運行は、「神奈川中央交通」幕で、実質的に住友電工までの運転であったが、現在は船27として平日と同様に運転されている。
船48は公文国際学園への通学系統とされているが、寮学生および部活動の遠征などもあり、平日は通学時間を主として運行され、土曜・休日は朝から夕方まで一定間隔で運行される。途中停留所は全て通過し、スクールバスであるために路線案内などは一切無いが、一般乗客の利用も可能である。
千秀小学校スクールバスは、平日に運行されるスクールバスであるが、一般客も乗車できる。長尾台から千秀小学校前までの全ての停留所に停車し、小学校行きのみ運行され、行先表示は「千秀小学校」である。運行時刻は公表されていない。
いずみ野駅から西部の上飯田団地・いちょう団地を循環運行する路線で、13時を境に運行形態が変わる。い07は区間便で朝と夜で往復運行される。い08は途中で上飯田団地を経由するため、団地入口 - 小学校前間を2度経由するのが特徴である。これは、後述の長55と同一の運行形態で、環状4号線開通前の名残でもある。
2018年3月、泉警察署前 - 上飯田団地間でバイパスが開通したことで経路変更が実施され、相鉄いずみ野線北側の「宮西橋」停留所は廃止された。また、翌年にはいずみ野線高架下に「金子山」停留所が新設された。
いずみ野駅北部の東海道新幹線沿いに広がる阿久和団地を循環運行する路線で、2012年に経路変更が実施されている。中型車限定運用で平日26便、土曜・休日24便が運行されている。
三ツ境駅から各方面へ向かう路線で、境01は出入庫路線として数本のみの運行に留まっている。
中心は境11で、南部の宮沢地区へ向かう主力路線である。後述のい04と合わせると日中15分間隔で運行されている。途中に「阿久和山谷」停留所が存在するが、これは前述の境01(戸13)にも存在し、直線距離で450mほど離れているものの同一停留所として扱われている。
長54はかつて運行していた戸62(戸塚バスセンター - 長後駅)を短縮したもので、1999年8月の横浜市営地下鉄ブルーライン湘南台駅延伸によるダイヤ改正で一度廃止され、2002年1月16日のダイヤ改正で復活した。長55は大半の経路がい08と重複しており、出入庫路線で本数が少ない。
かつて綾瀬営業所が担当していた湘25(湘南台駅東口 - ドリームランド)が1999年9月13日に移管された際に、ドリームハイツへ延伸された路線である。2012年8月1日に綾瀬営業所へ移管されたが、2016年8月12日に戸塚営業所へ再移管された。湘29は2009年4月6日に新設された直行便で、横浜薬大の休校日は運休する他、大学説明会の実施日等には臨時便が運行される。2013年頃までは専用車が用意されていたが、現在は一般車で運行されている。
2002年10月16日に上記路線が揃って新設された。立01は日中25分間隔で運行される他、瀬02は平日の夜間の瀬谷駅からの入庫のみ、い12は通勤通学路線としてだけでなく、立01の終車後はひなた山方面の補完路線とされている。
い12は2021年現在、戸80(戸塚バスセンター - 下瀬谷)が廃止されて以降は、下瀬谷折返所を発着する唯一の路線となっている。また、立場ターミナル発着でありながら途中経由するいずみの駅発着路線の系統番号が採用された。
2022年4月1日、瀬谷駅は南口再開発によって南口発着へ変更となった。
環状4号線の開通に合わせて新設された路線である。神奈中グループの路線バスでは唯一いずみ中央駅のロータリーに乗り入れている(他の県道22号(長後街道)経由のバスはロータリーに乗り入れない)。
立場ターミナルからいずみ野駅方面へ向かう路線で、立01(立場ターミナル - いずみ野駅 - 瀬谷駅)の区間便に近い位置付けである。ひなた山第一より南側は同一経路である。
い11は2024年1月15日のダイヤ改正で、いずみ野駅方向のみ片道運行に変更された。
弥生台駅と隣の緑園都市駅を結ぶ短距離路線で、2003年10月20日に新設された。系統番号はかつて使用していた弥01が再利用された。中型車限定路線で、弥生台駅発は平日早朝のみ25分間隔だがそれ以外は40分間隔で運行する。
2007年12月16日に開業した路線で、環状4号線の新規開通区間を経由している。
停留所の名称については、いずれも廃止当時の物を記載する。
狭隘路線用にいすゞ・エルガミオの配属があるが、大型車は一般路線用の全てが三菱ふそう車で占められる。三菱ふそう車には、日産ディーゼル工業からのOEM供給車である西日本車体工業製ボディのエアロスターS・エアロミディSも在籍している。
また、特定輸送用に、三菱ふそうエアロスター(横浜市立上菅田特別支援学校スクールバスなど)、三菱ふそうエアロミディ(神奈川県立三ツ境養護学校スクールバスなど)が在籍している。
横浜市営地下鉄・湘南台駅延伸前、戸塚 - 長後線は神奈中にとって大幹線であり、現在でもドリームハイツを筆頭に、遠方や高台に位置する大型団地路線が多いなど、路線条件に恵まれている関係から長尺車が最優先に配備されていた。これら長尺車は2005年に全廃されたが、神奈中全体でも厚木に次ぐ規模だった。近年導入が進められているノンステップバスは、標準尺サイズを選択していたが、2014年11月以降導入車のノンステップバスは、短尺サイズになった。また、2016年6月には町田営業所からK尺のエアロスターノンステップバスが1台転入した。同時に、この月から導入の新車は全て都市型仕様となり、2013年から3年間続いた都市型ラッシュ仕様の導入は終了した。
中型路線が多く、大和、秦野、相模原に次ぐ多さで22台が在籍しているものの、ワンステップ車は全てMT車の配置となっている。また、三菱ふそう・エアロミディSは、大和の7台を抜いて、一番の所有台数を誇る(8台)。2001年から2003年までの間に、神奈中初となる中型のアヒル塗装車を導入した実績を持つ。
2012年10月よりかなch.の導入が始まり、50台が導入された(パラサイン製27インチ)。
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