『GTO』(ジーティーオー)は、藤沢とおるの同名の漫画を原作とした、1998年放送の連続テレビドラマ。1999年と2024年に続編としてスペシャルドラマ、またその続編として映画も公開されており、本記事ではこれらについても扱う。
1998年7月7日から9月22日まで、関西テレビとAVECが企画・制作し、フジテレビ系「火曜22時枠」で放送された。初回は22時 - 23時9分の15分拡大、最終回は22時15分 - 23時24分の15分拡大放送。関東地区の視聴率は最終回で35.7%を記録した(ビデオリサーチ調べ)。また、主演した反町隆史の歌う主題歌『POISON 〜言いたい事も言えないこんな世の中は〜』は出荷ベースで50万枚(オリコン27万枚)のヒット、ビデオは1999年12月時点も出荷ベースで累計10万本を売り上げた。
1998年12月にテレビドラマシリーズの総集編が放送された。沖縄では2000年4月に放映(当時沖縄テレビでは火曜10時に日本テレビの土曜9時枠ドラマを放映していたため、2007年4月から同時ネット)。
安藤和久をはじめとするスタッフの「原作よりもシリアスな学園ドラマにする」という製作方針により、原作とは部分的に設定を改変。舞台を中学校ではなく高校に変え、さまざまな規則で生徒を縛り付ける学校に対する問題提起や鬼塚と冬月の激しい確執と和解を軸にしている。ただし、原作のコミカルな要素も盛り込まれている。
本作品で主人公・鬼塚を演じた反町隆史と冬月を演じた松嶋菜々子は、このドラマでの共演をきっかけにして、1999年11月に交際を始め、2001年2月に結婚。また、ブレイク前の窪塚洋介、小栗旬、池内博之、藤木直人、玉木宏なども出演。
使用されたロケ地の学校は2002年のドラマ『ごくせん』や2007年のドラマ『ライフ〜壮絶なイジメと闘う少女の物語〜』でも使われた実践女子短期大学である。
2024年4月1日、26年ぶりとなるスペシャルドラマ『GTOリバイバル』が放送された。
元暴走族のリーダーで昔湘南に君臨した鬼塚英吉(25)は湘南の高校を中退後、大検を受け三流大学の優羅志亜(ユーラシア)大学に入学し、7年かけて卒業した。彼は高校教師になるのが夢。しかし実際は教育に情熱を持っているわけではなく、ただ単に教師になりたいというだけで、その理由も、女子高生とつき合うことができ、楽しく生きられるといったものであった。そんなある日、鬼塚が普段通りにアルバイトをしていると鬼塚の親友で警察官をしている冴島龍二が私立高校・武蔵野聖林学苑の教員募集のパンフレットを持ってきた。千載一遇のチャンスとなった鬼塚は応募し聖林学苑の面接に向かうが、面接官の内山田ひろし教頭と学年主任の中丸浩司からは邪険な扱いをされた挙句、退学させられた生徒に対する内山田の態度に腹を立て、回し蹴りを食らわす。
しかし、無茶苦茶だが規則よりも「人として大切なもの」を優先する彼の行為に武蔵野聖林学苑の理事長・桜井あきらが目をつけ、ある事情を鬼塚に明かして採用する。その事情とは、武蔵野聖林学苑は伝統ある自由な学苑だと思われているが、内情は、イジメ・登校拒否・暴力などにとどまらず、教師たちについても様々な問題を抱えていることであった。そこで、このような現状を打ち破れる教師として鬼塚に期待し、彼を非常勤として採用した。
桜井は、この無茶苦茶な鬼塚が様々な問題に真っ向からぶつかり、体当たりで解決してくれることに一縷の望みを託したのであった。
各話のあらすじは#エピソードリストを参照。
当初は鬼塚のことを忌み嫌っており、2年4組の生徒たちが鬼塚によって更生していくと次々と裏切られていく。終盤、(藤富を除き)内山田の味方となってイジメをして鬼塚を解雇することに成功するが、最終話で藤富と鬼塚の一番の理解者となった冬月の熱弁により改心・更生し、鬼塚を見直す。
表面的には男女ともに真面目な生徒の揃ったクラスに見えるが、実際は結託して担任教師を脱落させるためのイジメをしている。鬼塚が聖林学苑に教師として採用され、彼らの担任となったことで非常識な鬼塚の活躍によって更生していき、鬼塚を信頼するようになる。SPでは3年4組に進級した。信頼している教師は鬼塚だけ(後にあずさも)で他の教師への反感は変わらない。
原作および2012年版テレビドラマの大門美鈴一派に相当。
1999年6月29日の2時間SPは、7月から放送開始予定のアニメ版の前宣伝も兼ねて、テレビドラマシリーズ後の続編として鬼塚が代理教員として女子高に赴任するという設定で放送された。また、ドラマでは設定としていなかった神崎麗美の演出がある。視聴率は27.4%。
前週に放送された『古畑任三郎』第3シーズン最終回内で、古畑が翌週のこの時間にGTOスペシャルを放送することを予告するシーンがあるため、古畑任三郎の再放送時にセットで再放送されるケースがある。
GTOスペシャルの収録現場において、スタントマンの相子幸治が死去するという事故が起こった。撮影地は静岡県の大井川町で、鬼塚に扮した相子が海に飛び込むシーンで、着水に失敗し、死去した。
そのシーンは差し替えが行われたのか不明である。
『GTO』のタイトルで、1999年12月18日に東映系で封切された。タイトルではメディアの区別がつかないため「映画版」などと言われている。同年春に放送されたドラマスペシャルの続編で、ドラマシリーズ完結編の意味合いもある。
1999年初夏に北海道幌比内町の北文館学園高校へ臨時教員として赴任した鬼塚の活躍を描いた小説版『GTO Live in 北海道』が原作だが、展開は大きく異なる。町長兼理事長である桂木の下で保身に徹する教職員、町の衰退で閉塞感に包まれた生徒たちに鬼塚が正面からぶつかり、心を開かせる様を描く。
前年の『踊る大捜査線 THE MOVIE』の大成功で、配給は引き続き東宝と見られていたが、当時営業担当に移っていた東映の岡田裕介が映画化の情報をキャッチし、父の岡田茂東映会長がフジサンケイグループの鹿内信隆・鹿内春雄親子や、自身の旧制広島一中の後輩・巻幡展男関西テレビ社長とも親しかったことから、東映で配給を奪った。
制作はフジテレビ(ドラマ制作・映画事業部)主体で、『ズッコケ三人組 怪盗X物語』以来1年ぶりの東映配給作品であったが、2000年以降、フジテレビ制作による東映配給作品は激減している。本作品ではドラマ制作局の関西テレビ放送や制作プロダクションのアベクカンパニーはスタッフにおいてもほぼノータッチだった。なお、鬼塚がコンドーム入りの財布を夜の歓楽街(すすきの)で落としたり、同級生のいじめで市川楽が制服のズボンを下ろされてパンツ(白ブリーフ)姿を露わにするなど部分的にテレビドラマ版へのオマージュをうかがえるシーンがある。また、公開日時点では既にテレビアニメ版の放映が開始されていた。
旧芦別市立頼城小学校・白樺学園高等学校・芦別カナディアンワールド公園・北海道ちほく高原鉄道沿線などでロケされた。反町が着用していたサングラスが「Ray-Ban反町モデル」として販売された。
リメイク版であるAKIRA主演の第2期と同様、本作のみプログレッシブカメラでの製作となる。
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