2018 FIFAワールドカップ日本代表 (2018フィファワールドカップにほんだいひょう)は、2018年にロシアで開催されたFIFAワールドカップのサッカー日本代表である。
ワールドカップ6大会連続出場を果たした日本は、その行程で2度の監督交代という激震に見舞われた。前回ブラジル大会後に代表監督に就任したハビエル・アギーレはレアル・サラゴサ監督当時の八百長疑惑が取り沙汰され、就任半年後に契約を解除された。急遽招聘したヴァイッド・ハリルホジッチの指揮下でアジア予選を勝ち抜き本大会出場を決めたが、開幕2カ月前に「選手とのコミュニケーションや信頼関係」の問題からハリルホジッチは解任された。そして、1996年アトランタ五輪で「マイアミの奇跡」を起こし、日本サッカー協会技術委員長としてハリルホジッチを支えていた西野朗が新監督に就任した。日本人監督としてワールドカップに参加するのは岡田武史(1998年・2010年)に次いで2人目となる。
2018年5月14日、国際サッカー連盟 (FIFA) へ予備登録メンバー35人のリストを提出。西野監督は「シーズンは国内外で続いているし、動揺を避けたかった」という理由からリストを非公開にした。その後、5月30日のガーナとのテストマッチに臨む27人を招集して国内キャンプを行い、ガーナ戦翌日の5月31日に最終登録23人を発表するという手順になった。なお、35人リストの中から今野泰幸と小林悠、27人リストの中から青山敏弘が怪我のため候補から外れている。
最終選考にサプライズはなく、日本代表として経験と実績のある選手が多く選ばれた。マスコミが「ビッグ3」と呼ぶ本田圭佑・香川真司・岡崎慎司がメンバー入りし、リオ五輪世代から4人 が初選出される一方、ハリルホジッチが起用していた久保裕也・浅野拓磨、井手口陽介・杉本健勇・中島翔哉ら若手は選外となった。この選考に対し、世間から「年功序列」「忖度」という批判も受けた。平均年齢は28.3歳で、2010年大会の27.8歳を上回る過去最高。ワールドカップ経験者は11人で、うち5人が3大会連続となった。
なお、深刻な怪我を負った等の理由がある場合、日本の初戦 (6月19日)の24時間前までは登録メンバーの交代が認められている。ガーナ戦に招集された26人のうち三竿健斗、浅野拓磨、井手口陽介が最終選考から洩れ、浅野と井手口がバックアップメンバーとしてチームに帯同した。また、ロシア遠征中のU-19日本代表チームがトレーニングパートナーを務めた。浅野は4年後のカタール大会で登録メンバーに選出。また、当時のU-19代表メンバーの中から久保建英と伊藤洋輝がカタール大会登録メンバーに選ばれた。
直前の監督交代により、チームは1からの再構築を余儀なくされた。本大会前のテストマッチとして行われたガーナ戦(5月30日)とスイス戦(6月8日)で西野監督は攻撃的MFに本田圭佑と宇佐美貴史を抜擢し、2人を中心に攻撃を組み立てようとしたが、チームは機能せず両試合を0-2で落として連敗を喫し先行きが危ぶまれた。
続くパラグアイ戦(6月12日)ではメンバーを入れ替え、攻撃的MFには(左から)乾貴士、香川真司、武藤嘉紀が並んだ。海外で各々が培った組織的守備を活かしたショートカウンターで得点を量産、4-2で勝利し希望を繋いだ。この試合で活躍した攻撃的MFのうち乾、香川の二人が本大会でもスターティングメンバーに選ばれた。一方で武藤が務めた右サイドハーフのポジションは原口元気がスタメンに選ばれた。
3戦を通してDF(センターバック)は吉田麻也を軸に、槙野智章と植田直通、昌子源が争い、最終的には昌子がスタメンに選ばれた。守備的MF(ボランチ)は長谷部誠を軸に、大島僚太、柴崎岳、山口蛍がテストされたが、最終的には柴崎がスタメンに選ばれた。
グループリーグで日本はグループHに入り、コロンビア(FIFAランク16位)、セネガル(同27位)、ポーランド(同8位)と対戦した。6月7日付FIFAランク 61位の日本にとって、すべてが格上との対戦となる。
グループHはコロンビアが2勝1敗(勝ち点6)で1位通過。日本とセネガルが1勝1敗1分け(勝ち点4)、得失点差(0)・総得点数(4)・直接対決の結果(引き分け)で並んだが、警告や退場数によるフェアプレーポイントで日本が2ポイント優位になり(日本4:セネガル6)、日本が2位で決勝トーナメントに進出した。フェアプレーポイントが順位判定の決め手となったのは、ワールドカップ史上初めてのことだった。日本のグループリーグ突破は2002年日韓大会・2010年南アフリカ大会に続く2大会ぶり3回目。
日本は試合には敗れたものの、その評価は高く、海外メディアから称賛する報道が相次いだ。
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